不動産の「おとり物件」と、紹介会社の「釣り求人」に関する考察

INST石野です。今週は比較的まじめにブログ更新しております。やはりリズムが大事ですね、リズム。

さて、今日のブログは不動産のおとり物件と紹介会社の釣り求人に関してです。

 

不動産仲介と人材紹介はすごく良く似ている→だからこういうことが起きる

このネタで書いてみようと思ったきっかけは下記のブログです。

おとり物件をおとり調査してみました。

不動産管理会社を経営している社長が書いた記事です。

ざっくりまとめると

・自社が管理していて、契約済みの物件が不動産Web媒体に新着物件としてUPされてるのを発見
 ※契約が終わったのはUP日の1週間前
・その物件を掲載してる不動産仲介会社に内見申し込みしたら「内見できます」との返答
 ※しかも管理会社に無断で掲載していた(これ自体は問題ないのかな?)
・管理会社(囮ともしらず)に確認連絡があって、「契約済み」と案内
 →不動産仲介会社から「内見入っているが未契約なので内見できないかも」連絡くる
・なので内見を断った

ふむふむ。これって人材ビジネスでもありそうな気がしますよね。ドキっ!とした方もいらっしゃるのではと。いわゆる情報を仲介するようなビジネスでは安易に起こりえてしまう仕組みなのでしょうか。

僕は不動産ビジネスに従事したことはないのですが、人材ビジネスとすごく仕組みがよく似ています。おそらくはこの囮物件を掲載していた不動産仲介会社では来店数がKPIになっているのでしょう。

 

◆不動産仲介会社のおとり物件
・人気が出そうな物件を契約/未契約に限らず掲載
・集まってきた人に内見OKです、と伝えてお店までとにかく来させる
・来店したら「すいません、実はタッチの差で決まっちゃって。他のおすすめ物件ご案内します」
・ゴリ押しでクロージングして成約→(゚д゚)ウマー

こんな感じでしょうな。これを人材紹介ビジネスに置き換えると

◆人材紹介会社の釣り求人
・人気が出そうな求人を募集中/募集終了に限らず掲載(もしくはスカウト)
・エントリーしてきた人に「応募OKです」と伝えて面談までこぎつける
・面談に来たら、他の求人も応募承諾させる
・本命の求人は募集終了してても「他の候補者で決まりそう」とかなんとか誤魔化す
・本命以外の求人で内定出して成約→(゚д゚)ウマー

ほぼ同じやん!事業を運営していく以上、KPI管理をするのは致し方無いと思います。また、その後の営業やコンサルタントのトークでなんとか出来てしまう(丸く収めちゃう)のも似てますな。

 

クローズした物件(求人)にエントリーしてきた人を呼び込むのは悪なのか?

議論のポイントはここかなと。

まず、不動産でも求人でも、虚偽の広告で集客をすることは違法です。不動産ではエイブルに控除命令が出たことがありますし、求人でも行政処分がくだされたケースがあります。

僕が思うに、悪質性が高いのは不動産のおとり広告なのではないかと。

理由としては
・仲介業者が間に入ることがほとんどで直接大家(物件オーナー)と契約することはない
不動産:どうしてもこの物件!という人は直接応募できない
求人:どうしてもこの会社!という人は直接応募できる

・仲介会社によって募集物件(求人)のスペックは変わらない
不動産:だいたい単一スペック
求人:営業の技量や紹介会社の得意とする領域によって変わる可能性ある

などなど。

不動産は入居者によって条件が変わることが殆ど無いように思うからです。男性だったら1万円プラス、40代だったら敷金礼金無料、とかは聞いたことない。また、不動産の物件はゼロイチで誰かが契約してしまったら絶対にクローズですが、採用に関しては1名採用予定だったけど良い方が2人いたから2名採用とかは全然あると思います。

求人と企業はいずれもナマモノですので、面接していくうちにポジションや役割が変わったり、当初の想定年収を上回ったり下回ったりすることだってよくありますしね。ナマモノとナマモノをマッチングするから人材サービスのほうがファジーというかなんというか。

また、不動産のほうが「この物件!」と決めて仲介会社に連絡を入れることが多いように思います。ぷらっと不動産会社訪ねて「いい物件ないっすか」というスタイルもなしではないかもしれませんが、大体目星つけてから行きますよね。

かたや求人に関しては「僕のスキルで通用するところってどこですかね?」的な相談もあると思うので、なんとも難しい。

 

そうは言ってもおとり広告を見極めるのは至難の業

おとり広告としては

A:実際に存在しない物件(求人)を掲載する
B:物件(求人)自体は存在するが条件を変えて掲載する
C:物件(求人)自体は存在していたものの今は募集してない

の3つくらいがあると思います。今回は1番下のCのケースでしたね。

まず、Aに関しては「弊社独占の物件(求人)」と言われてしまったり、部分的にブラインドにされてしまうと見極めが難しいかもしれません。あからさまに「東証一部上場企業でCEOの募集!年収2000万円〜、業界未経験歓迎!」とかあったら胡散臭いですが、そのあたりは不動産仲介会社も人材紹介会社もうまくやるでしょう。

Bに関しては、ネットで情報が溢れかえっておりますので、他の会社が出している情報と比較すれば、その条件が正しいのかそうでないのかは分かりそうな気がします。

Cに関しては上で書きました。すべてのケースにおいて突き詰めて「あの物件(求人)どうなったんですか?」と言われてもクローズしてしまったといえばそれまでですし。なかなか辛い。

 

 

 

業界全体でモラルを守っていくことや、人材ビジネスであれば求人の独自性を追求することが大事なんでしょうな。

あとは宣伝にもなりますが、SMSやチャットを使ってエントリーした後の呼込み率を向上させたりするほうが僕は得策だと思いますけどね。

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それでは。

Kosuke