清原元選手事件に見るプロ野球選手のセカンドキャリア形成の難しさ

INST石野です。

衝撃的なニュースでした。そりゃあブログ書いてますから、ベッキーとかゲスの極み乙女とか、件名に入れたらPV上がるだろうし、書きたい気持ちはありましたよ。でもそれは全然仕事と関係ないし、会社のブログとして書いてるところに、やれLINE流出がどうとか書いてもなーと思っていたので書きませんでした。

 

ですが、今回の件についてはビジネスマン、INSTの代表という肩書云々ではなく、1人の野球人として触れずにはいられません。同時にスポーツマンの人のセカンドキャリア形成の難しさを痛感させられました。

 

僕に野球を好きになるきっかけをくれたキヨハラくん

僕が野球をはじめたのは幼少の頃でした。僕の父は元ノンプロの野球選手でしたので(ドラフト指名経験あり)、生まれた時に既に野球以外のスポーツは選択肢としてなかったのです。ですが、そんな親の敷いたレールにあろうことか尾崎豊のごとく抗い、「野球やりたくない」と小学生の石野少年は言いました。

当然父とはいがみ合い、会話も少なくなります。そこに母がこんな本を持ってきました。

SHOGAKU02868

そう。かっとばせ!キヨハラくんです。石野少年は清原に憧れて野球をはじめたのではなく、かっとばせキヨハラくんが面白くて野球への興味を再燃させ、その後小学校時代はソフトボール(しかなかった)、中学、高校と野球部に所属し、今でも春から秋にかけての休日は楽しく草野球に勤しむ野球バカになったわけです。コレはマジ話。

ですが、清原がいなければ当然ながらキヨハラくんはなかったわけで、石野少年は野球をやっていなかったかもしれません。なので、僕が野球をはじめたきっかけをくれたのは清原元選手だったわけです。もちろん清原大好きです、僕は。

 

とにかくかっこ良すぎた「番長」清原

甲子園でのダントツの通算本塁打記録13本や、プロ1年目からの3割30本達成などはドコのサイトでも書いてますが、特に僕が憧れていたのは

・ライト方向への強い打球
なんと言いますか、引っ張ってホームラン打つよりも何倍も難しいんですよ、逆方向への当たりって。それが清原は本当に美しかった。右中間とかセンターバックスクリーンに飛ばす当たりとかたまらん。ああいうホームラン打てるようになりたい、と高校の時筋トレに励んだのを覚えています。

・日本人初?のナイキとのスポンサー契約
これは調べた結果清原が1番最初かどうかはわかりませんでしたが、すごく印象的でした。日本のスポーツブランドから出されていた野球用品はオシャレさとは無縁だったあの時代に、清原が身に着けていたナイキのスパイクやグローブ、バットなどは本当にかっこ良く見えたのを覚えています。僕は高校生当時ナイキのスパイクを購入したことがありましたが、部室の外に干しておいたところ盗難されました。俺のスパイクなんか何に使うんだw

の2つです。マジ影響受けたわ。ほんとかっこよかった。松坂と日本シリーズで対戦した時のホームランとかやばかったっす、マジで。

 

スター選手であればあるほどセカンドキャリア形成は難しい

いろんな高校・大学・社会人チームからスター選手が集まってくるプロ野球の中でもスターの中のスターであった清原。あれだけチヤホヤされたら「自分は天才で、出来ないことなんかなにもない」と天狗になってしまっても当然でしょう。自分のバットだけで何億円と稼いでいたわけですから。

人生の殆どを野球に費やしてきたと思われますので、残念ながら一般常識や仕事に対する知識などは我々一般人に比べて欠如してしまっているでしょう。(もちろん非常に頭がいい方や人格者の方もいらっしゃいますが)日本のプロ野球では指導者や解説者としてのポジションはそんなに多くないので、引退後の不安もつきまとうはず。退職後の希望進路第一位は「飲食店経営」だそうですよ。なんか寂しいですよね。

また、米国メジャーリーグでは、年金制度がしっかりしていて日本は全然ダメとも言われています。

アメリカ
・メジャー(1軍)に5年以上在籍が最低条件
・満額は10年以上の在籍で年2,000万円の支給
・5年で50%、6年で60%、、、、10年で100%の2,000万円というロジック
・支給は60歳から死亡まで

日本
・10年以上の選手登録(1軍でも2軍でもOK)
・支給額は年間約120万円
・支給は55歳から死亡まで

すごい差がありますね。年間2,000万と120万円・・・120万円って何出来るんでしょうか。

僕の古巣のインテリジェンスやソフトバンクグループのSBヒューマンキャピタルさんとかもプロスポーツ選手のセカンドキャリア支援やっておりますが、まだまだ業界的にめちゃめちゃ浸透しているわけではないですしね。。。この辺りは収益性があまり見込めないかもしれないので、国や自治体、プロ野球機構などの団体と連携をとってぜひ大手の会社に本気で取り組んでいただきたい分野です。

 

どん底まで落ちたら僕だって「絶対やらない」なんて自信ない

※あらかじめ行っておきますが、薬物利用を推奨したり正当化しているわけではないですよ!

今後、清原元選手がセカンドキャリアを成功させて世の中に出てくることはほぼないでしょう。覚せい剤取締法違反、これはかなりきっついです。再犯率も非常に高く、これはベッキーどころの騒ぎではないです。

ですが、減っていく収入、奥さんとの離婚、テレビオファーの少なさ。誰もが羨むスター人生からの転落(全然普通の生活よりはマシだったかもしれませんが、落差が、ね)。その心のスキマを埋めるのが覚せい剤しかなかったのかと思うとすごく可哀想過ぎます。すべてを失って本当にそこしかよりどころがなかったのでしょう。きっと清原元選手の周りにいた人は「なんで支えになってあげられなかったんだろう」と後悔している方ばかりでしょう。

僕も今でこそ家族がいて、会社があってメンバーがいて、お客様がいて、友達がいて、と楽しい充実した毎日を送っていますが、すべてを同時に失ったとしたら、悪い道に100%手を出さないなんて自信ないです、正直。そんな強い人間なんていないと思います。想像もしたくないですけどね、そんなシチュエーションは。

別に特に清原元選手を擁護する気はありません。悪いことは悪い。

批判するのは簡単。でもその人の気持になって考える、なんて100%無理なんですから、どうかこのブログを御覧になった方は、「清原だめだな」と批判の声を上げる前に「あれだけの人でも崩れてしまうんだから、よっぽどのことだったんだ」という考え方を持っていただきたいです。

 

とまあ、1人の野球好きの戯れ言だと聞き流していただければと思います。

それでは。

Kosuke