「求人サイトはIndeedに全部食われるのか?」という話

「求人サイトはIndeedに全部食われるのか?」という話

inst石野です。

最近、人材業界の人と話していると、

「もう求人サイトってIndeedと求人ボックスに全部食われるんじゃないですか?」

みたいな話になることがあります。

実際、求人サイト各社の決算はあまり良くないですし、アルバイト領域もタイミーの台頭であまり元気があるようには見えません。

​試しに「千葉 求人」や「千葉 IT営業 求人」で検索してみたんですが、意外(?)にもdodaさんがindeedや求人ボックスよりも上位表示されておりました。

※千葉県内の求人はdoda>indeedなようです。1位獲得してる「ちばキャリ」は渋いですね〜

※スポンサードリンクは外してますが、リクルートエージェント、ビズリーチ、green、マスメディアンあたりが上位でした。

検索順位だけで決まるわけではないですが、indeedと求人ボックスの戦略は「大量に求人がありますよ」という打ち出し方で、かなり似ていますね。

ただ、人材ビジネス20年戦士クラスの方々はご存知とは思うのですが
「求人情報を大量に集約する」
という思想自体は、実は昔から存在していたんですよね。

僕の記憶が正しければ、これ系の先駆けはソフトバンクヒューマンキャピタルの「仁王」だった気がします。それより前にありましたっけ?もうクローズしてしまっているようですが。。。

あとは、今でも運営されておりますがキャリアインデックス​やビズリーチがindeedを追随して作ったスタンバイなどなど。

他サイトの求人情報をスクレイピングや提携掲載で集約して、求人数を増やしSEO対策をして流入を稼ぎ、横断検索して送客で求人サイトから課金するという発想はかなり昔のネット黎明期からあったわけで。

​ですが、今ではIndeedが頭3つくらい抜けておりますがね。

求人ボックスはIndeedに勝てるのか

その中で、かなり頑張っているのが求人ボックスですよね。

TVCMもかなりやっておりましたし、先日の決算説明でも、祖業である価格.comに迫る勢いで成長しており、YofYで36%成長、そしてかなりの先行投資をしている状況です。

もはやインフラに近いくらいまでの知名度と安定収益を誇る、食べログや価格.comで得たキャッシュを求人ボックスにつぎ込む。これはいわゆる日本のHRビジネスの会社ではなかなか行えないことではないでしょうか。

​そして、CMも含めて、

「仕事探しは求人ボックス」
「バイト探しも求人ボックス」

みたいな感じで、かなり真正面からIndeedと戦っているのもすごいと思います。

ただ、Indeedが「仕事探し検索エンジン」、いわば仕事探しのGoogleという戦略で成長をしてきたということを見ると、検索エンジンの世界2位はBingなわけで、シェアはGoogleの90%に対して3-4%と大分水をあけられてしまっています。

​本気でindeedの牙城を崩しに行っているのか、もしくは特定分野に特化してゲリラ戦で勝利することを目論んでいるのか、ある程度のシェアを持つ求人検索エンジンにすることが目的なのか。

いずれにせよ、求人のイメージが全くなかったカカクコムがリクルートに対抗しているという今の求人業界の構造は非常に楽しみでもあります。

飲食人材の不足に立ち向かえるのでは

求人ボックスの今後の戦略について詳しく知っているわけではありませんが、個人的に面白いなと思うのは、「食べログ」とのシナジーです。

一部では超批判的な飲食店経営者もいたりして、数年に一度物議を醸す「食べログ」ではありますが、飲食店のデータ保有量や取引先保有数としては日本最大級と言って過言ではないと思います。

そこに来て

・インバウンド需要

・外食分野の特定技能1号の受け入れストップ

など、飲食業の人手不足は深刻度がどんどん上がっていくように思います。

モバイルオーダーなどのDXや、猫ちゃん配膳ロボットなどの導入だけではどうしても追いつかないでしょう。

実はあまり知られていないかもしれませんが、食べログ求人という求人サービスも2023年8月からスタートしており、昨年の10月に有料掲載も開始しています。

もちろん食べログ求人に掲載すると求人ボックスに求人が掲載される仕組みです。

そして、昨年末にenから買収したengageとのシナジーとengage⇔indeedの連携解除などなど。いろいろな思惑が絡み合っているように見えますね。

※ちなみにタイミーの(スポットワークの)求人は、Indeed、求人ボックスに連携されるようにはなっていないようですね、現時点では。連携も水面下で交渉が行われていそうな気もします、知らんけど。

人材紹介・派遣会社への影響は?

Indeedも求人ボックスも、2026年5月現在、人材紹介・派遣会社の集客として活用は出来ますが、いずれもダイレクト採用の方にシフトしていきそうな雰囲気ではあります。

特に今後は生成AIの進化に伴い、というかindeedはAIフル活用して仕事探しを1秒でできるようにする、と豪語されておりますので、仲介業者である人材紹介・派遣会社が求人と求職者の間に立ってしまうと1秒採用は実現できないですから、ダイレクトシフトはほぼ間違いない方向性なのかなと。

仕事を探す個人側としても、登録して面談してマッチングして仕事紹介して、というのは莫大なデータをもつIndeedや求人ボックスのマッチングやレコメンドの精度、そしてスピードがAIによって上がれば、いちいち人材紹介会社と面談しなくても自分にマッチした求人情報がクイックに手に入ってしまうことになります。

コモディティ化してネット上でほぼ公開されているような求人情報しか保有していない人材紹介会社は淘汰され、秘匿性が高い求人情報を取り扱うエグゼクティブ・ハイレイヤー層の人材紹介や、地方×◯◯(なにか)などの超ニッチな求人を取り扱っている人材紹介会社などしか生き残れない世の中が訪れるかもしれません。

とはいえ、AIではなく人に相談したい、というニーズが0になることもないかなと思います。情報の非対称性が発生する部分は必ず存在します。僕自身も人材紹介エージェントとしての経験がありますが

・仕事をどう探せば良いのかわからない

・転職の仕方がわからない

なんて、人は普通にいますしね。

ただ、そういう属性の求職者は転職支援サービスに申し込んだとしても、成約までに手間と時間がかかりそうなので、人材紹介会社としての生産性(収益性)は低下してしまいそうな気がします。

結局大事なのは「非公開求人」になるのか?

以上のことを踏まえますと、人材紹介会社の生き残るための一つの方法に

ネット上に公開されていない(indeedに掲載できない)求人
=非公開求人

を多数保有している、ということも挙げられそうですが、Googleで「非公開求人」で検索したときの、スポンサードTOPは

Indeedでした、ということで、今日はこのへんで締めたいと思います。

それでは。

Kosuke

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