キャリアアドバイザー業務はAIで代替できるのか
INST石野です。
最近、クライアントの担当者や紹介会社の社長さんとのお話でこんな話になることが数回。
「AIでキャリアアドバイザー(CA)の仕事ってAIに奪われちゃうんですかね?」って話。
僕の考えは「業務量の7割はAIで大体可能」です。
ということは、人間のキャリアアドバイザーが要らなくなる、ということはないと思っています。
RAとCA、どっちがAIに代替されづらいか?というと圧倒的にRAだと思います。法人営業をして求人獲得をしたり、企業の採用課題をヒアリングして求人提案をしたり、というのはまだなかなかAIには難しそうな気がします。
※1年くらいしたらできるかもしれないけどw
今日はこのテーマについて、人材業界の泥臭いリアルも交えながら僕の考えを書いてみようと思います。
今のCAは「相談員」ではなく「営業職」である
なぜ「人間CAはなくならない」と言い切れるのか。理由は至ってシンプルです。
今の人材紹介会社のキャリアアドバイザーって、綺麗な職種名がついてますけど、実態はゴリゴリの営業職だからです。
ご存知の通り、今の転職市場はずっと売り手市場が続いています。
求職者は、複数の紹介会社に登録し、ビズリーチやらスカウト媒体で大量のメッセージを受け取り、企業から直接ダイレクトスカウトが飛んでくる状態なわけですよ。
そんな群雄割拠の中で、CAが毎日血眼になってやっていることって何でしょうか?
- 何とか電話に出て連絡をつけて、面談に来てもらう
- 他社エージェントじゃなく、自社を選んでもらう
- 提案した求人に「お、いいですね」と乗り気にさせる
- 最終的に選考・応募まで進んでもらう
これ、立派な営業活動ですよね。
僕が人材紹介やっていたのが買い手市場のリーマンショックの時代あたりがメインになるので、このあたりはかなり変わったなと思います。
人の温かみ、人間臭さこそが大事、というのは多くの人材会社の経営者の方が口を揃えて言うとことでもあります。
「この人、なんか信頼できるな」「このアドバイザーさんの話なら聞いてみようかな」と思わせる人間的な魅力や、土壇場の口説き(=営業力)は、現時点のAIが逆立ちしても人間には勝てない領域だと思っています。
※逆に今の10代20代が人材紹介のメインのターゲット層になったら「人間よりAIに相談するほうが気楽」というのも一定でてくるとは思います。
AIに代替できるCA業務とは?
ただ、だからといって「じゃあAIなんてうちの会社には要らない」とはなっては良くないと思うのですよ。これだけ便利なわけですから。
AIが得意な領域で、今CAの方々がやっている業務を考えてみますと
- 面談日程の調整やリマインド
- 希望条件の機械的なヒアリング
- 求人データベースからの一次提案(マッチング)
- よくある質問(FAQ)への回答
※ネット上に流布している一般的な転職ノウハウを伝授する的な
このあたりのルーティンワークは、人間が手作業でやるよりAIにやらせたほうが効率的ではあると思います(温かみ、という観点を無視すれば)
連絡がつかない求職者には鬼電しかないのか
営業的な要素が増えたCAの日々の業務で一番ストレスが溜まるのはこの部分ではないでしょうか。
- 何度電話しても出ない
- メールもLINEも返信がない
- 面談予約までたどり着かない
各社へのヒアリングでも、面談呼込み率としては
- スカウト媒体:7-80%
- リスティング:30-50%
- Meta広告:15-30%
程度が標準的と思いますので、集客手法のバランスにもよりますが、せっかく確認できた有効エントリーの半分くらいは塩漬けになり、その後「掘り起こし」というさらに通電率が低い架電業務にシフトするわけです。
掘り起こしのためのAIテレアポツールなどもありますが、これもまたかなり微妙です。人間が頑張って架電で追い掛けて着席させられなかった人をAIに拾い起こさせる、というのは至難の業過ぎます。
恐らく「電話が繋がらない人」の中に一定含まれるシンプルに「電話が嫌いだ」という人に人間が掛けてもAIが掛けても結果は同じ。
じゃあ電話じゃなくてLINEとかWebチャットで日程調整やればいいじゃんと考えた時に「そのやり取り、誰がやるの」となってしまって、結局人間+電話が最強、と止まってしまうのかなと。
CAアシスタントとしてのAIの可能性
ここはAIの出番じゃないかと思うわけです。
- GoogleカレンダーAPI
- LINE Messaging API
- OpenAIなどの生成AIのAPI
をなど組み合わせれば、日程調整Botは比較的容易に開発することが出来ます。
実際、LINE Botを利用いただいている企業では友だち追加から結構な確率で希望日程の回収まで行うことが出来ています。
単に電話嫌い、という人だけではなく、さっきAI化することができる業務として書いた
- 希望条件の機械的なヒアリング
※希望年収、転職理由など - 求人データベースからの一次提案(マッチング)
※応募できる求人何件くらいありますか?→◯件くらいあります - よくある質問(FAQ)への回答
このあたりもこのLINE×AIに行わせることは比較的容易です。
※日程調整以外の個人情報を取得するようになると、生成AIにどこまで渡すかをしっかり定義することが大事になります
- 面談って何を話すんですか?
- 内定したら絶対転職しないといけないんですか?
- 転職支援サービスにお金はかかりますか?
恐らくこのあたりが不明瞭で登録面談に結びついていない人たちも一定量いるのかなと。人材業界で働いていると当たり前のことですし、「そんなことホームページに書いてあるよ」と思うかもしれませんが、人間って取扱説明書あんまり読まないものですよね。
※ただ、このあと大事なのが「AIから人間への会話引き継ぎ」になるわけで、そこまでやるとなると開発体制がない紹介会社では難しくなってくるのかなと。
〜ちょっと宣伝〜
今書いた内容に加えて
- その後の連絡ツールとしてもLINEが使える管理画面
- AIとのやり取りから得た一次情報の取得
- AIとのやり取りでの求職者の温度感測定→架電タイミングの通知
などができるツールも開発をしているところです。もしご興味があればお気軽にDMやメッセンジャーでご連絡ください。
※こちらはプロダクト化するというよりベース機能を各社ごとにカスタマイズする必要があるかなと思ってます。
〜宣伝終わり〜
こう考えてみると、LINEじゃなくてAI電話相談ダイヤルみたいなのを作って電話かけてくれたら、面談前の疑問払拭します、というのもありかもしれないです。
※掛けたら人間が出るんじゃ?と思って避けられるかもしれないけどw
AIを情報整理からコミュニケーションへ
多くの会社で、面談情報をAIに要約させたり、それをもとにAIマッチングしたり、AIスカウトを送ったり、というのは一般的になっていると思います。
今日このブログを書いたのは、紛いなりにもIT会社の社長を11年やって、人材会社様に向かい合ってきた僕が一つの仮説として
情報整理からコミュニケーションへ
とAIの利用方法を進化させるタイミングがそろそろ来るのでは?と思っているからです。
即架電やSMS配信のサービスもいわゆる顧客接点なわけですが、いわゆる人と人で行っているコミュニケーション業務をAIに代行させるのも大事になってくると思います。
ROXXさんやPeopleXさんが提供しているAI面接官は恐らく人材紹介会社でもAIキャリアコンサルタントとして使うことは既にできるとも思います。
が、そこまででなくても、今実際にCAの方がやっている業務をAIに一部任せられるかも?と気付きがあれば、幸いです。
もしご相談ごとなどあれば、お気軽に!
ひっそりとAIエージェント開発支援サービスも始めました
それでは。
Kosuke