オートリザーブのプチ炎上について思うこと
inst石野です。
こんなニュースがX界隈で少し話題になっています。

要約しますと
・オートリザーブという飲食店予約のAIサービスがある
・個人ユーザーが予約したい店・時間をオートリザーブにリクエストする
・AI架電でレストランに電話して予約を試みる
・予約が成立すると個人ユーザーが予約手数料をオートリザーブに支払う
・が、お店の人が出るまでAI架電が鳴り止まず、お店側が迷惑をしている
・運営会社側は「法的に問題はない」としつつ真摯に受け止めるとしている
と、こんな感じです。
規模や利用方法は違えど、広義の意味で同じ「架電サービス」を提供しているので、ちょっと考えてみることにしました。
オートリザーブのビジネスモデルとは
調べてみたところ
・オートリザーブはWeb上に公開されている店舗データを集約して「予約可能店」として掲載している
・予約可能店は2種類あり
A:「ただ知らずに掲載されているだけの店舗」
B:「オートリザーブ運営元のHelloが提供するRespoを利用している店舗」
・Respoは予約台帳、モバイルオーダー、POSレジなどの店舗のDXツールであり、予約可能店Bであればオートリザーブと連携して自動予約ができる(模樣)
・予約可能店Aの場合は予約のデータ連携が出来ないのでAI架電で予約をする
なんか、ちょっと前に流行ったペコッターの人力架電をAIに置き換えた、みたいな感じに見えます。
が、人力で架電して予約してくれるペコッターに対して、AIで架電するオートリザーブ。そして、裏側で店舗DXの仕組みを販売する、というのがポイントかなと思います。
そして、そのRespoですが、予約台帳やモバイルオーダー、POSレジや端末などの利用料を原則無料にして、カード決済の手数料(しかもこれも業界最安値クラスらしい)のみで利用ができる、ということになっているようです。

そう考えますと
・Respoを導入していない店舗にAIから電話が掛かってきて予約が入る
・オートリザーブで予約した個人から課金
→店舗への予約料請求もしない
・店舗に「予約入りましたね、Respo使いませんか?」と営業
という方式でRespoの利用店舗を増やしていきたいということなのではないかと。
飲食系のサービスにあまり知見がないのですが、飲食店DXはかなり競合も多く、リクルートなども参入している領域ですのでかなりの価格競争になっていると思います。予約者からの手数料収入だけでそんなに儲かっているのでしょうか?
狙いは電話したくない人と外国人か?

オートリザーブのサイトを見ると、アフィリエイト収入について記載がありますが
・日本人は10円/人
・外国人は50円/人
とありますので、日本に来た外国人観光客をある程度ターゲットにしていることが想像できます。
確かに、日本古来の飲食店予約サービスも数多く存在するものの、ネットでの予約は基本、掲載店舗(有料掲載や送客課金)しか対応していないと思うので、
ネット予約システムを導入していない飲食店に行きたい
という人には便利なサービスと言えるでしょう。AI翻訳があるにしても日本語が話せない外国人観光客には重宝がられそうです。
また、前述したペコッターに関しても、一定「電話をしたくない」とか「電話をかける時間がない」という日本人にも重宝がられていたイメージがあるので、電話嫌いの若者には刺さるのかなと。
まあ僕は、Web予約するとお店に手数料が発生したりするかも?と思って全然普通に電話して予約取ったりすることも多いですが。
オートリザーブのユーザーは300万人ほどいるようで、予約の際の手数料は500円前後/人くらいらしいので、MAUが10%の30万人いて、1回2名で予約したとすると月間3億円くらいは手数料収入があるのかもしれません(結構すごいな)。
なぜ今回プチ炎上したのか?
・飲食店には予約手数料なしで予約が入る
・電話がかかってくるのが嫌ならRespoを使えば良い(しかも安い)
というロジックになるので、オートリザーブの運営元のHelloの戦略は凄く正しいような気がします。
しかも、こういう「勝手に掲載したもん勝ち」みたいなのってUberとかGoogleMapとかそういうのにもありましたよね。
ただ、似たような仕組みで予約を代行してくれていたペコッターが炎上した記憶もありません。
それでいうと「電話に出るまで鳴り止まない」と表現され、電話の音量を0にして営業を続けている店舗もあるくらいの「AI架電で担保された膨大な架電件数」が飲食店のクレームの原因なのかなと思います。
オートリザーブ/Respoの運営元Helloの代表を務めている播口さんという方は、aisacc の取締役も務めており、このaisaccさんはオトコル、という一斉自動架電のサービスを運営されております。
※今はグラハム、という会社に分社しています。

INSTでも一斉架電のシステムを作るかどうか?と2017年くらいに検討したことがあったのですが、その時に見送った経緯があり、その後オトコルが出てきたので「おー、やっぱり出てきたか」と少しマークしていたこともありました。
恐らくこのオートリザーブの予約も、店舗の営業時間を狙いオトコルの仕組みを使って電話を掛けているのではないかなと思います。
AIによる電話がかかってくる店舗側に将来の売上、というメリットがあるのに、それでも迷惑がられてしまうのは「転職したら年収が上がるよ、だから登録に来てね」という人材会社と少し似ている気がしましたw
可能かどうかはわかりませんが、店舗側が「この時間ならOK」みたいなタイミングをオートリザーブ側に明示したうえで、そのタイミングで電話を受ける、とか古典的ですがFAXで予約希望情報が届くとか、iVRyやfondeskなどの電話受付サービスを使っていれば話は変わっていたかもしれませんが、そこまで飲食店の電話DXは進んでいない、ということなのでしょう。
AI一斉架電サービスは流行っているが、、、
僕が電話系のサービスを運営している手前、色々サービスを調べる機会が多いからなのかもしれませんが
・AIなら心が折れない
・AIテレアポでアポ率◯%達成
みたいな広告は毎日のように目にします。もちろん一定の効果は出るのでしょうし、そのAIテレアポによってアポが取れて売上に繋がる、ということもあるのでしょう。
ですが、自分で自動架電サービスを運営しておいてなんですが
電話はタイミングが超大事です。特に電話に出てくれる確率がどんどん下がっている今はなおさら。
INSTで提供している「INST 3BD」はなんらかのユーザーアクション(主にWebからのCV)に対して自動架電をするサービスとして2年ほど提供しておりますが、CSVのリスト架電機能もご要望が多く、技術的には可能だったので実際にユーザー企業様でお試しいただいたりもしました。
が、やはり掛ける側の都合で一斉架電した場合の反応率は、何らかのアクションがあったタイミングで掛ける電話に比べてかなり低い結果となってしまいました。
※ご協力いただいた企業様、申し訳ありませんでした。。。
恐らく今後も、AI電話のサービスは増え、どんどんAIによるアウトバウンドコールは増えていくと思います。そしてその結果、電話嫌いがどんどん加速してAI受電のサービスがどんどん増えるでしょう。
個人のスマホでもiOSはSiriが電話に出てくれるようになりましたし、あと数年で電話は掛けるのも受けるのもAI、という時代がくるのだろうな、と思っています。
どうせ出てもらえないし、効率が悪いからAIでいいだろう、ではなく
どうやったら繋がるか、を考えて、これからもサービスを磨き込んでいこうと思いました!
それでは。
Kosuke
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