エス・エム・エス マフィアを訪ねたらすごくいい人だった 株式会社ヴィリング 中村一彰さん【後編】

おはようございます。人材ビジネスアナリストのINST石野です。

株式会社ヴィリング 代表の中村一彰さんインタビュー記事の後編です。大変お待たせしました。。。

前編の記事では、エス・エム・エスに入社した経緯、そして電話面談をはじめ、成果が出続ける仕組みづくりに関して書きました。後編ではその続きと起業そして今に至るまでを、またインタビュー形式で書きたいと思います!

 

モラルが高く、まっすぐにビジネスを推進していく組織

石野:さて、看護師紹介の事業でPDCAを繰り返し業務改善を続け、業界の地位を確固たるものにしていったエス・エム・エスでしたが、どんなカルチャーの会社だったんですか?

中村:難しい質問ですね。。。当時社員たちが頻繁に使っていたキーワードは「改善」「ゼロベース」「徹底」です。このワードはミーティングでいつも出てきていました。

カルチャーをひとことで言うと、「成果にこだわり、手段にこだわらない」という組織でしたね。いい意味で。

石野:いい意味で、というと?

中村:表現が適切かはわかりませんが、正しいことは誰が言っても正しい。成果を出すという意味で。ただし、ずるいことや不誠実を絶対に良しとしないカルチャーでした。

石野:なるほど。確かに、さっきおっしゃられていた「施策管理表」で起案した施策が評価されていたということですが、ちょっとずるいこととか、ビジネス的には良いけどモラル的にはどうなの?とかいう施策は評価されなかった、ということですかね。

中村:そうですね。そもそもそういったモラルに欠けるような施策が出ることはなかったですね。慢性的な看護師不足という社会的課題に向かっていくことが会社の成長につながっていくと考えていて、「それはずるいよね」「不誠実だよね」ということは誰もが言える環境でしたね。

石野:それは素晴らしいですね。いろんなことができそうですもんね。看護師さんは転職のサイクルが他よりも短いので、3ヶ月前に紹介して決定した人に「もっといい案件ありますよ」とかやったらまた転職いただけるとか多そうですしね。

 

起業後に活きたエス・エム・エスで学んだ経営パッケージ

石野:その後エス・エム・エスさんは大成長され、2008年にはマザーズ上場を果たされ、2011年に東証一部へ指定変更。中村さんは2012年まで在籍されていたんですね。

中村:そうですね。

石野:さて、なんでまたエス・エム・エスさんを辞めて起業しようと思われたんでしょうか?

中村:一度は必ず自分がオーナーとなってチャレンジしなければと思っていました。一方でエス・エム・エスはすごく良い会社でしたから、辞める機会もないまま7年経っていました。子供も生まれこのままでは辞めないなと思い、特に何をやるのか決めずに諸藤さんに「辞めさせてください」と言いに行ったのを覚えています。あ、その前に妻に言いましたね。

石野:おー。その時奥さんはなんと?

中村:「はい、わかりました。一度やらないと気が済まないでしょ」と言われました。2人目の子供が生まれる直前だったのですが。 

石野:うちの嫁も一緒でしたね、僕が独立するって行った時。「ダメだって言ってもどうせやるでしょwだから頑張りなさい、って言うわ」って言われました。お互い理解がある嫁でよかったですねw

中村:そうですねw 諸藤さんには「分かりました。応援できることがあったら何でもするから言って」と言っていただけました。とても有難かったですね。今は株主として加わって頂き、経営方針に迷った時には相談させて頂いています。

石野:最初はなにをやろうと思われていたんですか?

中村:本当に決まってなかったんです。。いろいろなビジネスを作ってはトライしていました。ちなみにエス・エム・エスでは、新規事業をやるときに「経営パッケージ」というのを教えられます。

石野:経営パッケージ?

中村:はい。事業をどういう順番で考えて組み立てていくかという考え方ですね。ミッション→ビジョン→戦略→KPI→施策→日々の業務という構成です。

どんなビジネスでもミッションや理念がないと強いチームを作ることはできませんし、理念があってもマイルストーンとなるビジョンがなければ目標設定もできません。

その目標を達成するには戦略があり、その戦略がうまく行っているかどうかを評価するKPIがあります。KPIを達成するには施策が重要で、その施策にひもづく日々の業務に一生懸命取り組む。この順番をとても大切にしています。

エス・エム・エスはこの仕組みを経営陣から現場まで全ての階層でつなげることにとても力を入れている組織ですね。

石野:たしかにそうですね。KPIが経営陣と従業員を繋ぐハブの機能を担っているように思いますね〜。

中村:そうですね。あ、話がそれてしまいましたねw 退職して最初は、エス・エム・エスにいた時に趣味ではじめたWebサイトを元にした起業しようと思っていました。あらゆるサービスのクレームを集めるメディアを運営していてPVが月間25万を超えるようになってきていまして。

石野:ナイーブな内容ですし、見たがる人も多そうですしね。でも事業化はしなかったんですか?

中村:消費者のピュアな声を圧倒的低コストで聞けるようなサービスになると世の中が良くなるんじゃないか、というビジョンはあったんですけどね。

その後も、農業を支援できるようなサービスやマンション管理会社業界向けのサービスなど、7,8個はサービス立ち上げました。「市場規模が大きくてイノベーションが遅れている業界」という条件で色々トライしていました。でも全て閉じちゃったんです。どれも「この領域でいくぞ」という覚悟に至りませんでした。当時関わった人には迷惑をかけました。。

石野:なるほど。どんなきっかけで教育系の事業を始められたんですか?

中村:両親が家を買ったんです。あんまり関係ないと思うかもしれませんがw いつか親孝行はせねばと思っていまして、その手段の1つに「家を建て替える」という思い込みというかこだわりがあって。でも2012年11月に親がほぼキャッシュで家を建てたんですよ。それを見て、親はお金で買えるものを求めていないなと。親孝行は孫の顔をたくさん見せるとか、そういうのだなと。 

そう考えると事業を選ぶ基準が変わりました。収益性よりも自分が長い時間かけて夢中になれて、かつ社会の発展につながることを優先しようと考えたんです。スッと教育に決まりました。子供向けの教育をやろうと。

石野:教育には関心があったんですか?

中村:学生時代は教員を目指していて教育学部をでていまして、教員免許もあります。でも教師にはならずゴールドクレストに就職してからは関心がなくなっていました。

エス・エム・エス時代の最後に人事を担当していました。その時優秀な人材ってなんだろう?ってずっと考えていて、それは再度教育に関心が湧いたきっかけですね。

採用では応募数が多かったのでSPIのような筆記テストを実施していました。基準を超えないと面接には進めないとか、高い値が出たら1次面接飛ばして2次からとか。

石野:ほうほう。

中村:選考時の足切り目的ということではそのテストは意味があったのですが、入社後のパフォーマンスと照らしあわせてみると全然相関していないことがわかったんです。テストの成績がよくても入社後成果が低かったり、逆に点数ギリギリで通過したのにダントツのハイパフォーマーになっていたり。だからその筆記選考は廃止しました。

石野:ありそうですね、そういうのは。お勉強できるのと仕事ができるのって違うみたいな。

中村:そうですね。もちろん学歴が良いと、思考力が高く成果も上げやすいという傾向は確実にあるのですが、それだけではないんだなと。物事の捉え方や、正解がないことを前提に試行錯誤できるかどうか等は、SPIや一般的に言われる学力とはほぼ関係ないという考えに至りました。

エス・エム・エスのようなベンチャーではこういう力こそ大事です。そして今後はどの企業でも求められるはずです。一方でそういう力や態度を育むことに今の教育システムはマッチしていない。受験教育ですからね。教育業界は何年も前からこの問題には気づいていながら変われていない。それならば民間でやれるスペースはあるはずだし大いに意味があると思いました。しかも人格形成に影響が大きいと言われる子供向けの教育事業を中心にやろうと。収益性は他のどの事業案よりも低そうだなと思いましたが、案の定ですw

石野:それが今の事業の軸になっているステモンですね。

中村:はい、そうです。ステモンは幼児・小学生を対象にした理数ITスクールです。STEM教育と呼ばれる領域です。

ビジネスではITを活用できるか否かで成果が変わってきます。その成果は2、3倍の違いではなく、数千倍、数万倍の違いが生まれることがITの特徴です。そしてエンジニアなど特定の職種に限らず営業や事務などあらゆる職種でITを活用した問題解決をすることが求められます。

でも学校や家庭ではあまり教えてもらえないですよね。「親がエンジニアだから環境が良かった」といった一部の子供にアドバンテージがあるのは解消すべき課題です。英国では小学校でプログラミング授業が義務教育になっているんですよ。

石野:子供の理系離れって深刻ですしね。

中村:学び方の問題だと思います。用意されたことを覚えることが学習なのか、夢中になって探究して発見することが学習なのか。後者の体験をもっと子供たちに増やしたいというのが私たちの考えです。今は自社で運営する7教室と公立小学校1校に展開しているのですが、もっと多くの子供達にこのメソッドを体験できる環境を作っていきたいので、提携スクールの募集を始めました。

石野:確かに。僕も自分の息子に受けさせたいな、と思いましたが、今の教室って東京都内だけですしね。千葉からは流石に通えません。是非事業が拡大して、理系人材不足が解決すると同時に、日本の子どもたちが国際競争力のある人材に育っていくことを期待しています!

中村:ありがとうございます。これからも頑張りたいと思います。

石野:最後に、このインタビューはINSTのブログで紹介させていただくのですが、人材ビジネスの方々が多くご覧になってっています。見ているかもしれない、エス・エム・エスの後輩たちや、同じ人材業界で働いている人に何か一言お願いできますでしょうか?

中村:エス・エム・エスが成長した要因の1つに、改善に真摯に取り組むとか、当たり前になっている手段にあまりこだわりすぎないという姿勢がありましたテクノロジーの発達や働き方の多様化などによって人材ビジネスのあり方も変わっていくはずですので、求職者にとっても人材会社にとっても良い形にどんどん変わっていくといいなと思います。特にエス・エム・エスは大好きなので期待していますw

石野:ありがとうございました!

<編集後記>

エス・エム・エス出身の方には何人かお会いさせていただきましたが、中村さんはその中でも本当に温和で、穏やかな人柄がにじみ出てくる方で、「マフィア」という単語からは程遠い(いい意味で)優しい方でした。

ですが、さすがエス・エム・エスの成長期を支えてこられたコアメンバーのお一人。いろいろと試行錯誤しながらもご自身が納得できて、50歳、60歳になった時も続けていけるビジネスを、という思いで教育ビジネスに着手されたのは素晴らしいと思います。中村さんのSTEMONを受けた子どもたちが社会に出始めるのは2025~30年くらい。ちょうど中村さんが50歳くらいになられる時くらいでしょうか。僕は45歳くらいですね。

その時にやっと本当のビジネスの成果がでる。長いようではありますが、本当にとても楽しみです。

中村さん、初対面にもかかわらず、このようなインタビュー記事にご協力いただきありがとうございました!

 

それでは。

Kosuke

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