1年半「社長」をやってみてわかった7つのこと
SMS配信SaaSのINSTを経営しています。石野です。
もう9月になりました。2016年も残り1/3。
ということで早いもので独立・起業して1年半になります。(正確には3月5日創業なのであと少し)
なんだか本当にあっという間といえばあっという間だったし、すごく前のようにも感じるという日々を過ごしている中で、タイトルの通り「起業して1年半経ってみてわかったこと」を書いてみます。
いわゆる「社長あるある」なのかもしれませんし、「それはお前だけだろ」というものもあるでしょう。ですが、素直に正直に書きましたのでご笑覧ください。
1.「社長」だからといって金持ちとは限らない
「社長=金持ち」だと思っていました。ですが、必ずしもそうとは限らなかったです。
家族(嫁&子供2人)がいる中での起業だったですし、貯金がそんなにあるわけでもなかったので、役員報酬0というわけにはいかずでした。従業員にも給与を払いながら自分にも・・・となるとかなり苦しい時期もありました。
「自分で給与決められていいじゃん!」と思ってはいたのですが、無い袖は絶対に振れないわけです。稼がないと死ぬんですわ、マジで。
「社長!ごちそうさまです!」と冗談半分で言ってくる友達もいましたが、社長だからって金あるわけじゃねーわwって本当に思いました。今では少しはお世話になった皆様や後輩とご飯に行った時に少し多く払えるかな、くらいにはなっただけで全然お金持ちじゃありませんので、どうぞよろしくお願いいたしますw
2.「社長」になるとたくさんの「社長」に会える
「社長」になると「社長飲み会」や「社長から社長の紹介」がたくさんあります。これはマジで世界が変わります。
「石野さん、◯◯の△△社長紹介しますよ!」とか、「社長肉会(焼肉食べる会)行きませんか?」とか。
なんとなくですが、「あ、お前もリスクとってこっち側(経営側)に来たのか。やっと同じ目線で話せるな、よしよし」みたいに認めてもらえるみたいな感覚があります。
誤解して欲しくないのは「経営者が偉くて、サラリーマンが偉くない」と僕は全く思ってません。職能が違うので、適性もあると思います。僕はサラリーマン適性が著しく欠如していました。
自分のサラリーマン人生10年では感じることが出来なかったのですが、もしかするとサラリーマンを極めて大企業の取締役、とか部長とかになると「お、お前もあの手この手で会社でここまで上り詰めたか、大変だったな」という世界観があるのかもしれません。
3.「社長」になると変な人がなぜか寄ってくる
これは少し会社が上向きになった時くらいからでしたが、変な人が寄ってきます。僕の中では大体3パターンになります。
・ほとんど面識がなかった昔の知り合い
・協業しましょうおじさん
・起業相談野郎
それぞれの対応方法を記載します。一応なるべく人のご縁は大切にしようと思っている方だと思うのですが、まあまあ忙しく働かせていただいてますし、自分にメリットがなかったとしても、その人にメリットが享受出来るかどうかを考えてお会いするのをお断りする場合があります。せっかく会ったのに両方共にメリットなかったら会う意味ないので。
<ほとんど面識がなかった昔の知り合い>
「石野っていたじゃん?彼の会社最近調子いいみたいよ?」みたいな噂だけ聞いて「ランチかお酒でも行きませんか?」って連絡してきて、「すいません、何の話ででしょう?」と僕が聞くと「もちろんビジネスです」と。その人研修講師。「ウチBtoBのシステム販売ですよ」というと「それだと難しいですねー」だと。
※該当者の方へ
せめてウチの会社が何やってるか調べてから連絡してきてください。
<協業しましょうおじさん>
「協業しましょう」おじさんはセミナーによく出没するタイプで、大体ひとり会社かフリーランス、そして研修・教育系の仕事をしている人に多い気がします。僕がHR周りで仕事してるのでそういう人が多いのかもしれません。もちろん全てのひとり会社社長やフリーランスの方がそうだとは限りませんが、「協業しましょう」とひとり会社の社長に言われると身構える自分がいます。なぜなら全く「協業」が出来るイメージがないからです。殆どの人は売るものがなくて困ってるから助けてくれ、的な感じです。そして商品渡しても絶対売れない。
※該当者の方へ
恐らく太客1社で食っていて、そこに切られたら終わりだから「何か他に売れるもの」を常に探してるんでしょうね。危機感があるのは良いですが、「昔の付き合い」っていうリレーションのみで食ってるあなたにウチの製品は売れませんよ。
<起業相談野郎>
「起業を考えているので相談したい」はHPからの問合せやFacebookでいきなりメッセ、誰かの紹介があります。誰かの紹介以外は基本的に断っています。最初はなんだか相談されるのが嬉しくて時間とっていたりしたのですが、多くのこういった相談をしてくる奴は「ありがとうございました!勉強になりました!また事業の進捗報告します!」とか打合せの最後に言っておきながら、そのご進捗報告があったり、お礼メールを送ってくる奴はいません。まあ僕のアドバイスの仕方が悪かったのかわかりませんがw
※該当者の方へ
ほら、このブログ読んでるお前のことだよ。わかってんだろ?辞めて起業するっつって結局辞めてねーな。
4.「社長」にやられてきてイヤだったことはやらないほうがいい
学生起業の方もいると思いますが、ほとんどの人は会社勤めを経て起業するでしょう。
サラリーマン時代に「あのやろー、このやり方はねーだろ」と酒飲みながら愚痴ったことがある人も多いはず。
自分で会社を作った時に「自分で好きに決められるから、自分だったら超入りたい会社にしよう。社員が親友を誘える会社にしよう。」と思いまして、今まで自分が社長を見てきたり、社長や上司にやられたりして嫌だったことは絶対にやらないようにしました。
いくつか差し障りのない範囲で書きますと
・ビジョンや存在価値をしっかり決めて、それに沿うサービスのみやる
→儲かるから、これやろう。はその時は良くても社員が納得出来ないケースが多いと思いました。
・考えをぶらさない
→周りの意見を聞かないというわけではなく、常に自分が決めたことに責任を持って継続する。値引きしない、と決めたらどんなに苦しくても値引きしない、みたいな。
・会社のお金はオーナー社長のものではなくみんなのもの
→売上や大体のコスト感は社員に公開してます。エンジニアは自分が作ったサービスの売上が全部見れるようになってます。
・手柄はメンバーの手柄、ミスは社長の責任
→マジでこれは絶対そう。なにがあっても責任は社長が取る。社員に責任押し付けるとか絶対無理。
などでしょうか。ここには書けないような物もありますが、それは世話になった社長たちに失礼なので書きません。
5.「経営者意識」は「社長」にならないと絶対に持てない
「社員全員が経営者意識を持て」とかよく言われますが、それはまったくもって無理です。
身銭切って借金背負うリスクをとって、毎月の銀行口座の残高とにらめっこしながら眠れない夜を過ごす経営者と
決まった月に決まった金額が自動的に振り込まれるサラリーマンでは、まったく見える世界が違います。
コスト意識を持て、くらいであればいいと思いますが「自分が経営者になったつもりで事業のことを考えろよ」と言われても、それは無理です。上記のようにまず置かれてる環境が違いますし、仮に経営者になったつもりで事業をやって成功したとしてもサラリーマンだった場合、見返りは経営者に比べて絶対に小さいです。
なので、断言しましょう。「経営者意識」を持つには「社長になる」しかありません。
6.「社長」は別にそんなにすごいものではない
サラリーマン時代、社長にあったら「社長なんだ!すごい!」と思っていました。ですが、自分がなってみるとぶっちゃけ「別に大したことない」です。
上の方にも書きましたが「身銭切って借金背負うリスクをとって起業した『だけ』」です。ただそれだけ。
と言うと、「それがすごいじゃないですか」という人もいますが、別に借金背負ったって死ぬわけではありませんし(まあ借金の額にもよると思いますが)、「倒産してもまた起業した」みたいな本もあるくらいですから、やってみたら良いんじゃないかと思います。
あと、ITの進化によって起業しても事務作業や経理業務などはほとんど自分1人で専門知識がなくても回すことが出来るようになっています。そんなにすごくないですので、一回やってみたら良いと思います。
7.「社長」は最高に楽しい
辛いことや苦しいこともありました。まだ1年半しかやってませんし、従業員も僕含めて4名なので「立派な社長」ではないかもしれませんが、社長業は本当に楽しいです。ある程度会社が軌道に乗ったからかもしれないのですが、苦しい時も楽しんで経営をすることはできていたと思います。
何をするにも自分で全て決めることが出来るのが最高に自分に合っていると思います。
・Tシャツ短パンで会社に行っても怒られない(営業アポのない日だけですよ、さすがに)
・どこにいくらお金をつかうか決められる(無駄遣いはいけないけどね)
・会社に行かなくてもいい(どっかのカフェで1日仕事とか全然OK。というかINSTは全員リモートワーク可で出社義務なし)
最高に自由です。まあこれがリスクをとって起業した人の特権、と言えばそうなのかなと。会社って本当に自分の子供みたいなもんですね。成長が楽しみ。仲間が楽しく働いてくれてるのもすごい嬉しい。
1年半、という節目の時だったので、ちょっとあんまりビジネスに関係ないかもしれませんが書いてみました。また、2年、2年半、3年とこのブログが書き続けられるように頑張ります。
それでは。
Kosuke
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