SMS認証の使われ方について その2 ECサイトでのSMS認証について考察

先日のブログでSMS認証の使われ方について その1というのを書きました。今日はECでのSMS認証について考察したいと思います。

ECサイト。これはSMS認証とは実は非常に相性が悪いサービスです。何故かと言うと、認証を行うことによってコンバージョン率が下がってしまうからです。便利とセキュアは相反する関係にあり、セキュアにすればするほどユーザーにとっては面倒くさくなってしまうんですね。

例えば、銀行のネット取引。まあ広義でのECです。
変な乱数がふられた6×6くらいの表の中に書かれてる「ここ」と「ここ」の数字を入れてください、とかありますよね。あれはID/PWが万が一流出した時にも他人の不正アクセスから銀行口座を守るためなんです。

そんなECサイトでSMS認証が使われるのは、現時点では非常に利用用途が限られます。中でもすごく珍しいな、と思ったのが、限定商品を1人1個までしか買えないようにするためにSMS認証を導入した、という事例。そんなのあるの?と思いますが、まあ聞いてください。

そのお客様は、ECサイト向けシステムを提供しているシステム会社様でした。そのシステム会社様のお客様に超有名アーティストの事務所があり、そこから「チケットの不正売買をなくしたい」という要望があったのです。要は、そのアーティストのチケットはいわゆるプレミアチケットで、発売同時に完売が当たり前。その後ネットで定価以上の高値で取引されていたのです。

ファンクラブもネット上で運営していたのですが、そのファンクラブの中にも不正売買目的でたくさんのファンクラブ会員アカウントを保有している人たちがいたりしたのです。

そこで、チケット購入時にSMS認証を導入することにしました。SMS認証を行うことで、原則1電話番号1枚までしかチケットを購入することができなくなり、組織的な大量購入をほぼ完璧に防ぐことが出来ました。ファンクラブ会員にも平等に1人1回の購入権が与えられることになり、不正売買をしようとしていた一部のファン以外にはとても好評でした。

ということは、1人1個までの限定商品にもSMS認証は使えるということですね。

またSMS認証は、下記のようなものにも役立つのではないかと思ってます。

◆超特価の限定セールをせどり業者に買わせないため
楽◯スーパーセールなどでは、自動車や家電などの金額の大きな商材が半額で個数限定で売られたりしていますが、買えたことがある!という個人の方はほとんどいないはずです。なぜか?それは、それを半額で購入して転売することで利益が必ず出ることがわかっているせどり業者が、 その利益額の範囲内で超高速瞬間購入システムを開発して、発売開始と同時に買い占めてしまうからです。

ここで、もし楽◯が「そういうせどり業者ではなく、一般の楽◯ユーザーに目玉商品を渡したい」と 考え、SMS認証を導入したとなると、せどり業者の超高速瞬間購入システムでの購入は失敗するのではないかと思います。SMS認証を導入することで、その先に人間がいないと、認証が完了しないからです。

ただ、EC事業者の方の一番大事なことは「売上を上げること」なので、上記のことをやることでコンバージョン率が下がってしまうのではないか、と懸念されることもあるでしょうが、半額セールとかで絶対売り切れるのがわかっている商材であれば、コンバージョン率が下がるということもないでしょう。

楽◯スーパーセール担当の方、ぜひご検討くださいw

◆高額取引があるサービスの新規端末認証
前回のブログにも書きましたが、例えばFXや証券取引など。アカウント開設時に本人確認書類含めた、書類でのやりとりが必要になりますが、その時に携帯電話番号を認証しといて、そのサービスで使う端末を登録するときにSMS認証を行えば、セキュリティ度合いもUPするし、ID/PWの漏洩があった際にも、PINコードをSMSで送るという作業が発生するので、安心。

とまあ、セキュアと便利さは相反するものですが、一度どなたかご検討いただき、ディスカッションさせていただきたいものです。お問合せはSMS認証.comからお気軽に。

それでは。

Kosuke