返答期限を区切る営業のクロージングって本当に相手のため?

返答期限を区切る営業のクロージングって本当に相手のため?

inst石野です。

「クロージングが大事」と教わってない営業はいないと思うのですが、僕としては本当にそうなのか?といつも疑問に思っています。とは言え「大事なはずがない」というわけではないのでちょっともやもやしつつではあるのですが、今日は「そのクロージング、本当に相手のため?ぶっちゃけ自分都合じゃない?」というテーマで書いていきたいと思います。

ゴール、期限の設定は重要

「ゴールを決める、締切を設ける」というのは自分の仕事を進める上で重要です。

期限を決めないで仕事をしていまうと2パターンの弊害が生じるからです。

ひとつは、いつまでも終わらない。そしてもう一つは見境なくやり続けてしまう、ということです。

ここまでに終わらせよう、という意志を持っておくことで、時間を逆算しながらタスクを片付けてくことが出来ますし、ここまでやったら終わり、という終点を決めておくことで仕事のゴールが見えます。時間は誰にも平等に有限に与えられているので仕事をする上で期限の設定、スケジュール組みというのは極めて重要であるということは自明といって差し支えないでしょう。

回答期限を設定するクロージングって営業都合じゃない?

営業をしていく上での最終ゴールは商談のクローズ、受注や失注、契約をするかしないか、サービス利用の有無がはっきりすることです。

※今回の話はこちら側を営業する側、向こう側を営業される側(発注者)として進めます

それに向けて商談を畳んでいく作業をクロージングと呼ぶわけですが、ここで相手からの返答期限を勝手に設定することでクロージングしようとする人が多く見受けられるように思います。僕が自分都合のクロージングでは?と思うのはこのケースです。

多くの会社は月次や週次で営業の売上目標を掲げており、それに向けて日々の基礎行動(懐かしいw)や商談を積み重ねていくわけではありますが、僕としてはあたかも相手方の都合のように自分の会社の売上の締日や売上目標を、発注者側に押し付けているような気がしてなりませんでした。

新卒で入社した会社で月末最終日に、仲の良いクライアントに「事業部の目標まであと◯◯円足りないんで、◯◯円のバナー広告を◯◯円までお値引きするんで今すぐ申し込んでくれませんか?」という電話連絡をして事業部の達成を牽引した先輩がいました。当時は「(色んな意味で)すごいな」と思いましたが、今考えると極めて不愉快で不正な取引だと思ってしまいます。

相手方の担当者が予算をコントロール出来るということを把握した上で、お願いベースの値引き提案をしているわけですが、「そんなバナー、なんぼあってもいいですからね〜」というミルクボーイの漫才のネタのようなバナー広告の発注など普通の会社には存在しないわけで、相手方が予算消化をしなくてはならないとかの特殊な場合を除いて会社として合理的な判断ではないわけですし、また、その発注によってこっちの事業部が達成するかどうかというのは別に全く相手には関係がないことなわけです。

人材紹介会社による内定承諾期限の闇

また、例えば、人材紹介会社経由で内定が出たとして、それに対する返答期限が設定された場合、その期限は入社する会社が設定したわけではなく、人材紹介会社が締日や他の先行を断らせるために意図的に設定した期限である場合が多いように思います。※特に中途採用の場合

例えば候補者Aさんが「◯月◯日までに入社意志をください」という連絡を貰った場合、考えうる合理的な状況の例としては下記のようなシチュエーションが想定できる。

・当該ポジションが1名の採用であり
・現時点ではAさんの評価が一番高く
・第2以下の候補者選考プロセスは保留中 or 最終面接前である
・◯月◯日前後に合格ラインに乗っている第2以下の候補者の最終面接がある
or AさんからのNGを待ってオファーを出す予定
※Aさんの返事があるまでは第2候補の人へのオファーは出さない

他にも様々な状況が想定は出来ますが、欲しいと思っている人材がその日までに返事ができない、と言われたら余程の理由がない限りその期限を延ばしてしまうのが採用する側の心理ではないでしょうか。

SaaSはクロージングが難しい(必要ない?)

この「クロージングなんて必要ない」という考えはSaaSを売り始めてから一層強くなりました。というか、クロージングに合理的な意味を見つけられなかったのでSaaSを売る事になったのかもしれない。

SaaSはいわゆる多数のユーザーが同じパッケージソフトを売るわけなので、例えばSIerなどで想定が出来る「いついつまでに発注貰えないと、プロジェクトチームの人員を別のプロジェクトに回すことになるので仕事が受けられなくなりますよ」などという期限設定をするのが極めて難しくなります。

ので、instでは原則として商談後の連絡は2週間後と1ヶ月後の計2回のみ状況確認連絡をメールでして、返答がなければCRM上で失注扱いにしています。これは僕が勝手に決めた期限なわけで、社内の商談管理上こうしているだけで、別に相手にとって不利益には全くならないと考えています。別に失注した会社から申込書届いたからと言って「あー、御社はもう失注済になってるので申込書承れませんわw」ということは有りませんのでw

いつまでに発注ください!会社潰れちゃうんで!というクロージング、損益分岐点を超えるまでは本当にしたかったよwでも一回もしなかったです。サービスの説明をして、良かったと思えば使ってくれれば嬉しいし、要らないと思われたらそれはそれで仕方がないことです。といつも営業の終わりには言っていた気がします。SNSのキャラ上だと「発注しないと殺すよ?」とか言いそうと思われているかもしれませんが営業上は極めて真っ当だと思いますよ。

ほら、スーツもちゃんと着こなせますし。

https://twitter.com/ishiko618/status/1505360196704804864?s=20&t=LWV_WcvOD-L9pt2BI6XOiw

SMS配信SaaSという誰にでも使えるようなシステムにしているという自負がある一方、顧客単価が決して高くなく、サポートのリソースも限られているという事情がある以上、あまりにリテラシーが低過ぎたり、利用するという意志が高くなく定着が見込めない顧客に対して無理にクロージングをして使ってもらうという状態は良くないと考えているので。

というか、僕個人が自分のタイミングと自分の意志で発注するかどうかを決めたいタイプで、相手にとやかく言われたくない派というだけなのかもしれませんが。

今回も記事を書くことで頭が整理できました☺

記事を書いていて頭の中が整理されることというのはたくさんあって、今回期限を切る事によるクロージングをテーマに書いてきたわけだが、それが合理的であるのは、サービス提供のための人的リソースや採用枠のように原則として有限であり替えや併用がしづらいものに対して「いついつまでにOK貰えないと他に行っちゃうからね」という場合のみだな、と今納得ができました。ブログ書いてよかった。

また、こうして考えると商材や営業スタイルにおける性格的な向き不向きというのはかなり色濃く存在するということがわかり、人材紹介エージェントが長続きしなかったのにも改めて納得ができたな、と思った次第です。

本日はこのへんで。

それでは。

Kosuke

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