個人の転職相談はそもそもコンサルティングではない?

こんにちは。人材ビジネスアナリストのINST石野です。今日は少し遅目の更新です。

※あ、記事を読んでいただいてfacebookで友達申請していただくことが増えました。面識がないと承認しないとかではないのですが、お会いしたことが無い方は一言メッセージおねがいします。共通の知人もいないとスパムかと思ってしまいますので。

先日のブログで法的に「キャリアコンサルタントと名乗れなくなる(資格が無いと)」という記事を書きましたが、そもそも「コンサルティングとはなんぞや」ということを調べてみることにしました。

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頼りになるのはwikipedia先生ですね。こういう時に客観的な定義を再度理解しておくのは重要と思います。

コンサルティングとは

コンサルティング (consulting) とは、企業(まれに行政など公共機関)などのクライアントに対して、専門知識を活用するなどし、客観的に現状業務を観察して現象を認識、問題点を指摘し、原因を分析し、対策案を示して企業の発展を助ける業務を行うことである。または、その業務そのものを指す。


ほうほう。対法人が定義なんですね。

 

「コンサルティング」とは従来の日本における「顧問」と類似する。ただし日本において顧問とは政界や財界で長い経験を持つ人間が特定の団体や企業に個人レベルで相談に乗る、あるいは「顧問」「相談役」の役職に就くということが多かった。

一方、アメリカ合衆国などにおいては特定の業界で幾つもの企業においてキャリアを積んだ後で独立し、顧問業を営むということが専門職を中心とし発展した。また同時期に発展した経営学とともに、これらを基礎にした顧問業を専門とする経営コンサルティングを主業務とする企業が誕生、従来行われていた知識・ノウハウを教授するだけの業務内容から、戦略などの企画・参謀としての役割を果たす役目へと発展していった。

これが日本に導入された際、かねて存在していた「顧問」との区別付けのため英語をそのまま外来語とし「コンサルティング」という呼称が確立された。

現在コンサルティング企業の業務範囲はまちまちで、問題の発見・提起だけを行う場合もあれば、対策案を実行して成果を出すところからその後の長期的な保守・運用部分まで責務を負う場合もある。


ん?本来のコンサルティングは日本における「顧問」に近いようです。なるほど。

 

本項における「コンサルティング」の定義

「コンサルティング」とは語義的には「相談に乗ること」であるため、広義にはほとんどの企業が取引先に対してコンサルティングを行っている、と言うことも出来る。そのため、現在「コンサルティング」を社名に使用したり、業務領域に追加している企業が乱立状態にあり、特にベンチャー系企業において顕著である。[要出典] また大手企業の業務領域などにおいても、保険会社の営業職や、転職斡旋企業の代理人なども、顧客と「相談する」という観点からコンサルタントを名乗る場合があるが、これらは個人をクライアントとする業務であり、従来意味されてきたコンサルティング、コンサルタントとは根本的に異なる職種である。また、相談業務そのものは課金せず、相談の先で得られる保険料収入や転職者斡旋料などで課金していることからも、コンサルティングとは異なる。

そもそもコンサルティング企業とは、「業務における問題の発見・解決策の提案・業務の改善の補助、経営戦略への提言、などを中心に、企業の様々な業務を効率化するための提案自体を売り物にしている企業」 のことを言う。原則としてコンサルティングはサービス業であり、付随的に「相談に乗ること」をしながら、他の業務や商品を通じて生計を立てている場合は、本項で「コンサルティング」と呼ばないこととする。 つまり、商品を売ること自体を主目的とする企業(保険会社など)、何かのための付加サービスとしてコンサルティングを行う企業(転職斡旋会社など)、個人をクライアントとするような企業(リテール金融会社など)、はコンサルティング企業と呼ぶことはない。

コンサルティングファームにおいてもERPなどのITシステムを販売することに繋がる場合はあるが、それは効率化を目的としたコンサルティングの結果として「あるシステムの導入を手段として行う」ものであり、「システムを販売するためにコンサルティングをしている」わけではない。ただし、業務効率化「コンサルティング」をすることにより、システム導入をスムーズに行うことができることを利用し、「コンサルティング」を標榜したITシステムセールスも存在することが「コンサルティング」を捕えにくくしている一因となっている。

混乱を避けるため本項では、特に断りの無い限り、上記の定義に合致するコンサルティング業務、コンサルティングファーム、及びコンサルタントについて詳述する。

なお現在、上記の事例に加え雑誌・書籍などにおいて“経営コンサルティング企業特集”の中に転職斡旋会社が収録されていたり、そうした特集において「戦略系」・「旧会計事務所系」・「IT系」・「総合系」などと、出自・業務領域・改善手段がごちゃ混ぜで粗雑なくくり方をされている事例が多い。(会計事務所が出自で、ITを武器とする総合コンサルティング企業は多く存在し、上記の分類で選別することは本来不可能である) そのため、“経営”“人事”などと言った枠組みを付けずにただ「コンサルティング企業」や「コンサルタント」と表現された場合、それが何を意味するか、明確に定義することは難しい現状となっている。


気になるところを抜粋してみますと

商品を売ること自体を主目的とする企業(保険会社など)、何かのための付加サービスとしてコンサルティングを行う企業(転職斡旋会社など)、個人をクライアントとするような企業(リテール金融会社など)、はコンサルティング企業と呼ぶことはない。


なるほど。コンサルティングは「相談にのること」が価値提供であるサービス業であり、商品を売る事自体を主目的とする企業や転職斡旋会社はコンサルティングではないとWikipedia先生は申しておりますね。(僕の意見ではないですよ)

確かに「コンサルティング営業」っていう職種ってよく目にしますけど、実際は物を販売しておりますし、そういうのはコンサルティングと呼ばないよ、ということなのでしょう。

僕もボスコンやマッキンゼーの戦略コンサルと言われる会社の人と働いた事はありますが、大体300万円/人/月とかのコンサルティング料をとって、意志決定や戦略立案のために、リサーチしたり、方法論についてドキュメントまとめたり、そういう知的生産活動をサービスとして提供されていましたね。

僕個人としての意見としては「コンサルティング」というと、「崇高で付加価値が高い仕事」という印象になるため、多くの企業で「うちの仕事は営業ではない。顧客の幸せや課題解決のためのコンサルティングをするのが仕事なんだ。」と言ったほうが人が集まりやすかったり、仕事に対して付加価値がついたように見せることができるようになるので、コンサルティング営業という職種とかができてきたんでしょうね。

 

例えば、人材紹介の個人側の方をキャリアコンサルタントという言葉で定義をすると、業界特化型や職種特化型の人材紹介コンサルタントの方々は自分の担当する範囲以外のキャリアパスは提案できないことになってしまうので、最適でない職種や企業を紹介することもあるでしょうね。それはITコンサル会社がパートナーベンダーのシステムを提案したり、人事コンサル会社が評価システムを提供するときに自社開発したものを提供したりするとフラットなコンサルティングにならないような気がするのと同じです。それってほんとにコンサルティングなんでしょうか?

ですが、ここまでのことを考えていくと、「戦略コンサルティング」以外の「ITコンサルティング」とか、「人事コンサルティング」とかは本当の意味のコンサルティングとは異なってきてしまうような気がします。

僕の知人で、某人材紹介会社経由で転職した人がいるのですが、あるキャリアコンサルタントの方に巡りあってから、それまで全然ダメだった面接が急に受かるようになり、あれよあれよと上場前のネットベンチャーに転職成功して「本当に◯◯さん(キャリアコンサルタント)に出会って、人生が変わった」という人もいました。その人にとっては「キャリア」を「コンサルティング」されたことになるんでしょうね。

転職にはドラマがありますよね。上のようなエピソードはとても美しく、人材紹介会社冥利に尽きると思います。ですが、人材紹介業はビジネスでありますから、個人の方が望むキャリアよりも、この人が「受けたら決まる」キャリアを強く勧めてくる会社やコンサルタントもいるでしょう。

Wikipedia先生がコンサルティングの提供先として「法人」を指定していたのは、「人間の意志」の影響による結果の操作幅が少なくなるからではないでしょうかね。企業の意志決定には社長以下、複数の人間が関与しますが、個人の意志決定は一人で行います。企業の成功にはある程度のセオリーやパターンがありますが、ミラクルが起きるのは個人のキャリアのほうでしょう。ビリギャルとか、下克上社長とか。

「いま入社意思表明しないと内定取り消しになります。この企業に入れるチャンスなんてありません。決めちゃいましょう」というのはコンサルティングなのかどうか。

個人的には意志決定に大事なのは「その時の意志決定をその後で振り返った時に『成功だった』と思えるように今を頑張ること」だと思っています。転職の失敗を人材紹介会社のせいにするよりは、自分がそこでどのくらい頑張れるかやってみる。ってことのほうが大事かなと。

なんだかまとまってませんね、今日はw。自分の頭を整理しようと書いてみたのですが、「キャリアコンサルティング」は提供する側ではなく、される方からの評価が重要、ということで今日はまとめさせていただきます。

それでは。

Kosuke

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