すべての顧客を差別せずに平等に扱うということについて

INST石野です。

今日はビジネスというか顧客対応に関する当社の姿勢をお伝えします。

INSTではすべての顧客に対して平等に接するように努めております。まだ至らない点があったりするかもしれませんが、基本的なコンセプトは顧客を差別・区別しないことです。

そして、こういった平等な対応は無骨で無味乾燥と思われてしまうかもしれませんが、それによるメリットが大きいと思っているからこそ、こういった姿勢を貫いています。今日はそれもお伝えできればと。

 

前提として「特別扱いされたい顧客」が多過ぎる

「No.1にならなくてもいい、元々特別なオンリー1♪」と歌ったSMAPは解散したわけですが、特別扱い、特に他の人に比べて良い対応をされて嫌な思いをする人はいません。

ですので、基本的に多くの人は特別扱いをされたがります。

そして、「それなのに僕ら人間は、どうしてこうも比べたがる♪」というフレーズにもあるように、人は絶対評価でなく、相対評価を好む傾向にあります。あの人より好待遇にある、ということで優越感を感じるからです。この相対評価というのがポイントです。

法人対法人の取引において、特定の顧客を特別扱いして好待遇を提示することで、その他の顧客はその特別扱いされている顧客に比べますと冷遇されていると感じるわけですから、特別扱いをしても良いことはないと思います。

これが、一対一の人間関係などであれば「言わなきゃバレない」ということもあるでしょうし、そうやって特別な誰かを選んで恋人が出来たり結婚したりするわけですから、特段問題はありません。というか全員に「愛してるよ」というイタリア人的な情熱家は信用を得づらいわけで、こういった平等宣言はマイナスになるでしょう。

 

大手顧客との取引は、こちらが譲歩してでも取るべきなのか?

創業して間も無く、キャッシュが欲しい状況において、多くの経営者が行おうとするのは「大口顧客の発見と開拓」でしょう。限られたリソースの中で効率よく売上を確保するには大手企業と取引をするのが一番手っ取り早いです。

大手企業なのでお金は潤沢に持っているでしょうし、その企業との取引実績があれば他の準大手や中小企業の開拓もスムーズになるでしょうから、多少のディスカウントなどの取引条件の緩和をしても、その大手を取りに行くべきというのは100%間違っているとは言えないかもしれません。というか正しい、と思う人が多いでしょう。

ですが、INSTはそれをしませんでした。

理由は簡単で、「めんどくさかったから」です。

ちょwww投げやりすぎwwwという感じかもしれませんが、起業をする前に10年間サラリーマンをやってきて、起業をしたら「自分が納得できなかったことは一切やめよう」と決めて起業をしました

部下に説明しづらいこと、社長に言われて嫌だったこと、客に頼まれて困ったこと、組織人としてストレスを感じてきたことを極力排除すれば、少なくともINSTの社員の抱えるストレスは減るだろうと。そう考えたからです。

顧客に関する対応を差別・区別することは戦略上必要なことなのかもしれませんが、「大手企業も従業員一人の会社にも平等に接する」という想いが叶うようなサービスを作ればいいだけ。要は「特別扱いしないと大手顧客と取引が出来ないようなサービスを作らなければいい」という結論に達したわけです。

 

大手企業も従業員一人の会社にも同じ価格で提供する

大手企業にも小さい会社にも平等に接するために、INSTのサービスは原則として従量課金でサービスを提供しています。たくさん利用をしていただければ、たくさん費用を請求させていただきますし、少ししか使わなければそれに合わせて請求をします。

たくさんお金を支払ってくれる顧客はもちろん大事ですし、当社の売上を支えていただいてありがたい気持ちはありますが、だからといって特別扱いは一切していません。何度も宣言しているように値引きもしませんし、無料トライアルを受けつける際は全体にそれをリリースします。

顧客からいただくお金は当社が提供している価値と等価交換をしているわけですから、当社のサービスにたくさん価値を感じて頂いているので、たくさんお金をいただけている。言い換えるとたくさんお金をいただけているということは当社に価値を感じて頂いているということと思うので、お互いの関係は極めて対等で理想的と考えます。

大手顧客を自社の媒体に載せるために掲載費用を無料やそれに近いありえない値段にして、ということを何度も見てきました。大手顧客が掲載されていることで媒体に信頼感が着いて、たくさんのユーザーが登録して、といいこともありますが、大手顧客を担当していない担当営業などは普通は気持ちよく思わないでしょうし、それを外部に知られたら「じゃあウチも無料にしろよ」という顧客も殺到するでしょう。みんなに胸を張って言えないことなどやるべきではないのです。

また、意外と思われるかもしれませんが、サービスの利用金額は企業規模にある程度は比例しますが、あくまで要素の一つであって、大手でも毎月数百円しか使わない顧客もいれば、従業員数名で毎月数十万円ご利用いただく企業もあります。

このビジネスモデルと考え方で3年ビジネスをやってみた結果「大手顧客からたくさん金をふんだくってやろう」という考えはほとんど無くなりましたw客の身なりをみて商売をするようなことはしたくなかったのです。当社以外のSMSサービス・プロバイダはほとんどが客を見てSMSの配信単価を設定しています。そんなの小さい会社は不幸だし、めんどくさいでしょう。調べても価格がわからないなんて。

吉野家に行ったら金持ちでも貧乏人でも牛丼並は380円で食べれる。それが一番わかりやすくて良いと思います。

 

価格以外も例外対応を認めないことで業務は効率化する

その他にも特別扱いしていない事があります。

・サービスの利用規約への同意

・支払サイト、請求対応

・追加機能の開発要望

・新規は全部オンライン商談

などです。

まず、サービスの利用規約への同意をいただけない限りはお取引をお断りしています。条件の緩和も行なっていません。利用規約でカバーが漏れていたところについて覚書を別途結ばせて頂いたりすることはありますが、その際もその顧客だけ特別扱いにならないようにしています。

また、よくわからないのですが、別途業務委託契約書を締結してくれと言われることもありますが、その際には「利用規約に同意した上で、契約書と利用規約の記載に矛盾する点があれば利用規約を優先するものとする」と追記を頂いています。

 

次に支払サイトと請求対応ですが、これも同様に当社の請求・支払サイトに同意をいただく旨をサービスの申込書に記載をしてありますので、例外対応は行いません。申込後、請求書を送った後に経理の方から電話がかかってきて「当社の支払サイトは月末締め翌々月末払いなので、対応いただきたいのですが」と言われても僕の答えは「NO」です。

こう伝えます。「御社は当社との取引にあたって申込書に記載の内容に同意をする、ということにを代表印を押して約束をしていただいておりますので、御社の社長がOKです。と言っているのと同じです。お手数ですが御社側で社内調整をお願いします」と。今のところ100%社内調整していただいていますw

 

追加機能に関してもです。例えば大口の顧客から「ここをこういう形で改修して欲しい」などと言われることがあります。もちろん大口でないお客様からも。当社はSaaSモデルでサービスを提供していますので、顧客からの要望に合わせて追加機能を開発することはありますが、個別の開発対応は一切行なっていません

要望があった機能は、どんな規模・利用金額の顧客から頂いたものでも追加開発要望リストには加わりますが、それを開発するかどうかのジャッジの際にその要望を揚げてきてくれた顧客の利用金額や会社規模は一切考慮していません。

 

そしてオンライン商談。当社は2017年の9月よりすべての新規商談をオンライン商談にて行っています。これは例え未だ当社サービスの利用がないリク◯ートの役員から問合せがあっても、HPも出来ていない登記中の紹介会社から問合せがあっても同様です。

約半年の間で、「え?訪問してくれないの?じゃあいいや」という会社は4社ありました。そういう会社へは「分かりました。では気が向いたらオンライン商談予約して下さい。」と言ってます。名前を書きたいくらいですが、僕も大人になったので止めておきます。月間の問い合わせ数は少く見積もっても2-30件ありますので、全く気にしてません。

ちなみにその4社のうちの1社から、オンライン商談の予約が入り、普通にオンライン商談して、3日後に申込書が届きました。わかっていただけて良かったですw

 

こうすることで、いわゆるイレギュラーな対応をする必要がなくなり、僕を含めた従業員は決まったオペレーションを決まったルール・手順で行えば良いことになりますので、「判断」をしなくてはならないケースが減り、ミスや滞留がどが少なくなることもスゴく大きなメリットです。

 

ただひとつの例外はα版製品のテスト

ここまで言っておいてなんですが、ただひとつだけ例外対応があります。

それは、新しくリリースする製品の企画・開発段階でのテストです。

当社はBtoCビジネス向けのサービスを提供しているのですが、そのサービスの多くは当社の顧客が、その顧客のお客様である個人とコミュニケーションを取る際に利用するものです。

リリース前にテストはどうしても必要なのですが、当社には個人のお客様がいません。のでテストが出来ないと。まあFacebookなどで知人にお願いすることなどもありますが、一斉にというわけにもいかないですし、僕の友人知人ですとITリテラシーが高いゾーンになってしまうと思いますしね。

そういった場合は、お取引をさせていただいている中で「当社のサービスコンセプトに共感を頂いている」と判断したお客様にテストをお願いしています。無料の場合もあれば有料の場合もあります。お金を払ってテストに協力してくれるお客さまもいらっしゃいます。もちろんその際にテスト結果のフィードバックもお願いしてます。テストですしね。こういった顧客はある意味差別して扱わせて頂いております。

いつもご協力ありがとうございます。※多分このブログも読んでくださっているw

 

ということで、今日もつらつらと書いてみた次第です。

それでは。

Kosuke

あの業務もこの連絡もSMSでできる?すぐに使えるテンプレート11選&基本の考え方(全30ページ)

※資料請求後、すぐに電話をすることはありませんのでご安心ください