例のeスポーツ選手に後輩力があったら契約解除にならなかったかも、という話

inst石野です。

 

えとみほさんもnoteの有料マガジンに書いていた、eスポーツ選手の物議を醸す発言による契約解除問題について考察してみた。ちなみに大枠の考え方はえとみほさんとほぼ同じかなと思っている。

 

だが僕はちょっと観点を変えて

上下関係の中で培われる後輩力は、世渡りの上で大事だ

という話をしたい。

 

eスポーツ炎上は精神的に未成熟な人がプロ(公人)になった結果だ

ご存知の人も数多くいると思うが

・eスポーツ(ゲーム)の女性プロ選手がUber配達員にナンパされた
・ムカついた彼女がその配達員の低身長を「170cm以下の男は人権がない」と生配信でdisった

という事があり、それに批判の声が集中して所属チームが処分を検討→即刻契約解除となった事案だ。

また、これはえとみほさんの記事を見て知ったのだが、同じチーム所属で素行があまり良くなかった男性プロ選手も、この事件がきっかけ?となって芋づる式に解約されてしまったらしい。これは可哀想だが自業自得といえば自業自得である。

 

こういう話題について書こうと話を頭の中で組み立ててみると「あー、俺おっさんになったな」と痛感するのだが、これはeスポーツという若い文化が生み出したプロが人間的に未成熟のまま、公人になってしまったことが原因である。

要は先輩が居なかったのだ。

 

老害っぽくなってしまうけど、やはり「礼儀・礼節は大事」だと言いたい

自分も老害になってきていることは全くもって否めないわけだが、やはり礼儀や礼節というのはすごく大事だ。で、新しいジャンルや急成長した業界で有名になったりすると、そういった作法を教えてくれる年配者が周りにいなかったりというのと、やはり若くしてちやほやされてしまったりしたせいで調子に乗りがちで、周囲(特に中高年以上)から叩かれやすい存在になってしまう傾向が強いと思う。

えとみほさんはプロスポーツ選手の礼儀作用がしっかりしているのは教育をされてきたからだ、ということをおっしゃっていた。たしかにそうだと思うが、プロスポーツ選手の礼儀作法がしっかりしているのは、教育をしてくれた先輩がいたからなのだ。

 

YoutuberやSNSを主戦場にしてる人たちは「批判上等、燃えてなんぼ」という人も居たりするわけだが、日本を代表するTOP YoutuberのHIKAKINが多くの人に愛されたり

※このTweetバズったよね

 

TVでは傍若無人なキャラで売っているフワちゃんが、実はめちゃくちゃ礼儀正しい人だと聞くと、あんなにたくさんの番組に起用されるのも頷ける気がしてくる。HIKAKINもフワちゃんも極めて後輩力が強い。

上下関係がしっかりしているお笑いやスポーツの業界でこういった「やらかしてしまう」人がいないわけではないのだが、こういう事例を見ると人間教育というのはすごく大事だなと思ったりする。

上下関係の中で培われる大事なスキルとは「後輩力」に他ならない。

 

成功した若手ベンチャー経営者も未成熟なのか

また、似たような事案としてベンチャー業界にも似たような闇があると思っている。

ベンチャー経営者による違法賭博のニュースが最近話題になっていた。

自分のTweetを引用して恐縮だが、業界もジャンルも投資家も若かったりして勢いがある業界だったりすると、こういったやんちゃをする人が多いような気もする。何が悪いのか、どういうことをしてはいけないのか、という教育がなされる前にちやほやされてしまうので、倫理観が麻痺してしまうのであろう。

数年前に画期的な換金サービスを立ち上げ、爆速で成長させてすぐに大規模なExitをして話題になった経営者が無茶なお酒の飲み方(飲ませ方?)をして起こしてしまった悲しい事件なども記憶に新しい。

誤解されないように言っておくと、別に新しく出る杭をすべて潰したいわけではないし、すべての新ジャンル・新規サービスにチャレンジする人、そして成功した人が未成熟だと言っているわけではないと付け加えておきたい。

「調子に乗るなよ」と言ってくれる先輩の存在、そしてそう言ってもらえる後輩力がここでも大事なわけだ。

 

丸くなってしまうのは悪いことではない気がする

僕も比較的悪役キャラで売っている感はある。が、アンチがいてなんぼではあるものの、自らアンチを増やすのは正直面倒くさい。年令を重ねていくとみんな性格が丸くなりがちなのは、守るべきものが増えたりするだけではなく単純に突っかかってくるやつに対応したりそれを無視したりするのが面倒くさくなるからではないだろうか。

その結果、当たり障りのない対応をしたり、ある程度礼節を守ったりするようになったりする。が、このときに当たり障りが無い対応というのを自分が知っているので、自分の言動をある程度コントロール出来たりするわけだ。

やはり、叱ってくれる人、特に先輩がいる、ということと、その叱ってくれる人に真摯に耳を傾けられる姿勢を持ち続けることがすごく大事ということになる。ほら、やっぱりおっさんの小言っぽくなったw

 

 

若者よ、おっさんをたらし込め

なので、経営者含む若者は面倒でもおっさんをたらし込んでパトロンやメンターとまではいかないにしても、アドバイスを貰えるおっさんを複数抱えておいたほうが良いとここで提言しておきたい。

VCがそういった役割を担ったりするかもしれないが、彼らが見ている世界は極めて偏っているので

・オーナー経営者
・IPO・EXIT経験の経営者
・盛大に失敗した経験がある経営者

などの観点で広く浅く探してみると良い。会社の規模感なんてどうでもいい。SNSでナンパしたって良いだろう。おっさんなんてチョロいものだ。

そして、まず「おっさんをたらし込むなんて簡単だ」と思ってもらいたい。多分30〜50代の経営者なんて大半が兄貴肌で(兄貴肌を探すとよりチョロいと思う)、後輩に「先輩!」とか「兄貴!」などと呼ばれただけでコロっと口説き落とせると思う。

その際にちゃんと挨拶やお礼をしたり、お歳暮や誕生日なんかにプレゼントを送ったりしようものなら、間違いなくイチコロで、無報酬で社外取締役になったり、ビジネスに役に立ちそうな人や顧客を無償で紹介してくれたりすると思う。「若いのにあいつはしっかりしてる」と言われる状態を目指すのだ。

また、「おっさんの武勇伝」を聴くのをダルがらないことも重要だ。むちゃくちゃ優秀な経営者は武勇伝を語らないかもしれないが、武勇伝を語るおっさんもキミよりは人生経験豊富であり、礼節や礼儀を学んだり、ぐっと理不尽を堪えたりする鍛錬に武勇伝リサイタルは好材料である。

大事なのは後輩力だ。多分世の中を上手く渡っていく重要な能力の一つであると思う。

 

僕も悪態はついたりするが、ある程度上下関係がしっかりしている部活の代名詞的な野球部出身ということもあり、後輩力は結構身についたし、自分より年上の先輩経営者に(たらしこんでるなんて思ってませんよ!汗)可愛がって頂いた結果、今の会社も自分もあると思っている。

そしてなにより、可愛がってくれる先輩がいると、なにかトラブルや問題が起きたときに「あいつ、あんなこと言ってても、実はいいやつだよ」と的な防波堤のような役割を担ってくれたりもする気がしている。

若手経営者よ、愛される後輩になって、おっさんをたらし込むのだ。そうすればキミの栄光への道はもっと開かれるであろう。

 

[infomation]
比較的落とすのがチョロい兄貴肌のおっさん経営者のTwitterアカウントはこちら
※SaaS経営、リモート、HR系には強いですwあと顔も比較的広い

※別に僕が後輩経営者を侍らかして先輩風を吹かせたいわけではないですのでご安心ください

 

それでは。

Kosuke