夢の国パワハラ訴訟に見る顧客満足度追求の限界

夢の国パワハラ訴訟に見る顧客満足度追求の限界

INST石野です。

昨日ニュースを見てこんなtweetをしました。

ディズニーランドでコスチュームを着てパフォーマンスをして働いていた人が、雇用主であるオリエンタルランドに「安全配慮義務違反」を訴えているということです。ちなみにこの裁判が行われる千葉地方裁判所はINSTの千葉本社から300mのところにあります。

重いコスチュームを着ていたことで疾患を発症したことも併せて主張していることから、おそらくはシンデレラなどの衣装を着ていたのではなく、着ぐるみを着ていたと推測できますので、「ミ◯キーの中に人は入っていない」と教えられた夢の国で起きた事態としてはあまりにも悲しく切なく酷いことだと千葉県民である私も心を痛めている次第です。

超人気企業は超体育会系

僕は大学時代に浦安市にほど近い、南行徳という駅に住んでおりまして、バイト先にはオリエンタルランドで働く同僚もたくさんいました。また、ジャングルクルーズの船長をやっていた大学の同期もいたので、職場の話はたまに耳にしたのですがかなり体育会系、しかも超古典的なイメージがあります。

先輩後輩の上下関係が厳しいだけでなく、配属された部署?役割?によっても序列や派閥があったりするとかしないとか。

こういうことはあまり言ってはいけないことらしいですけどね。

また、一時的にオリエンタルランドのキャスト募集(同社ではバイトではなくキャスト、という)の求人広告の担当をさせていただいていたこともあり、ものすごい応募の数が超低コストで集まる人気企業であることも知っています。

そりゃああんなに楽しいところで毎日仕事ができたら幸せ!って思う人が多いのも頷けますよね。

顧客満足度追求の限界

今回の訴訟に関しては、顧客満足度だけを追求していく企業の限界が、ついに浦安夢の国にまでという一言に尽きると思います。

キャストの給与は決して高くなく、長年キャストとして働いていてもなかなか正社員として採用もされず、永年フリーターのような環境とも聞いたことがありますし、そういった環境下では心が豊かな上司(バイトリーダー的な)は育ちません。夢の国の収入だけでは食べていけないので、バイトを掛け持ちしてる人がバイト先にもいましたしね、実際。

大変失礼な言い方かもしれないですが、日本のサービス業では超優れた技術を身につけない限りは普通の会社でサラリーマンをやったほうが人間的で豊かな生活ができ、将来もある程度保証されやすいというのはなんとなく多くのみなさんが理解できるのではと。

それを浦安夢の国は「全てはゲストに夢を見せるために」という最強の殺し文句で抑え続けてきたわけですが、それがいよいよ崩壊してしまったと。SNS含めインターネットの普及で実際接したことがない人とのコミュニケーションが容易になり、他人の生活の一部を見ることも簡単になりましたので、「いよいよこれは普通のブラック企業なんじゃないか?」とキャストが気付いてしまったと。

「甲子園に行きたいんだろ!」というビジョンで優秀な選手を集めている伝統校でいじめや喫煙、監督のパワハラがあるのと対して変わらないですよね。

それでもすごいのはこの訴訟を起こした人は、疾患が治ったら復帰したいと言っているということです。ものすごい魔法です。

充分な報酬と安全が保証されたら夢の国はどうなる?

では、夢の国が実はブラック企業だったと仮定して、それを是正するために充分な報酬や安全が保証され、パワハラがまかり通らないホワイト企業になったらどうなるのでしょうか?

従業員満足度を「その場所で働けること」以外にも満たす方法を考えるということです。

新設アトラクションよりも従業員の給与向上に値上げした入園料が使われ、大して美味くもないご飯が更に高価になっても超魅力的なテーマパークの象徴として日本のサービス業の頂点に君臨し続けられるものなのでしょうか?

これは非常に難しい問題です。

1つ改善案として挙げられるのはチップの導入とかではないでしょうか。そもそも日本はチップ文化がないのでなかなか難しいのかもしれませんが、感動をするようなサービスを提供してくれたキャストの方に少額でもいいのでチップをお渡しする。そうすればもしかすると改善されるのではと思ってしまったりします。

ただ、先日当社のメンバーがアメリカの夢の国に行ったので聞いてみたのですが、アメリカの夢の国でもチップをあげている人は目にしなかったと。

こういう課題に関してはビジネススクールの組織論などのケーススタディで取り上げて討論していってもらいたいですね。

というか、いつも滅茶苦茶混んでてすごい儲かってそうだし、ディ◯ニー流マネジメント的な本も何冊も出版されているのに中身ではこういったこともある、というのはどこの企業でもあるように「一部の仕方がないこと」と片付けるしかないのかもしれませんが。

娘が今度の3月で卒園で、卒園旅行は夢の国に行きたい!とおねだりされているのですが、もし連れて行ったときに晴れやかな気持ち100%になれなそうな父親の戯言として今日のブログはご笑納ください。

それでは。

Kosuke

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