「コンサルティング」という言葉に騙されるな、という話
スポーツ刈りのおばちゃんの、その前の髪型が気になる、INST石野です。
「最近、石野さんブログで毒吐いてないですね」と言われましたので、ちょっと今日は毒づいたブログを。
僕はコンサルティングという仕事やコンサルタントという職種の人達があまり好きではありません。
ここで誤解をいただきたくないのは、世の中に存在するコンサルティング業務やコンサルタントの人全員が嫌い、というわけではないということです。もちろん役立つ本当のコンサルティングも存在しますし、優秀なコンサルタントの方もいらっしゃることと理解をしております。
ただ、いかんせん胡散臭いやつや「コンサル」という言葉に騙されている人が多いのではないかと思っており、毒を吐く決意をした次第です。
なんでも「コンサル」をつけて崇高な仕事のように見せるのは良くない
就職活動をしていたとき、いわゆる「コンサル」という言葉の魔法に魅せられて、いわゆる「コンサルティングファーム」を受けていたことがありました。まあ結果としては某IT系のコンサル会社(今考えればただのSI)とインテリジェンスの内定をもらってインテリジェンスに就職したんですが。
なんとなく「コンサル」という言葉をつけると、不思議と
・頭が良くて
・崇高な
・選ばれた人にしか出来ない特別な仕事
な感じがします。
よく分かる例が「コンサルティング営業」。ぶっちゃけ普通の営業でしょ。利用方法についてコンサルティングするとか言ってるけど、結局自社のサービスとか代理販売をしているサービスに落とし込まなきゃいけないわけだし。そんなの当たり前にやるべきことであって決してコンサルティングとは言わない。
コンサルティングの定義、というのは難しいと思いますが、僕的にはWikipedia先生の「コンサルティング」の項に書いてあることにほぼ100%アグリーですので引用します。
そもそもコンサルティング企業とは、「業務における問題の発見・解決策の提案・業務の改善の補助、経営戦略への提言、などを中心に、企業の様々な業務を効率化するための提案自体を売り物にしている企業」 のことを言う。原則としてコンサルティングはサービス業であり、付随的に「相談に乗ること」をしながら、他の業務や商品を通じて生計を立てている場合は、本項で「コンサルティング」と呼ばないこととする。 つまり、商品を売ること自体を主目的とする企業(保険会社など)、何かのための付加サービスとしてコンサルティングを行う企業(転職斡旋会社など)、個人をクライアントとするような企業(リテール金融会社など)、はコンサルティング企業と呼ぶことはない。
まとめると、社長や経営者と話をしてアウトプット(納品物)を出さずに、それだけでお金をもらえるのであれば、それはコンサル業と言っていいということなのかなと。殆どの場合は何かしらの成果物を提出したり、運用代行を行っていると思うので、それはコンサルではなく、業務委託や業務代行、アウトソーシングと呼ばれるべきです。
なので、以前「キャリアコンサルタントが名乗れなくなるまであと半年?」という記事も書きましたが、求職者にキャリアの相談だけして、その人から相談料もらって転職先の斡旋をしないのであれば、キャリア・コンサルティングなのかもしれません。そうでない場合は「求人の紹介」です。
「独立してコンサルで食ってく」→それコンサルやない、アウトソーシングや
上の項とかぶりますが、個人事業主で非コンサルティング業務(ここで言うコンサルティングとは戦略コンサルや人事コンサルなどのいわゆるファームと言われる組織体でのお仕事のこと)出身の方が独立して個人になった際に「独立してからどんなことやられるんですか?」と聞くと、大半の人は
「まあコンサルとかで」
とおっしゃいます。さっきも言いましたが、それは多くの場合コンサルティングではなく業務委託や業務代行です。
SEOやWebのコンサルというと、GoogleAnalyticsとかのデータを取得して調査をしなくてはいけないと思うので、手を動かした=コンサルティングではない、とは言うのは難しいかもしれませんけどね。運用代行で自分の手を動かしてたらコンサルティングで食ってる、とは言わないほうが良いのではないかと。
上流フェーズもやる=コンサルではなく、上流フェーズしかやらない=コンサルなのではないかと。
上記2つは「インチキコンサルティングに騙されるな!」とか自分のことをすごいと思わせたくて「コンサル」って言うなという僕の主張の現れですが、一般的にいう立派なコンサルティングファームの人のやっていることもすべてが素晴らしいことだとは言えないという僕の経験を3つ書いておきます。
◯◯コンサルティング出身だから採用したのに全然ダメだった
中途採用(というとソフトバンクの孫さんに怒られるかもしれないですが)に於いて、「コンサルファーム出身」は一つのブランドです。有名企業の経営者の中にもコンサルティングファーム出身の方は数多くいらっしゃいます。
コンサル出身者は
・学歴・地頭が良く
・ロジカルシンキングができて
・ハードワークに強い
ということで、スタートアップでも経営陣やその右腕として採用されるケースが少なくないように思います。
ですが、実際に採用してみた経営者の方に「◯◯コンサルティング出身だから大丈夫かと思って採用したのに全然ダメだった」ということを聞くことがよくあります。コンサルティング会社出身だからって全員が全員優秀ではないわけですね。それをちゃんと見極めないと。
コンサルティング会社出身者は
・プライドが高く
・計画は強いが実務に弱く
・給料が高い
というウィークポイントをちゃんと理解してから採用する必要があります。
コンサルティング業務を放棄した某有名ファームからの問合せ
先日facebookに書きましたが、ここでもご紹介します。
は?って感じじゃないですか?それをやるのがお前らの仕事じゃないの?某有名ファームさん。
INSTはコミュニケーションサービスの販売を行っていますが、その際に利用方法に対するコンサルティングも行ってはいると思います。ですが、INSTはコンサルティング会社ではありません。※約款には便利なので「コンサルティング」の文字は踊っていると思いますがw
こういうコンサルティング会社に何か頼むと、下請け・孫請け・ひ孫請けみたいにベンダーはどんどんこいつらに搾取されて、顧客はそのベンダーに直接発注すれば同じ成果が得られたというのにバカ高いコンサルティングフィーをふんだくられると。こういうのは本当に腹が立ちます。
ケチャップを口につけて俺のExcelを丸パクリした若造コンサルタント
これは前職のときですが、世界でも屈指の有名戦略コンサルファームの人と、某クライアントのプロジェクトで一緒になったことがあります。その際、僕らはクライアント企業様から直接発注をいただいて、そのコンサルファームにもクライアントが直接発注をしていた、というシチュエーションでした。
ある新規事業の検討を進めていく中で、僕の方で市場調査やグランドデザインを行い、収支予測のExcelシートを数パターン作ってクライアントに提出いたしました。Ccには某ファームの方が入ってました。マネージャーとアソシエイトだったかな。
そのExcelシートをその某戦略ファームの若造が丸パクリして、分厚い資料に印刷して「◯◯コンサルティング」と名前を書いてクライアントに提出しやがったんですよ。お前ら、稼働の単金俺らの何倍だよと。
しかもそいつ、午後にあった3社ミーティングで口にケチャップつけてやがったんですよ。俺のExcelパクって提出した資料はそんなにメシウマだったのかと。Facebookで調べたら東大出身でしたよ。これも本当に腹が立ちました。
確かに、「◯◯事業への参入に関する検討資料」を役員会に提出するときは名も知れぬベンチャー企業の名前より、◯◯コンサルティングって書いておいたほうが通りやすそうなのはわかる。ただ、心情としては「石野さん、あのExcelよく出来てたんで引用させていただいてもいいですか?」って言ったほうが、僕的には「俺のExcel、あのファームのやつに褒められたぜwww」ってなって、それは僕の中で一つの自信になっていい思い出になってたんじゃないかと。ケチャップついてたこともここでバラされなかったと。
まあそういう、会社のブランドと地頭と、下請けたちの屍の上でメシウマーってやってるような人達もいるんだなと、そう思ったというお話でした。書いてたらだんだん怒りがこみ上げてきて、このあと実名出しそうなんで今日はこの辺で。
それでは。
Kosuke