「採用ができない」と嘆く前にチェックするべき6つのポイント

INST石野です。

先日、フリーランス自宅警備員あらため、HRビジネスコンサルタントの平田さんの壮行会を開催いたしました。

人材ビジネス関連の方々を中心とした約70名にお集まりいただき、INSTもイベントに協賛させていただきつつ、また、僕が一応司会進行を務めさせていただき盛況のうちに会を終えることができました。改めてお礼申し上げます。

会の中で名刺交換をさせていただく方もいたのですが、多くの方が「あー、ブログ見てます」と言っていただき、プロダクトや社名より、本ブログのイメージが先行しているようで、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちです。

 

さて、今日は「採用ができない」と嘆く経営者や人事の方が多い昨今、どういったポイントを見なおして改善していくと良さそうなのかを独自の視点で書いてまいりたいと思います。

※本意見はあくまで私の経験と偏った思想に基づくものであり、これにあてはまったからといって採用担当の方やエージェントを断罪していただかないようにお願い致します。

 

1.人材紹介会社経由でしか採用ができない

まずこれです。なぜか今の世の中、「困ったら紹介会社に頼むしかない」という風潮があると思います。あながち間違っていないのですが、御存知の通り紹介会社経由での採用は成功報酬という極めてリスクが低い報酬体系のかわりに、年収の30-35%を支払わないとならないということで会社の経営には大きなインパクトがあります。

弊社のような零細企業はいつになったら人材紹介会社にオーダーを出せるようになるのかと思っているのですが、まだまだ当分先のことに思います。

さて、ここでチェックすべきは「新規入社者が100%人材紹介会社経由、もしくは著しくその比率が高い場合」であるかどうかです。もしその場合は危険な状況に陥っている場合があります。

このケースは会社や採用チーム、採用担当に「本当の採用力」がついていない可能性が高いです。

「本当の採用力」というのは呼んで字の如く、採用するパワーがその会社にあるかです。

「うちの会社なんて小さいし知名度もないから紹介会社に頼るしかなくてー」とか、「魅力をアピールするには紹介会社の人に口説いてもらわないとー」と人事が言っている場合、その人は採用業務を放棄しています。

小さくて知名度がなくても、魅力的にアピールする方法はありますし、紹介会社の人に頼らずとも自分でスカウトを打って対面できる機会を提供してくれるサービスはあります。それを怠けている場合が多い。メスライオンの爪の垢でも煎じて飲ませてもらったほうがよいです。

基本的に多くの紹介会社はリクルートやDODA、ビズリーチなどの求職者DBを利用し、スカウトを送って候補者を獲得しています。そして、その求職者DBは企業人事もアクセスすることは可能です。第三者に任せきりではなく自分でスカウトを打って口説く、そういうことをやっていかないと本当の採用力は身につきません。

採用ホームページがあるなんて当たり前です。(すいません、INSTはまだないんですけど・・・)

 

2.人材紹介会社経由での採用が全くできない

紹介会社を使わないで採用している会社はあてはまりませんので、読み飛ばして下さい。

自社サイトや広告媒体では取れるけど紹介会社から推薦が上がってこない・・・これはほぼ100%「紹介会社に見放されている」ケースです。

・紹介手数料を25%とかにケチって値引き交渉してませんか?
→同じ人紹介して35%で採用してくれる会社があったらそっちに注力しますよ?

・紹介会社を業者扱いしてませんか?
→求人票だけまるなげして「あとはお前ら推薦上げてこいやー、お前らプロやろ!?」という態度じゃないですか?

媒体では取れている前提なので条件面が厳しいということではないでしょうからこの2つくらいが問題な気がします。フィー値引いてないのに推薦が上がってこない場合は、その人事担当に問題がある可能性が高いので担当変えたほうが良いかもしれないですよ。

 

3.リクルートキャリアとインテリジェンスからしか推薦が上がってこない

御存知の通り人材紹介業界でTOP2はこの2社です。業界特化とかあるにせよ、この2社からしか推薦が上がってこない状態も危ないと思います。

このケースでは採用担当が「他の紹介会社をバカにしていて、この2社としかきちんと接していない」可能性が高いです。いわゆる他の紹介会社を業者扱いしてるパターンですね。

人間というのは不思議なもので、お金をもらう受注者側からお金を支払う発注者側に回った途端に「なんか自分が偉くなった感」を感じてしまい、人に接する態度が変わることが多々あります。

前述のとおり、多くの紹介会社がリクナビやDODAのDBを使っているわけで、他の紹介会社から推薦が上がってこない理由は「他の紹介会社から推薦が上がってこないと思って諦めている→ちゃんと接していない」からだと私は考えます。企業規模にも寄りますが、この2社以外に2-3社は「お抱えのエージェント」がいる状態になっているのが健全でしょう。別にインテとリクルートだけで取れてるからいいや、と思う方もいるかもしれませんが、人材業界ってすごく狭いので、そういう状態ですと御社の悪評がいたるところで背ヒレ尾ひれがついて独り歩きして「ここぞ!」という時に採用が全くできなくなる、ということになりかねませんよ。

 

4.リクルートキャリアとインテリジェンスから全く推薦が上がってこない

3.とは全く逆の状況ですが、このケースも危ないです。

理由は

・条件が悪すぎてリクルートとインテリジェンスに見放されている
・リクルートとインテリジェンスの営業担当がボンクラ

この2つが想定できます。

まず「リクルートとインテリジェンスに見放されている」パターン。

紹介会社の営業も担当している会社全てが注力する企業ではありません。正直な話、特にスタートアップの会社に多いのですが、要求条件や採用合否判断が厳しいのに、給与が安くて全然決まりそうにない案件に注力する人材紹介会社の担当営業はかなりレアです。大手の紹介会社の場合、たくさんの企業を担当しますし、他の営業担当と候補者の取り合いにもなります。

見放されているかどうかをチェックするには自社の採用条件を他社と比べてみるのが1番です。著しく給与が安くないかとか、条件が厳しくないかとか。素直に紹介会社の営業マンに聞いてみるのもいいでしょう。

次に「リクルートとインテリジェンスの営業担当がボンクラ」パターン。

人材、というナマモノ(というと少し失礼ですが)を扱いますので、結局は営業担当がどれだけ御社にコミットしてくれているかが大事です。何度も書きますが、多くの紹介会社が利用している求職者DBはほぼ同じものです。リクルートとインテリジェンスから推薦が上がってこない理由がほとんどありません。

その場合は2つ方法があります。

・担当営業を変更してもらう
・他の紹介会社で「こいつは!」という営業担当を見つける

前者はあまりオススメできませんが、即効性はあります。後者は本当に当たるも八卦、当たらぬも八卦です。

僕も紹介をやっていた時に新規テレアポで企業開拓をしている時に「インテリジェンスもリクルートも推薦してこないんだから、お前のところみたいな名前も聞いたことがない紹介会社が決められるわけがない」と何度も言われました。まあそのうちの何社かはリクルートやインテリジェンスよりも僕のほうが決めているお得意様になったんですけど。

その時はその企業の要求通りの人材を大手2社が全く推薦できなかった、というのが僕がその会社にとってNo.1エージェントになれたきっかけでした。資格の面で「これ持ってないとダメだよ」という人を上げられないとか超ダメダメ。その方のおかげで年間数千万稼がせていただきました。ありがとうございました。財閥系不動産会社にあのレベルの担当をつけてはダメですね。

 

5.経営者やマネージャーが面接の日程を再優先しない

どこの会社でも「人が1番大事」と言っているくせに、取引先との商談や社内MTGを面接より優先するアフォがいます。

「だってしょうがないじゃない」という言い訳は聞きたくないですね。物理的に会うのが難しかったってskype面接したっていいし、出先で面接したっていいわけです。

取引先の商談でめっちゃ大事!とか他の面接と被ってるいうのはわからなくもないですけど、社内MTGを面接より優先している会社にいい人の採用は難しいでしょう。

某DeNAで採用責任者をやっていた石倉さんとランチした時に聞きましたが、南場さんは面接スケジュールをどんな商談より再優先していたらしいですよ。南場さんより忙しいですか?あなたは。だからDeNAには良い人材が集まるんでしょうね。

 

6.退職者や面接OUTの人へのケアができていない

辞める時に会社のほんとうの姿が見えるよね、という話

これも某石倉さんのブログですが、退職者ケアがキッチリできる会社は本当に素晴らしいです。これが出来ない会社は悪評が立ちやすいですね。ソーシャル全盛期ですので、ネガティブな話はどんどん広がります。僕が言いたいことはほとんど石倉さんが書いてくれているので、ぜひ熟読して下さい(丸投げ)

面接で仮に落とすかもしれない人も雑に扱わないことが大事でしょう。その人の友達がめっちゃ優秀で御社が求める人材でも「あの会社面接の対応すげー悪かったよ」と言われたら一瞬でアウトです。

 

まあこんな感じでしょうか。少し長くなりましたが、ちょっとでも参考になればと思います。

それでは。

Kosuke