クラウドワークスの人材紹介事業参入に関する考察
人材紹介/人材派遣ビジネスのシミュレーション記事が、好評でとお伝えしたのですが、なんとSmartNewsとNewsPicksに取り上げられたようです。残念ながら僕はどちらのニュースアプリもDLしていなかったのですが、知人の平田さんが「NewsPicksに取り上げられてますよ」と教えてくれて、その後GoogleAnalyticsを見てみたところ、スマニューからの流入も確認できた次第です。普通に嬉しい。
記念キャプチャ。
ちなみに蛇足かもしれないのですが、アクセス数はNewsPicksからよりSmartNewsからのほうが多かったですね。
さて、今日は10月2日に発表されたクラウドワークスさんの人材紹介事業参入に関する考察記事を書きたいと思います。上野キャプチャ見るとNewsPicksにも取り上げられてますが、普通のニュースサイトがプレスリリースを引っ張ってきただけの記事であんまり深い内容にはなってなかったので、人材ビジネスアナリスト的(自称)に考察してみたいと思います。
クラウドワークスさんと言えば、このブログを読んで頂いている方でご存知でない方はほとんどいないと思いますが、日本のクラウドソーシング業界(あるのか?)を牽引する会社ですね。ほかにはランサーズさん、シュフティさん、ココナラさんなども含まれるのでしょうか。
少し調べてみると、人材会社でクラウドソーシングサービスを提供している会社も見つかりました。
などですね。こう考えると人材ビジネスとクラウドソーシングサービスは親和性が高いのでしょう。ちょっと話題がそれたのでクラウドワークスさんの話題に戻します。
プレスリリースから引用させていただきますと
1.概要
当社は、2012年3月にクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」を開始し、以来、全国の企業と個人で働く人々をつなぎ、時間や場所にとらわれずに働く機会を提供するプラットフォームとして幅広いユーザー層の支持を集めてきました。2015年10月現在、会員数73万人を突破、クライアント企業も10万社に達しております。2015年現在、20代から30代のいわゆる子育て世代が最多層を占め、子育てや介護などのライフイベントを理由にクラウドワーキングをしている方の中には、復職を希望するニーズも高まってきております。
→10万社の取引先、73万人の会員!これはすごい。そんなにいるんですね。人材紹介での転職成功者は先日のシミュレーションによると年間9万2000人なので、単純に登録者の数としては非常に多いことがわかります。
こうした中、今回当社では、ユーザーの声に応えるための新たな施策として、人材紹介事業に参入し、クラウドワーキングだけでなく転職・就業をトータルで支援することを決定しました。第一弾として、10月2日(金)より女性向け人材紹介サービス「ウーマンワークス」を開始いたします。本サービスでは、働き方の多様性を求める女性や、結婚・出産・子育てなどのライフイベントを経験した女性の就業・転職支援を行います。従来の転職支援サービスは、企業での就業経験・仕事実績が採用評価の対象となりますが、当社のクラウドソーシング事業「クラウドワークス」との連携により、クラウドワーキングの実績を当社が担保することで、将来的に就職希望先の企業へのアピール材料として活用することが可能になります。クラウドワーキングという就業スタイルからフルタイムでの就業スタイルまで多様な働き方の選択肢を提供することで、当社は女性の活躍を支援してまいります。
→なるほど。まずは女性向けの就業支援サービスからスタートということですね。確かに結婚・出産・子育ては日本ではまだまだ女性の仕事(出産は女性だけですな)という印象が強く、産休・育休だったり、旦那さんの海外出張についていくために退職・転職するという人も男性に比べると多そうに思います。
また、クラウドワークスの社外取締役には、僕のインテリジェンス時代の大先輩で、超有名キャリアコンサルタントである高野秀敏さんがおります。
高野さんが事業部長とかになったりしたら、人材紹介ビジネスは立ち上がり早いでしょうね。僕は内定者時代に一度丸ビルでランチさせていただいたことがあるのですが、入社したらすでに高野さんは退社していたというエピソードが有ります。
さて、ほかにもクラウドワークスでの仕事の実績を推薦文に載せるのが差別化要素ということですが、これはちょっと疑問が残ります。
これ、副業ばれるんじゃない?
人材紹介する先の会社が副業禁止だった場合で、前職の勤務期間内にクラウドワークスで副業してた(しかもその前職も副業禁止だった)のが仕事の実績として推薦先に知れたら、マイナスイメージがつくのではないでしょうか。
前職副業禁止で今回の転職希望先も副業禁止。スキルシートに燦然と輝くクラウドワークスでの仕事の実績。なんか良いイメージ湧きません。クラウドワークスで働いてた期間が離職中ならまだしも、産休中だったりしてもそんな副業って許容されるもんなのでしょうかね。
1つの考え方としては、クラウドワークスを現時点で使っている企業は、副業に寛容なのかもしれませんが、自社の正社員が本業をおろそかにしてクラウドワークスでじゃんじゃん稼ぐ、ということを許容しきれるのでしょうか。ましてや紹介フィーを払って採用するわけですから、こんな会話が生まれそうです。
推薦文「この人、クラウドワークスでコンスタントに月間5万円くらい稼いでいる高スキルの人です」
企業「月間5万円稼ぐために工夫してたことってなんですか?」
転職希望者「はい、意地でも仕事を定時で上がって家に帰って作業時間を確保することです」
企業「・・・」
この人、自分の仕事の納期と、どうしても納期に間に合いそうもなく、会社側として残業してもらいたい時があったりしたら、前者を優先しそうな気が。。。
候補者と紹介先企業がごっそりいるのは素晴らしいことですが、人材紹介をスタートするという際にはちょっとこの辺りが不安ですかね。まあ、もちろん高野さんが付いていらっしゃるので、この辺りツメが甘い、ということはないと思います。何か妙策があるのでしょう。
今後当社では、職種に合わせた人材紹介サービスの展開も予定しており、クラウドワーキングが必要となるステージ以外でのユーザーとの接点も確保し、雇用形態に関係なく「働く」を通じたすべての経歴・評価・実績を蓄積することで、個々のライフステージに合わせた多様な働き方をサポートする、トータル・ワークライフ支援企業を目指してまいります。
→
職種に合わせた人材紹介サービスというのが気になりますね。
・正社員として紹介するけどリモートワーク
・正社員として紹介するけど週3勤務/時短勤務など
こんなことがあるのかもしれません。別に僕的には人材紹介にかぎらず、人材派遣やアウトソーシングサービスを多様な形で提供したらいいと思うんですよね。主婦派遣のビー・スタイルさんも結構事業を拡大されてますし。
◆産後で少しブランクもあるし、週2日くらいは家で子供の面倒見ながら働きたい
→週3派遣で、週2クラウドワークスで副業
とかが最高だと思うんです。
クラウドワークスさん、是非人材派遣に関しても事業化ご検討ください。
2. 「ウーマンワークス」について
クラウドワークスに登録する20代~30代の女性を対象とした転職・就業支援サービス。将来的にはクラウドワークスの仕事実績データも活用し、ライフステージに合わせた求人情報の提供とキャリアサポートを展開。多様な働き方を求める女性に向けて、活躍の場を提供いたします。
サービス名:ウーマンワークス
サービス内容:ダイバーシティ推進に取り組む企業求人の紹介
企画職や営業職などを中心に女性向け求人情報を提供
サービスURL:https://crowdworks.jp/cw-career/woman_works
【「10年先も働き続ける女性のキャリア戦略セミナー」を開催いたします】
「ウーマンワークス」の開始にあたり、ライフイベントを賢く乗り越えて10年先も働き続けたい女性を対象にキャリア戦略セミナーを開催。就業先における時短勤務や勤務日数の調整だけでなく、テレワークやクラウドワーキングなども視野にいれた、これからの新しいキャリア形成の方法と実現手段をご紹介いたします。
→時短勤務の交渉はいいですね。ですが、例えば正社員希望で3日勤務とかになったりすると、就業規則とかのコンサルティングとかまでが必要になる気がします。日本の人事制度は週5、8時間勤務が基本ですし、保険や年金に関してもほぼ同様です。この辺りのコンサルティングができるようになると、多様な働き方が実現可能になると思います。
僕も個人的に週5で、1日8時間働き、毎日通勤するというのはナンセンスだと思っている方ですので、クラウドワークスさんの取り組みには基本的に賛成です。
ただ、リモートワークやテレワーク、時短や週3勤務には、法律や制度的なハードルと、マネジメントのハードルがあります。その辺りをクリアにし、もっとたくさんの人が多様な働き方で活躍できる世の中になるといいですね。
ちなみに超どうでもいいことかもしれませんが、現時点でクラウドワークスさんのホームページには人材紹介事業、人材派遣事業に関する免許・許認可についての記載はありませんでした。申請中なんですかね〜
それでは。
Kosuke@INST,Inc.
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