飛び込み営業研修は善か悪か

「リンクアンドモチベーション 研修」でGoogle検索1位(現時点)のINST石野です。

新入社員の方々は座学研修を終え、現場に配属されいよいよ本当に働き始めた、という人もいるのではないでしょうか。

そんな中、某友人がこんなブログを紹介してくれました。

働き方改革を「働き甲斐改革」にするためには

どうやら著者の人も元インテリジェンスの方のようですね、全く面識はないですが。

ブログの要約をすると

・作れば売れる時代は終わって「売れるものを作る」時代になった
・形骸化された飛び込み営業研修は悪だ
・若い新入社員の才能の芽を摘んでしまいかねない
・若い人の働きがいを損なわないためにも若い人にもクリエイティブな商品開発などの仕事をやらせるべき

とまあ正しそうで耳障りが良いことを言っているようにも思う。

社会はそんな甘いものではない。

ので持論を展開してみようと思う。

 

自発的に考えて行動ができる新入社員なんてそういない

まあこの人の言っていることは正しくもありますが、机上の空論過ぎてこんなことをやっていては超大企業でもない限りすぐに会社は潰れてしまうと思います。

入社して二日目で「なんか違う」と辞めてしまう新入社員が続出する時代なわけで、「よし、君たちがやりやすくて働きやすくてやりがいを感じられるように仕事をしていいよ!」なんて上司が言ったときに、期待通りの働きができる新入社員なんてどのくらいいるでしょうか。ほとんどいないんじゃ?この人は営業現場で新入社員のマネジメントをしたことがない人なのではないだろうかとも思ってしまうほどです。

クリエイティブな仕事をしたい、誰かに指示をされてやる仕事なんて面白くない、この支配から卒業したい、という尾崎豊病の新人さんが多いのもわかるし、会社と従業員がWin-Winであることが不可能だとも言ってません。だが、右も左も分からない人に指針を示さずに「何がわからないかもわからない状態」を作り出して結局路頭に迷う新人が増えるような気がしてなりません。

「それは御社の採用レベルが低いからです」と言われたらそれまでかも知れませんが、少なくとも僕もこの人も在籍していたインテリジェンスの新入社員だとしても、ほぼ無理だと思う。

親鳥は自分が飛んで見せて雛鳥に飛び方を教えるわけで、この人の論理でいくと、親鳥が「ほら、目の前にはこんなにも大きなお空が広がっているよ!自分の思うようにやってごらん(キラキラ」というようなもので、雛鳥はキョトンとなってしまうでしょう。

 

 

飛び込み営業は悪ではない(やりたくはないけどw)

飛び込み営業研修は別に悪ではないと思っています。そもそも飛び込み営業を今でも日常的に継続している会社も、ムカシに比べればそりゃあ減ったでしょうけど一定量存在し続けているわけで。それは何故かと言うと自分で探せない営業待ちの人たちが一定量いるということです。

日本国民全体のITリテラシーは上がったとはいえ、自社の課題を認識しており、それを自発的に改善しようと常日頃考えてGoogle先生にお伺いを立てて新しい解決策を探している人ばかりではないわけで。

例えば皆さんご存知スタッフサービスの営業マンは日常的に飛び込みをして、獲得名刺枚数をKPIにされていると聞いたことがあります。ああいった派遣ビジネスでは「人が足りない」となった時に担当者に想起してもらうかが大事であって、業界最大手のスタッフサービスですらそうやって飛び込んでいるわけですから、非効率ではあっても、必ずしも悪い営業方法ではないということなのではないでしょうか。

 

企業の生産活動フローを見せるのに飛び込み営業研修は効率的

文系総合職の人の多くが営業でキャリアを始めることに異論はないと思いますが、この人の理論ですと「じゃあ営業研修の一環で新規サービスの企画とWebマーケティングをやってみようか(キラキラ」というのが望ましいということのように感じます。

ゆるいインターンじゃねーんだからw

まずは企業の「生産活動フロー」を一通り見せるのに効率的な対面営業からやったほうがいいよね。テレアポとか飛び込みとか。ダイレクトに顧客の声が聞けるわけだし、GoogleAnalyticsとにらめっこしてても結局現場を知らない人は現場知ってる人い敵わないからね。

Webマーケして結果出るまでPDCA回してなんてやってたらいつまで経ってもその新人の人件費なんて回収できないっしょ。

しかも現場も知らない新卒がいくら若い頭で考えたからっていって売れるサービスや製品ができあがるとは限らない。むしろそういうの考えられてたら新卒で会社に入社しないで、自分で起業してっから

 

働きがい改革とはなんぞやw

さぞ耳障りがいい言葉ですが、働きがいなんてものは人それぞれなわけですよ。土日休みがなくても、自分が信じるサービスを世に広めたい人もいれば、別に定時で上がってプライベートを充実させたい人もいるし、キラキラ女子がたくさん回りにいる会社で働きたい人もいると。

価値観の多様化が騒がれているこの21世紀インターネットの時代に、会社が各個人個人、従業員全員のやりがいを追求するなんて不可能でしょ。だったら会社の価値観にマッチしない人はさっさと転職してよ、のほうがずっとずっと健全なわけで。こういう机上の空論ばっかり振りかざすよくわかんない好感度あげたいおっさんがいるから、「俺の価値観にマッチしないわ、この会社ブラック企業だわ」とかいうよくわかんない議論になるわけですよね。

あなたにとってのブラック企業は、誰かにとっての理想の会社

この言葉は肝に銘じておいていただきたいっすね。

それでは。

Kosuke

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