人材ビジネスをバケツリレーとコンビニコーヒーで例えてみる

約10年、人材ビジネスに携わって仕事をしている。

社会人スタートから8年目までは直接人材ビジネスのプレーヤーとして、そして起業してから2年はお客様として。

紹介会社であればR、I、J、媒体社であればM、E、媒体としてのR、L、R、Jなどなだたる殆どの会社からお問合わせを頂いたり紹介を頂いたりでありがたいことに何らかしら接点を持たせていただいている。

そして人材ビジネスは本当に難しい。し、面白いと思う。

今日は人材ビジネスのスケールのさせかた、自分が思うところを賛否両論は覚悟の上で書いていこうと思う。

 

二極化が進む人材紹介で生き残るのは「生産性重視」の会社

INSTのメインのお客様でもあるのが人材紹介会社である。面談設定率のUPや、掘り起こしの効率化、日々の連絡のリマインダなどとしてSMSを活用いただいている。

人材紹介ビジネスは利益率が高く、1ショットの金額もデカいという大きなメリットがある反面、採用成功報酬なので、0 or 1(ゼロイチ)になってしまうので、KPI設定とそれを上げるための施策が非常に大事になり、「もっと他に出来ることはないのか?」と考える会社からはよくお問合わせをいただく。

僕がここで言う二極化、というのは質重視なのか、生産性重視なのか、というそれぞれの会社のスタンスの違いだ。

ここで誤解をしてもらいたくないには、質重視の会社が生産性を全く重視していないとか、生産性重視の会社が質を全く意識してないとかそういうことではないということだ。

スターバックスで買うコーヒーとセブンイレブンで買うコーヒーを想像するとわかりやすい。

ただコーヒーが飲めれば良い、と考える人はセブンイレブンを選ぶだろうし、店員との気持ちいいやり取りや空間を求めて行く人はスターバックスに行くだろう。どっちがいい、どっちが悪いというのを議論するのはあまり建設的でない。その時々のシチュエーションによってニーズや思惑は様々だからだ。

ちなみに自社ホームページで「ウチの人材紹介は生産性重視です」と謳っている会社は絶対にない。コーヒー豆の気持ちになって考えると、スターバックスで挽かれたいと思ってしまう人が多いからだろう。が、今後会社として勝ち残っていく確率が高いのは生産性重視の会社であると考える。

それはなぜか。

 

質重視の人材紹介と思う人は独立するべき

さっきはコーヒー豆の気持ちになって考えたが、店員の気持ちになって考えてもスターバックスで働きたいと思う人が多い。実はそこに大きな落とし穴がある。

僕個人としては、針の穴をも通すようなゴルゴ13的なマッチングを行う人材紹介コンサルタントを目指すのであれば、その人は組織に属することなく、独立して個人事業主なり、1人会社で人材ビジネスを行ったほうがいいと思う。もしくはコミッション(インセンティブ)比率が高い給与形態の会社だ。

会社を経営して少し会社が”組織”らしくなっていくと、オペレーションの平準化が必要になってきて「(ある一定の採用基準を満たした人なら)誰でも同じようにパフォーマンスが出るようにする」ことが必要になってくる。

この際に職人芸を極めたい人は、コンスタントにパフォーマンスを出し続けることが出来る可能性があまり高くなく、マネジメントが極めて困難になる。いつ仕上がるかわからないけど、納得いく作品ができたときはそれに1000万円の価値が付く陶芸家を10人抱えて固定給を支払うことがあなたにできますか?

なので質重視で本当に求職者の人に喜ばれたい、という方は安定した固定給をあまり望まないようが良いと思う。

事実、この採用難の時代において、業績を伸ばして「あの会社好調だねー」と言われるのは、こういったブティック型ではなくてある程度組織だって人材紹介を「ビジネス」として行っている生産性重視の中堅〜準大手くらいだと思う。質重視のブティック型は当たるも八卦、当たらぬも八卦でギャンブル性が高い。

 

ビジネスは穴の開いたバケツで行うバケツリレーである

ビジネスは穴が開いたバケツで行うバケツリレーに似ている。と僕は思っている。特に組織で行う場合と、人材ビジネスに於いては極めてわかりやすく例えられる。

まず、水を集めてバケツに入れる。蛇口を目一杯開いて水を大量にバケツで受けるにはすごくお金が必要になる。これがいわゆる集客、だ。

そして集まってきた水のうち「ちょっとこれは次の人にパスできないな」と思うような質が悪い水を少し捨てる。これはR用語でN人材、とか言われるような「登録に呼び込んでも案件の紹介ができない=売れない」求職者のことだ。そしてバケツには質の良い水=売れる候補者だけが残る

そして、その人が「呼び込み」と書かれていて、その先に「面談設定」という看板が見える一本道を穴の空いたバケツを持って走っていくわけだ。本当は穴のないバケツに水を入れられれば1番いいのだが、そんなバケツはなく、ある会社は「面談設定」に辿り着くまでに半分、いい会社でも25%ほどの売れる候補者がバケツの穴からこぼれ落ちているのだ。

これをどんどん繰り返して、面談実施、とか案件紹介数、とか1次面接設定数、とか進捗させていって、最後に「入社」というゴールにたどり着いたときにバケツに残っている水の量が売上になる。

このバケツリレーでは途中で「1次面接数が足りないから補充で」とかが出来ない。必ず集客からプロセス順を追っていかないといけないのも面白い。

 

生産性を重視しないと「バケツの穴」に気づかないし塞ごうとも思わない

僕が言いたいのは、このバケツの穴を塞ぐことをしていかないと、ビジネスにはかなりのムダが発生してしまうということだ。足元ビチャビチャになってるわー、うちの会社、という人いますよね?

たちが悪いのはバケツに穴が開いているのに、溢れていくのを水のせいにして、穴を塞ごうともしない人だ。結構いる。穴が空いていたら水が溢れるのは当たり前だというのに。

殆どのイケてない会社は、最初のにバケツにこのくらい入れると最後このくらい残るから、じゃあ最初に入れる水をもっと大量にすればいい、という安易な考えを解とする。同じ比率で穴から水が溢れていくのでどんどん無駄が増える。まあそれでも経営が成り立つのであれば一つの方法ではあると思う。

が、最近の成長している会社は穴を塞ぎつつ、蛇口も目一杯ひねっている。自分で独自の水源を作って、RAN、DODAというダムからの供給に頼らなくても水が汲めるようにしている。

こういう会社でないと不景気になったときに生き残れない。

 

書類選考通過前にやる施策のほうが効果的である

バケツリレーの話に戻ると、これもまた採用ビジネスの面白いところで、書類選考以後は、バケツリレーの道に風雲たけし城よろしくバレーボール発射マシンを構えている「競合候補者」がいたりする。そして一定の確率でアンタッチャブルな「進捗落ち」が発生してしまう。

なので、KPIとしては後ろの工程にあるものをハンドリングしたほうが、最終成果にはインパクト大なのだが、コンサルタントの技量にも依存し、不確実すぎるので、自社でナントカ完結できてマネージメントがし易い前の方での工程で施策を打っていくことが得策であるといえる。

 

ちなみにINST Messengerを利用して、面談設定率はだいたい5-10%程度上がる。

この上がり幅は会社によって異なるが、かなり洗練されたオペレーションで呼び込みを実施していた会社は上がり幅が少なくなるし、適当にやっていた会社は上がり幅が大きかったりする。

僕も「SMSの配信クオリティなんてどこの会社も同じ」と営業先で公言はしているものの、他の会社のSMS配信サービスで効果が出なかったが、ウチのサービスに乗り換えて効果が出た大手企業もある。

バケツの穴を塞ぎたい、という方がいらっしゃったら是非、検討してもらいたいと思う。

INST Messenger SMS送信編

 

それでは。

Kosuke