第10期の最終日なので重い腰を上げて書いたINST 3BD誕生秘話
inst石野です。
ここ数ヶ月は新規サービスの営業やウェビナーなどに忙殺されていたのと、PodcastやSNSで細切れに発信をしていたので、まとまってブログを書くことも減ってしまったわけですが、2月決算のINSTは今日が期末の最終日ということで、今日書かないとそれこそ一生書かないだろうと思ってブログを久しぶりに書いてみます。
金曜のこの時間ですが、書き終わったのでUPします。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、instの第10期は単月赤字300万円からのスタートでした。起業したときは0からのスタートなのでそれ以下、地底からのスタート。一応一年掛けて単月黒字は取り戻すことが出来ました。
この1年はもがき苦しみ、いろいろなコストもカットしたりして過ごした1年ですが、そんな中苦し紛れに開発したINST 3BDがinst復活の一つの材料となりました。今日はそんな第10期に生み出したinstの新サービス「INST 3BDがどう生まれたか」を赤裸々に綴ります。
まず人に会いまくる
まあ話した人には話したかもしれないのですが、2024年の2月にinstは単月300万の赤字になりました。
それまである程度順調に経営をしていたので、すぐに資金がショートするわけではないのですがこのままでは近い将来会社が潰れる!ということで新しいビジネスを模索し始めました。
まずやったのは人に会って話を聞く、ということでした。
◇経営者マッチングサイトに登録する
◇リード獲得支援サービスを使う
◇LinkedInのSalesNavigatorを使う
◆既存顧客にアポ取って打ち合わせする
◆Facebookで知り合いに連絡してアポもらう
◆会いたい人を誰かに紹介してもらう
◆週1回、誰かを誘って必ず東京に飲みに行く
だいたいこんな感じのことに手を付けて、2023年の後半とかは商談アポが月に5件とか、そういう怠け者だったのですが大体週に10-15件位オンラインのアポが入りました。
「この人と会って話しても意味がないかも?」と思うこともありましたが、まずは対外接点を持ってなんぼ、どこで仕事につながるかわからん、という気持ちでとにかく意識的に人に会って話すようにしました。
人間に会うよりも魚と会話、電車に乗ってる時間より船で海に浮かんでいる方が長いという漁師兼業社長をここ数年続けていたので、最初はまあまあしんどかったです。
◆と◇で分けたのは、今思うと効果があったのは◆、なかったのは◇です。僕の使い方が悪かったかもしれませんが。
新サービスの芽が見え始める
そうしていたときに、ある友人と話していて
「INSTのSMSとウチのこのサービスと組み合わせて、こういう座組で売れませんかね?」
みたいな話が出てきました。BPOとSMSを組み合わせて面談呼び込みの部分をまるっと引き受けるという座組でした。
加えて、SMSの影に隠れてはいたのですが、SIPサーバーを使ったクラウド電話サービスの「INST Voice」に目をつけました。INST Voiceは2006年に開発したサービスだったのですが、SMSが売れたので、あまり積極的に提案していなかったものの、サービス開発以来ずっと使い続けてくれている企業が2社あり、いずれも上場しているTech系の企業。ということはこのサービスはinstの技術有利性があるのではないかと。
・SMS送信とBPOを組み合わせたサービス(他社とのアライアンス)
・INST Voice(クラウド電話)
の2つに絞って色々な会社に提案を始めました。
結局、SMS+BPOのサービスは実りがなく、今はもう提案もしていないのですが、営業のフックとしては抜群によかったのと、面談呼び込みの部分の人手不足感を感じているという現場課題を捉えるのにとても役立ちました。
INST Voiceの方は「こういう会社に営業したら売れるだろうな。。。」という構想はあったものの、なぜかアウトバウンド営業をしてこなかったのをプライドに持っていたので、アタックリストがめちゃくちゃありました。LinkedInのSalesNavigatorを使ったりもしましたが、結局は「繋いでもらえそうな人に紹介をお願いする」という超古典的な作戦で、結構な数の大手企業アポを頂戴しました。ご紹介いただいた皆様、ありがとうございました。
INST 3BD、リリース前に初受注
SMS+BPO、INST Voiceの営業をしていると、集客後の架電や商談獲得に課題感を感じている会社が多いということがわかってきました。
理由は様々あるにせよ「WebCV後の即対応」がなかなか出来ていないということに課題がありました。
前述したINST Voice(今は新規提供中止してます)を使えば、Webエントリーがあったあとにすぐ電話を接続するということもできるのですが、INST VoiceはAPIのみで提供していたサービス(なのでTech系企業にしか導入されなかった)だったので、instのクライアントの多くは人材系企業です。なかなかAPI利用についてはハードルが高いイメージを持ってしまう傾向もあったので提案ができずにいたのですが
INST Voiceをリパッケージしよう
ということを決めてすぐに開発に着手しました。
加えてINSTが得意としていたSMSとも組み合わせることで、
・電話をする
・出たら通話を転送する
・出なかったらSMSでフォローをする
という機能をパッケージ化して、販売することにしました。
開発が終わる段階から営業資料だけで既存顧客に営業すると、SMS送信サービスの顧客第一号だったお客さんからリリース前だったのに「面白そうじゃん、やってみるわ」と即発注をいただき、更に開発を急ぎましたw
リリース→頻発するエラー&足りない機能が山積み
そして、なんとか2024年6月にINST 3BDの初納品を迎えました。
SMSのときもだったのですが、最初は色々エラーが出ました。間違った人に電話がかかるということはないようにしたのですが、転送したつもりの電話が切れたりとか、フォローのSMSが送られないとか、通話ステータスがシステムに正常に反映されないとかのエラーも出ました。
こちらのお客様は2005年のSMS配信サービスを初めて提供したときにも4000通SMSを送ってもらって3000通が途中処理エラーで止まって送られない、という失態を犯したinstを寛大に「最初だからねw」と許してくださった企業様でもありましたので、今回もまた大目に見てくださいましたw
そしてその1社にご利用いただく中で、通電率はあがるものの「こういった機能が欲しいね〜」とかいろいろとディスカッションさせていただきながら、機能も随時CTO中心に修正し、なんとか必要最低限の機能と正常安定稼働が出来てきた段階で他の企業様にも案内を始めました。
このときはまだ前述して◇をつけた経営者マッチングサービスもやっていたので、いろんな業種の社長にINST 3BDをぶつけてみました。そういえば2社ほどそこから受注したからあのマッチングサービスは◆だったかもしれない。
※けどその後色々あって、総合はやっぱり◇ですわ。
すんなり導入になるケースとそうでないケース
新サービスなんてそんなもんかもしれませんが、すんなり導入に至るケースと導入にめっちゃハードルがあるケースがぱっくり別れました。多くの企業で興味は持ってもらえるものの、システムやオペレーション上の理由で導入できないという会社もあったりしました。が、そこの機能開発をしていくよりも、今ある機能で受注貰えそうな会社をとにかく探しまくって営業しまくりました。
ポツポツと受注は入っていたので手応えを感じられてきたのはこの頃です。6月に初納品して7-8月くらいですかね。
実はこの段階で「時間内は即電話対応できてるから時間外の対応機能を充実させて欲しい」というリクエストをいただいていたのですが、足元の開発があったので若干後回しにしてその機能は11月にリリースしたのですが、時間外対応機能の充実以後受注スピードが上がったので、もっと前倒して開発しておけばよかったのかもと今振り返ると反省点の一つです。
時間外の応対については、先日ウェビナーも開催したのですが、なかなか手を付けられていない会社が多い中、INST 3BDを使うと時間外・土日の応募者の2-30%からアポが取得できるという結果がいま出ています。しかも「無人」でです。人を介さずAI音声+SMSで。ご興味あればぜひお問い合わせくださいw
で、この時間外応対が結構ウケ始めて、問い合わせも増えてきて受注ペースが上がってきた、というのがこの1-2ヶ月くらい、というところです。まだまだSMSの売上規模には全然届かないのですが、できれば11期中にINST 3BDをSMSの売上を上回るくらいのサービスに育てたいな、と思っています。
仕事って結構楽しいなと改めて思った
社長の仕事ってなんなんだろう?とAIに聞いてみたらなんというかわかりませんが、会社経営という文脈で書くと会社を存続発展させていくことなわけで、instのような小さい会社ですと世の中に価値を提供して、その価値に見合う対価をいただき続けるということなわけです。
SMSが売れてたときは「座布団最高やわー」とか「釣りに行ってもチャリチャリ売り上げあがるのって天才じゃね?」と思ったこともあったわけですが、10期の頭は大幅赤字からのスタートだったのでそんなことは言ってられず、
売り上げ作らないと会社潰れるわ
という状態だったので、それこそ色々がむしゃらにやりました。
幸いに新規開発したサービスも順調に売れ始めてきており、1-2年前だったら仕事のアポより釣りの予定を優先していたかもしれないのですが、「あ、この日釣りに行けるかも。。。」と空けておいたスケジュールにお客さんからアポが入ると釣りを我慢して商談や打ち合わせをするようになりました。俺、偉いな。
自分が考えたサービスを「良いですね!」と褒めてもらって、「やってみます!」と発注をいただいて、「成果めっちゃ出たんで知り合い/別部署、紹介してもいいですか?」と言ってもらえる最近の毎日は、それこそ沖縄のGTに夢中になっていた2020-2021年と同じくらい楽しく充実してて、今は釣りより仕事のほうが少しだけ楽しいという謎の逆転現象が起きております。
ということで、こちらが赤字転落したinstが新しく開発・リリースしたINST3BDの誕生秘話となります。来年の今頃はどうなっているのか、全くわかりませんが、第10期の仕事納めということで、久しぶりにブログを書いてみました。
それでは!
来期もinstをよろしくお願いします!
Podcastも聴いてくれよな!
今日のサムネは以前も期末に書いた振り返りブログでも使った「振り返り」の写真 by Snapmartです
時間外のWeb問合せの1次対応を完全自動化!
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営業時間外は即電話出来ていても、時間外の問合せには翌日9時に一斉対応。
その対応、INST 3BDにまかせてみませんか?