採用の「スカウトシフト」に思うこととこれから起きそうなこと

inst石野です。

 

世は空前の求人難の時代となり、リクナビのN5を出しておけばボコボコ応募が来たのははるか昔。

今ではカジュアル面談やら採用広報やらビジネスSNS(?)やらをフル活用しつつ、結局の所「スカウトサービス」を使わないことには求める人材を獲得することが難しくなってきております。

inst社としては創業以来の累計採用費用(何かのサービスに支払ったお金という意味)は0円なわけですが、それは特異な例と認識をしておりまして、ということは約7年弱、採用関連サービスを全く利用していないということに他ならないわけです。

ので、まあスカウト全盛期というのも周りから聞いている話なわけですが、いわゆる採用活動が「広告」から「スカウト」へシフトしたのは間違いなさそうなので、それに関してと、これから起きそうなことを考察してみようと思います。

 

ビズリーチは求人広告の限界点を見据えていたか?

「The スカウトサービス」といえば、今や国内最大規模の採用スカウトサービスとなったビズリーチを思い浮かべる方も多いと思います。もともと非人材系出身の南さんが立ち上げたサービスで「人材採用活動のパラダイムシフトを起こす」的なことをおっしゃられていたように記憶しておりますが、彼らビズリーチが見据えていたのは「求人広告の限界点」ではないかと思うわけです。

そもそも求人広告というのは、求人広告掲載費を各社から集めた媒体社が、その費用を集約し大きな資産として集客のための広告や施策に投入し、集まってきた人を求人広告掲載費を支払った各社に再分配するというビジネスモデルなわけですが、労働人口減に伴う採用難が進んだり、採用各社の欲しがる人材が偏ってきたりして「欲しがられる人材を充分な数、集められなくなった」という状態になってギブアップしてしまったわけです。これがいわゆる「求人広告の限界点1」。

限界点を超える前後から起きていたのは

・欲しい人材からの応募がない
・欲しくない人材からの応募しかない

という現象です。今まではそういった場合でもオプションバナーやらメルマガ広告やら、デカイ枠やらでなんとか「求人を見てもらう」ことが出来、ある程度は有効な応募が獲得できていたものの、もはやいくら金をかけても欲しい人材に求人広告を見てもらうことが不可能になってしまいました。「求人広告の限界点2」ですね。

これをいち早く感じていたのがビズリーチなのではないかと思うわけです。

 

応募者獲得をティッシュ配りに置き換えてみるとわかりやすいかも

「ご自由にお持ちください」とティッシュを街角に置いておいても減らないとなったら、皆さんはどうしますか?

人を雇ってティッシュを配らせますよね。これがスカウトメールに該当するのだなと僕は思っています。置いておくのは求人広告を出しただけです。

ティッシュが減らないのはティッシュを欲しがる人が少ないからなんですよね。

スカウトメールというのも、僕が人材紹介をやっていた10数年前から普通にあったサービスではありましたが、今ではもっと採用が難しくなってきています。ここでスカウトサービスの性質が2つに分かれまして

1.とにかくたくさんティッシュを無尽蔵に配って、いつか受け取って欲しい人が現れるのを待つ

2.限られたティッシュを特定のターゲット(受け取って欲しい人)を見極めて配る

まあどちらが正解ということは無いと思います。1は自動化したりバイトでも良いかもですが、2を行うためにはある程度の配る人の人選や教育が必要になります。コスト面だったり方針によってティッシュ配りの方法を使い分けるのが良いでしょうね。

ティッシュを受け取ってもらいたかったら、置いておくだけじゃダメです!自分で配らないと!というのがいわゆるダイレクトリクルーティングなわけですね。

 

求職者の意識はそんなに変わらず?

求人媒体が限界点を迎えたことによって、今までは

選ぶ側:企業
選ばれる側:求職者

だったのが

選ぶ側:求職者
選ばれる側:企業

になってきたわけです。まあ相思相愛でなければ採用にはならない、というのは今も変わらずなのですが、よく企業内で言われていた「迷ったら採用するな」は、いまや「迷ったら採っておけ」になっていることでしょう。

これによって起きそうなのが個人の意識変化なのですが、実はそうでもない説もあります(どっちだw)。

スカウトサービスも求職者を集めなくてはいけないわけですが、その際に射幸心を煽って「ハイスキルなあなたはスカウトを待っていれば良いのですよ」とマーケティングをしているわけで、勘違いをしたハイスキルでない登録者も「あ、俺ハイスキルなんだ」と勘違いしたりするケースはもちろんあるでしょう。

ただ、これによって横柄な求職者が特に増えないのは日本人特有の奥ゆかしいところというか、礼儀正しいところだったりするのかなと思います。ハイスキルな人は自分のことを「ハイスキルだ」と言わないわけで「選べる側」になっていても賢く「選んでもらうための努力」をするわけですな。

 

採用は金だ!ではなくなったのでHRtechが流行った

今までは「採用に必要なのは金だ」でなんとかなってたのが、前述したように求人広告が限界点を超えておりますので、各種サービスがいろいろな「採用に必要なのは採用広報/社長が頑張ること/スカウトだ」みたいに色々唱え始めて増殖したわけです。

ちなみに、どれが正解で、どれが不正解ということもないかなと思います。

例えば、さっきのティッシュ配りで「たくさん配ることを頑張る」という意思決定をして、日時の送信数をKPIにしてガンガンスカウトするのも一つの手法ですし、それで採用ができている会社が存在するのも事実です。

社長が頑張って採用に携わって採用できている会社もあるでしょうし、ビジネスSNSやカジュアル面談を活用して採用を成功させている会社だってあります。手法が多様化してきたのでHRtechの会社が沢山増えてきたのでしょうね。

群雄割拠のHRtechサービスも、じゃあそのうち何かに集約されるのか、というとそうではないように思います。社内リソースやRPO会社の活用含め企業の置かれている状況は様々ですし、結局の所好みの問題になるのかなと。まあ僕が某ビジネスSNSを利用しないことだけは自明なわけですが。

 

採用担当に求められる能力の多様化と役割の切り出し

僕が人材紹介をしていた2007-11年位は人材紹介会社出身の採用担当者が多くいたような気がします。ある程度の規模感のITベンチャーなら必ずいた言っても過言ではないくらい。僕の個人的分析ですと、当時は人材紹介会社出身者はたくさんの応募者や面接調整をこなしていくオペレーション能力が評価されていたのではと思うわけですが、今はもしかするとそうではないかもしれません。

採用担当に求められる能力が、多数の応募者や面接、エージェントをマネジメントするオペレーション能力というよりも、しっかりと個人をグリップできたり、企業の魅力を知ってもらうための広報活動だったり多様化してきたのではと。

とは言え、各種能力をバランス良く保持した万能採用担当を採用したり、担当領域に強い担当を何人か配置したりするのも、これもまた採用難の時代で難しいので、外出し出来るところは外に出す。なのでRPOの会社や、フリーランスで採用代行をしてくれる個人などが増えるというわけですね。

スカウトをRPAで自動化するみたいなサービスもたくさんありそうですが、スカウトサービスの方針が

2.限られたティッシュを特定のターゲット(受け取って欲しい人)を見極めて配る

の場合には嫌がられてRPO禁止だったり通数がそもそも限られたりみたいなことがあるのも自然ですが、結局そこをアウトソーシングしたりバイト雇ってやっていたりしたらあんまり変わらないと思ったりもします。

 

今後起きそうなこと・必要になりそうなこと

1.ちゃんと自社に合った採用手法を確立する

まあこれは移り変わっていくのかもですが、自分たちなりの勝ちパターン、「これなら採用が出来る!」というのを確立しないと話にならなそうです。誰かがこれをやってるからこれをやる、このサービスが良いらしいとかそういうレベルの低い話をしているようではダメでしょう。

なんせ「これをやったら大丈夫」というのがなくなってきているのが実情ですので、ありとあらゆる手法やサービスを試し、限られた採用担当リソースの最適化というのは必須になりそうです。まあinstのように「あまり採用しない」という意思決定をして業務の効率化や少人数でも戦える組織を作っていくのもアリだとは思います。

 

2.独自集客ができない紹介会社の淘汰?

現状、採用する事業会社も紹介会社も使える求職者DBはほとんど同じで差がなくなってきているので、独自集客ができない紹介会社は淘汰されていく可能性が高いのかなと思います。

というか、同じDBで集客をしている紹介会社をアウトソーシング先的に使ってコストが見合うという判断をする会社が多ければそのまま残るかも知れませんし、RPO事業者が増えることで「コスト高くね?」と気付く人たちが増えれば潰れたり、紹介からRPOに切り替える会社も増えるんじゃないかなと。

逆に個人エージェントはこれまで「推薦できる数が少ないから」的な理由で蔑ろにされてきたこともあるかもですが、自社集客ができるという強みがある個人エージェントは自社の企業規模問わず大事にお付き合いをしていくべきでしょう。

 

3.RPO事業者めっちゃ増える

個人のフリーランス・事業会社含め、RPO事業者は今も増加傾向とは思いますが、めちゃくちゃ増えるのではと思います。前述したようにDBへのスカウトやって紹介してみたいな業務は外部リクルーターとほぼ同じ役割を担うわけですので、1人だと紹介免許とるの厳しかったけどRPOなら免許もいらないし、紹介手数料ドカンよりも月の人工(ニンク)で収入もらえるし、と独立する個人も増えそうかなと。

こういう外部リクルーターマネジメントのためのシステムとかノウハウ持ってる会社は強いだろうなと思ったりもします。

 

とまあちょっと業界もっと詳しい方には「石野浅いよ」と言われたりしそうですが、ドキドキしながら久々のHR系ブログUPとしたいと思います。

 

それでは。

Kosuke(ご意見あったりしたらぜひTwitterで〜怖くないよ〜w)

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