エンエージェントの6ヶ月後の独立を前提とした契約社員募集広告についての考察

こんばんわ、INST石野です。今日は少し遅目の更新です。

インテリジェンスマフィアの記事は多方面から非常に多くの反響を頂きました。本当にありがとうございます。

今日は、人材紹介コミュニティの中で平田さんより振られましたので、今回はエン・ジャパンさんのこの募集広告について考察して書いてみたいと思います。

要点をざっくりまとめると

・月給40万円以上の高額給与の契約社員募集
・6ヶ月間エン・ジャパンさんの紹介事業部の中で人材紹介のノウハウを学ぶ
・6ヶ月後はエン・ジャパンさんのサポートの上、独立をすることを前提

これは、おそらくですがエン・ジャパンさんが人材紹介事業をFC(フランチャイズ)展開するということで間違いないのではないかと思われます。

この仕組は、カレーショップCoCo壱番屋のブルームシステムと酷似しております。

ブルームシステムとは

・まずはカレー屋経営のノウハウをCoCo壱番屋の社員として学ぶ
・その後独立開業ができる
・独立後のロイヤルティは必要ない

というものです。詳しくはよくわからないのですが、CoCo壱番屋はFCからのロイヤルティなしとのことなので、おそらくは、仕入れ材料の指定やシステム利用料などで利益を得ているのではないかと推測できます。

エン・ジャパンさんもロイヤルティ収入およびenの媒体の利用料などを独立した方からの収入として想定されていらっしゃるのではないでしょうか。

エン・ジャパンさん/CoCo壱番屋さんの独立支援システムの最大のメリットは「サービスクオリティの担保ができる」というところでしょう。まずは自社雇用して訓練して、一定のレベルに達しない(職務適性がないとかあまりにも真面目ではないとか)の方には、いわゆる「のれん」を渡さなければいいだけですからね。

人材紹介業も飲食業も参入障壁はあまり高くなく、独立開業される方が多いですね。コンビニエンスストアとかも似てますね。ですが、反面廃業も多い。人材紹介もおそらくは免許の取得と廃業ですと毎年数千単位での新規取得と法人の廃業があるのではないでしょうか。「儲かりそうだからやってみよう」とやってみても、そうそう美味い話はないということです。

人材紹介のフランチャイズは話のネタとして耳にすることも多いのですが、いわゆる内部を見ると紹介事業免許の名義貸し(確か禁止されていた気が)とイコールになるケースが多いようで、法的に限りなく黒に近いグレーと認識しておりましたが、おそらくエン・ジャパンさんはその辺りクリアにされているのでしょうね。

募集広告の中でも

大卒以上 <下記いずれかに該当する方>
■法人向けの営業経験をお持ちの方(課題解決型の営業経験をお持ちの方を想定しています)
■人材紹介業の経験をお持ちの方(人材側・企業側・両面など担当されていた業務は問いません)

◎「いま以上に価値提供できる、真に意義のある人材紹介サービスとは何か?」を模索し、具現化していくことを使命としています。この姿勢に共感いただける方、実現に向けて共に打ち込んでくださる方を私たちは求めています。

とありますので、完全に未経験から人材紹介で独立したい人を集める気はなさそうです。ちなみに僕はこの両方を満たしていますね。応募したら採用されるのでしょうか。試しに「エンジャパンの独立前提求人に応募してみた」とかやってみても面白いかなと思いましたが、超ひやかしになってしまうのでしないことにします。Web応募でNGとかにされても凹みますしw

 

さて、人材紹介のフランチャイズ化について、メリット・デメリットを考えてみようかと。

ステイクホルダーが4つになるのでグラフにしてみました。まずはメリット。

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普通に考えてメリットはたくさんありそうです。募集企業にとっても求職者にとっても。専門性が高い職域や、なかなかenさんが事業所を出すのをためらうようなエリアでもサービス展開は出来そうです。。

最大のメリットはFC元の事業規模コントロールが容易になりそうな点ではないかと。御存知の通り人材採用に関するサービスは景気の影響を大きく受けますので、FC網を張り巡らすことで、自社雇用社員の首切りとかをしなくてはいけない、という最悪の事態は避けることが出来そうな気がします。トカゲの尻尾きりみたいなもんですけどね。

 

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逆にデメリットの方も結構あります。おそらくいろいろ防止策を取られているのだとは思いますが、他のFC都のバッティングが1番めんどくさそうです。「さっきもenジャパンさんの人には説明したよ!」とか「もう何回も登録面談いってるよ!」とか。この辺は地域でカットするなりエリアでカットするなりするのでしょうか。

少なからず、独立後もenのカンバンを背負って人材紹介事業をする(enの社員ではないよ、とは言うのかもしれませんが)と思うのですが、サービスを受ける募集企業と求職者にはそのサービスが本社直営なのかFCなのかは関係ないことです。FCがやらかしたヘマはすべて本体の評判に関係すると。

 

また、Facebook上でのコメントにもありましたが「たった半年で人材紹介ビジネスマスターして独立できると思ってるのか」的なことも気になりますね。でも、それは様々でしょうし、ある程度のレベルにならないひとにはのれんを渡さなければいいだけなので、その辺はエン・ジャパンさんがしっかり管理監督してくれることなのでしょう。

付け加えるとエン・ジャパンさんの狙いは自社での優秀社員の雇用というのもあるでしょうね。「独立したい人、集まれ」的な募集広告はFC展開されていない会社の新卒・中途採用の文言でもよく目にします。景気が良い今は、人材ビジネス企業は「社員さえ雇用できれば業績は上がる」という世の中でしょうから、自社採用にメスを入れる意味合いもありそうです。

 

と、まあ分析としてはこんな感じでしょうか。真偽の程はわかりませんが、あくまで一個人の意見として。この事業はHR新規事業統括部というところが担当しているとのことですが、僕にインタビュー記事書かせていただければ結構募集集まると思うんですけどね、ぜひご検討くださいw

 

それでは。

Kosuke