エン・ジャパンの新規事業のcocokuriがいろいろすごい件
エン・ジャパンが立ち上げた(正確には子会社で)新規ビジネスが僕の中で話題に。
皆さんは、かつてサービスのTOPページでお坊さんが座禅を組んでいる画像をみたことがあっただろうか?僕はなかった。
個人的に仲良くしている(変な意味ではない)、美人すぎる執行役員こと水野さんから、「新規事業やるんですよーお坊さんと」と触りの部分を聞いてはいたが
は?お坊さんと新規事業?
頭おかしいんじゃねえの?
というのが正直最初の印象だった。だが、少しずつ話を聞いたり、立ち上がったサービスをみて「ほほう」と納得するところも多かったので今日は書いてみようと思います。
ココロをクリエイトする、でcocokuri
このサービスは教育研修系のサービスにカテゴライズされる。ただ、切り口が斬新すぎる。
”ココロ”を鍛えましょう。というコンセプトを座禅や瞑想、そしてお坊さんと共に限りなくスピリチュアルに打ち出している。
ストレス耐性を鍛えるために超圧迫の缶詰タイプの宿泊研修を新卒時代に受けた事がある僕的には斬新すぎる切り口だが、サイトを見てみるとメソッドは八生道というものをもとに作られているようで、フレームワークもかなりしっかりしているようにみえる。
真ん中の「八正道」というキーワードがなければ、普通の教育コンサル会社のフレームワークですといわれても不自然な感じではない。というか、すごくまっとうだ。これは僕自身「宗教や信仰はビジネスと切り離すべき」という概念を取っ払わなくてはならないかもしれないと思った。
社内新規事業の鉄則を守り、ビジョンからブレてはいない
大企業が新規ビジネスを行うときに、幾つかの鉄則がある。その中で最も重視されるのが「既存リソースを活用する」ということだと思う。簡単に言うと全然畑違いのサービスを新規事業として始めるよりは、関連分野や営業網が利用できるサービスのほうが失敗はしづらい、ということ。
エン・ジャパンはご存知のように求人広告を中心とした採用関連サービスを提供しており、企業人事に対して強い営業網を張っているので、販売先が「人事」となる教育系サービスはまあ案内はしづらくないかなと。
特に「入社後活躍」(だっけ?)と打ち出しており、そう考えると他の「入社がゴール」の人材系企業と異なり、教育や研修関連サービスとも相性は悪くないはず。
このあたりは奇抜な打ち出しに見えるcocokuriだが手堅くやっている印象を受ける。
研修のタブーだった「定量的な効果測定」をバズワードの「IoTデバイス」で
特に僕がすごいと思ったのはここ。
JINSのJINS MEMEを使って、マインドフルネスの習得によって高まった集中力を測定する、という。
※なんか開発秘話みたいなのに知り合い出てるとウケるw
まあホントに測定なんてできんのかよ、というツッコミもありそうだが、研修系のサービスの多くは「その後実践をすること」が目的になっているはずなのに、「研修を受けること」「研修を受けた、という事実」が目的になっているケースも少なくない。
また、研修の効果は極めて測定がしづらく、研修終了後のアンケートとかで満足度を調査したりするわけだが、あの設問設計も「研修を受けてよかった!」というように仕向けているように思える。まあ研修受けた直後はある種マインドコントロールされてるようなものだし、「満足しています」という結果になるのは当たり前なんだけど。
メガネ、いやIoTデバイスを活用する、ということで旬のワードも挟んでいる。
とまあ、新規ビジネスを立ち上げるときの鉄則は抑えているし、あとは顧客企業にこのマインドフルネスがどのくらい受け入れられるのかがエン・ジャパンの腕の見せ所だろう。できそうもないのにオープンイノベーションとか浮ついている例のヤツよりは全然可能性がありそうである。
僕だったらtoCよりもtoBに1年は注力
サイトを見ると、個人で受けられるものと、法人向けのプログラムもあるようだ。
自己啓発系?という感じに捉えるとtoCのほうが相性は良さそうだけど、なかなか母集団形成は難しいだろう。エンの旗艦事業であるエン転職やミドルの転職の利用規約をしれっと変更して、会員DBに
「あなた、IT業界で働いてますね?鬱になる前にマインドフルネスいかがですか?」
と一斉配信すればある程度申込はありそうだけど、おそらくクレームやブランドイメージの崩壊を恐れてそこまではやらないだろう。
とすると、警戒しやすく、1shotのセールスの単価が安い個人よりも、面と向かって説明できて、売れればでかい法人向けのプログラムをなりふり構わずに売りまくる、というのが良いだろう。個人向けならWebマーケで予算ガンガン使わないと厳しそうだけど、法人向けならエンなら人事の名刺いっぱいありそうだし。
もう一つ注目の理由
この事業に注目している理由がもう一つある。
なんと!コーチを担当するお坊さんの中に、高校の野球部の先輩がwww
コレは焦るw
ということで知り合いも多いこの事業、個人的に応援しております。
それでは。
Kosuke