業務効率を上げやすい会社、上げにくい会社
INST石野です。
世の中、SaaSビジネス全盛期、というような感じで業務改善、仕事の効率化などを謳い文句に様々なITサービスが世に生まれ、それぞれ支持を得ています。
INSTも主にはBtoCコミュニケーションにおける「連絡が取れない」という状態を、SMSやクラウド電話で解決するというモデルをSaaSとAPI提供にて行っているわけで、日々業務効率を上げたい会社の方々と商談をしているわけですが、SaaS導入云々というところ以外に、業務効率を上げやすい会社と上げにくい会社があるなと思いましたので今日はそれについて書いてみようと思います。
業務効率を上げる目的は絶対的生産量を増やすため
そもそも、業務効率を上げる目的はなんでしょうか。まあ営利活動をしている株式会社で業務効率を上げる目的といえばもちろん売上と利益を上げるためですが、そのための絶対的生産量を増やすのが目的ではないかと思います。
わかりやすく言うと今まで100個の製品を作るのに1時間掛けていた工場の業務効率を上げる、というのは100個の製品を作るのに30分で終わらすということですよね。時間は誰にも平等なので1時間で200個作れることになり業務効率が2倍になる。そうすれば、仮に全部の製品が売れたとすると売上が2倍になるので、業務効率UPのためのコストにどのくらい掛けられるのか、というような試算がされてGoするのかPendなのかが決まるわけです。
実際は空いた30分で他の仕事をしたり、人件費を半分にしたりと200個作るだけではなく、いろいろ選択肢があるわけですけどね。
ですが、売上を上げる方法は業務効率UPだけではないわけですよね。値段を2倍にすれば生産量が上がらなくても売上は2倍になるわけですから。でもなんの改善もなく値段が2倍になってしまうと、よほどの競合優位性がない限りは買われる可能性が下がってしまうわけで、じゃあやっぱり業務効率を上げるのは大事ですね、ということになるわけです。
「よほどの競合優位性がない限り」というのが後でポイントになります。テストに出ますので覚えておいてください(笑)
業務効率を上げやすいのは分業制が進んでいる会社
業務効率の上げ方はいろいろありますが、業務効率を上げやすい組織というのはある程度の分業制が進んでいる会社ではないかと思っています。
漢字書き取りの宿題をやる時に「俺は”へん”だけ書くから、お前は”つくり”を書け、そのほうが早い」という思考を巡らせ、友達と宿題の効率化を行った方もいらっしゃると思います。漢字書き取りをやる目的を見失っていることは間違いないですが、そうすることで早く書き取りが終わるのは事実ではないかと。
なので、業務効率をUPする一つの方法は分業制なわけですね。なので会社にはいろいろな職務や役職があるわけです。ですが、会社を経営する最小単位は1人なわけで社長が経理も人事も総務も営業もマーケもやってる(まさに僕w)会社なんてたくさんあるわけです。ですが、それを効率化しようということで、様々な職務の仲間を雇ったりするんですね。
そうしますと、各自の職務の中でもタスクがどんどん分けられるわけで、そのタスク処理を早めるためにツールを導入したり、アウトソーシングをしたり、自動化をしたりということができるようになって業務効率化がしやすくなっていくわけですな。
オーナーシェフ1人の店を選ぶか、スシローを選ぶか
例えば、オーナーシェフ1人で切り盛りしているレストランがあったとすると、たくさんの人数のお客様に美味しいお料理と行き届いたサービスを提供するのは難しいでしょう。ですが、顧客を選ぶ、ということを行えばサービスの満足度は高くなると思います。もちろんシェフの腕が良くてサービスも良ければ、の話ですがw
逆に超効率化した飲食店はスシローのような回転寿司だったりするのではないかと思います。オーダーはタブレット端末ですので注文を聞きに来る店員も必要ありませんし、レールに回ってお寿司が提供されますので客席までオーダーを届ける必要もありません。お会計も1皿100円で皿の枚数を数えればいいという極めて効率化されたサービス提供組織と思います。
厨房の中は覗いた事がありませんが、積み上げられたお皿が回っていたり、シャリは機械が握っていると思いますので、かなり効率化・自動化されていることが予測されます
ちなみに蛇足ですがスシローで経営者友達のBizer畠山社長と2家族でスシローで食事をしたのですが、お酒は店員さんが運ぶオペレーションになっており、通常の顧客よりもオペレーションコストを使わせてしまって店員さんに申し訳ないことをしましたw(客単価は結構行きましたがw)
そんな畠山社長のBizerさんは偶然にもこの記事に関わりの深い業務効率化のためのプロセス&タスク管理ツールでたくさん導入実績があるBizer teamを提供されてます(笑)
話がそれましたがサービス提供側とするとどちらの形態をとるべきなのかは、経営者次第、戦略次第かなと思います。ですが、組織をスケールさせるという考えるとスシローを見習ったほうがいいということは賢明な読者の方はお気づきでしょう。ちなみに僕のおすすめは期間限定メニューの炙りカマスです。
「サービスが悪い」と見るか「企業努力している」と見るか
グルメな方は「スシローの寿司なんて寿司じゃねえ!」という方もいらっしゃるかもしれません。
寿司ってのはカウンターに座って、新鮮なネタをテンポよくビシッとした板前さんが目の前で一貫一貫握ってくれるものだ!
全然わかります。美味しさ、という点ではカウンター寿司には勝てないでしょう。ですが、効率化をしてくれたことによって、熟練した職人さんを採用しなくても平準化された握りが提供でき、多店舗展開することで大量仕入れを実現し仕入れコストを下げ、注文を受ける→運ぶを人間から機械化することによってあの価格でお寿司が提供できているのも事実ではないかと。
これをサービスが悪い、と見るか、企業努力している、と見るかはその人次第だとは思いますが、後者の視点を持つとより良いかなと思います。
今後人手不足によってサポートがチャットボットになる会社も増えるでしょう。訪問営業ではなくオンライン商談をするインサイドセールスも増えるでしょう。コンビニやスーパーには無人レジが増え、無人ジムのエニタイムが増え、そういう無人化、自動化の流れはどんどん進んでいきます。
人を採用するにはお金がかかります。もちろん自動化にも無人化のためのシステム・仕組み構築にもお金はかかりますが、多くの会社が人を採用し続けることに恐怖感を抱いている結果が、この流れになっているのは間違いありません。
競合優位性がない限り、値上げというのはかなり危険ですので、効率化をしてサービスの提供価格をキープするために皆さん企業努力しているというわけですね。極端に言うと無人化して無味乾燥な世の中になっていく傾向なのは少し寂しい気もしますが、片一方で金に糸目をつけなければクオリティの高いサービスを受けられるのも事実です。
皆さんそれぞれサービスを提供する立場、サービスを受ける立場両方が経験できると思いますので、こういった視点で色々見ていただけるとよろしいかなと思いました!
皆さんの会社は業務効率化がしやすい組織でしたか?そうでない組織でしたか?
Twitterやってますのでリプライや引用RTなどでぜひご意見などいただければ嬉しいです!
それでは。
〜あとがき〜
先日、フォーム営業迷惑よねってブログを書いた翌日にまた同じ会社からフォーム営業が来たのでその会社の提供サービスのTwitterの公式アカウントに「迷惑だからやめろ」と言ったらリストから外します、ということで謝罪いただきました。
これでまた来たら・・・
アイキャッチの写真は「食欲の秋」ということで食べ物をアーンしてくれている女の子をsnapmartさんから購入いたしました!