内定塾問題にみる個人向け情報ビジネスの闇について
inst石野です。
ブログ執筆リハビリ中でして、「あ、昔はこういうネタあったら記事書いてたな」というネタがあったので書いてみます!
さて。
情報はカネになります。
そして無知な人を集めることで効率よくその情報をもっと多くのカネを稼ぐことができます。
個人向け情報ビジネスの闇について書きたいと思います。
就活のプロを名乗るな
内定塾では学生の嘘を人事は見抜けないという前提で指導しているのかな?この界隈はやはりヤバい民族で構成されてますね。
【プロが指南 就活の極意】就活での嘘はありかなしか - 産経ニュース https://t.co/gupiIGLSuf— 三上俊輔(Shunsuke Mikami) (@mikamika8375) March 14, 2021
僕はジーニアス三上さんのこのTweetで知ったのですが、この「内定塾」の東京校代表の方がとんでもないことを言っています。就活で勝ち抜くため、面接で自分を売り込むために嘘をついてよいと。学生たちから金を取ってこんなことを教えているそうです。
仮に嘘をついて面接を突破して就職できたとしても、その後嘘がバレたらクビになる可能性だってありますし、期待して採用した会社側にも損害で誰も得をしません。得をするのは授業料もらってホクホクの内定塾だけです。面接では決して嘘をついてはいけません。言い方や伝え方の工夫をすることで突破できる面接はあります。そのためにテクニックを教えるのであればもちろん良いと思うのですが嘘をついて突破しては駄目なわけです。嘘つきは泥棒の始まりと教わらなかったのでしょうか?
内定塾にかかる費用は9-40万円ほどと決して安くありません。通う校舎によって違うようですが、ざっと見てみるとノウハウを提供してFC展開しているようですので、おそらくは全国規模でこのようなトンデモ就活ノウハウを教えていると考えて間違いはなさそうです。
まあ新田さんや三上さんも警鐘を鳴らしておりましたが、このレベルの人が就活のプロと名乗るのはマジで辞めてほしいですし、産経新聞ホントにこれ真に受けて掲載してるとしたら超やべえと思うんですけど。
社会に出たことがない学生に正しい知識を教えるのが大人の努めであって、嘘も方便とは言うものの、自身が面接を突破するだけの嘘をつくように教える内定塾とは本当にとんでもない事業・ビジネスだなと思います。まあもしこれが1--歩譲ってこの東京校代表の個人的意見だとしても、全国紙のWebメディアに出る際の広報チェックがないとしたらそれも危機的な状況の会社といって過言ではないでしょう。
信じさせればカネを払わせることは容易、無知な者は信じさせやすい
オンラインサロンしかり、情報商材しかり、極論をいうと悪徳宗教やオレオレ詐欺しかりなのですが「なんでそんなのにカネ払っちゃうの?」という人たちが結構います。
人は基本的に自分が正しいと思うものにしかカネを払いません。が、逆を返せば正しいと思わせればカネを払わせることが容易だということが言えます。
基本的に就職活動というのは一生に1回なわけで、就職活動を経験していない学生に、経営をしたりビジネスに従事している大人が「こうなんだよ」と言ったら「そうなのか」と信じ込ませやすいわけで。まあ僕から言わせてもらうと新卒紹介会社のキャリアコンサルタントのほうが100倍誠実というか。こういう学生や親に高いカネ払わせたり、恐らくカネを工面できない学生にはローン組ませてあげて授業料と金利で2度メシウマな構造になっているのではないかと思います。中途の転職活動でも個人向けのキャリア塾とかありますけど、まあ同じような構造なんでしょうな。同じく有料職業紹介のほうが全然クリーンではと。まあ個人的意見ですが。プログラミングスクールも玉石混交ですね。
ちなみにこれは持論ですが、人生の中で組んで良いローンは住宅ローンだけです。それ以外にローンを組まないと購入できないものは身の丈にあっていませんし、良いようにぼったくられるだけですので絶対にやめましょう。
内定塾に金払うような人を採用したいと思う会社は少ない
これも個人的な意見になりますが、僕は内定塾やキャリア塾にお金を払うような人は採用したくありませんし、このブログを読まれている読者の多くも、そう思う人が多いのではないでしょうか。少なくとも内定塾に通っています!というのはあまり胸を張って言えるようなことではないのではないかと。
語弊があるかも知れませんが、企業の人があまり積極的に採用したがらない偏差値の低い大学(いわゆるFラン)に通っていながら、なぜかマッキンゼーを始めとした戦略コンサルに入社したい!と目を輝かせるような学生がこういったビジネスのメインのターゲット、いわゆる鴨であることに懸命な皆様はすぐにお気づきになるでしょう。鴨がネギ背負ってくるどころか、自分の羽根全部むしったうえで出刃包丁と鍋とネギと豆腐と調味料持参でやってくるようなもんです。
そして、そういった学生が「いや、お前ら絶対コンサルじゃないし。100歩譲ってもコンサルティング営業っていう名のどぶ板営業じゃんw」みたいな会社に就職して「内定塾のおかげです!」みたいに次の広告塔になってnext鴨を電飾看板のように引き寄せてくれるのでしょう。
まあ中には有名大学出身であったり、一流企業に就職成功するような卒業生もいるのでしょうが、その人達は別に内定塾通わなくても就職できたんじゃない系の事案が多いのではと思うわけです。
本気で善意でやっています!と言われたら否定しづらいのがポイント
あとこれ系の情報ビジネスが成り立つというかタチが極めて悪いのは、運営サイドが「本気で善意でやっています」と主張したら、「それ詐欺やんwww」という事案も途端にまっとうなビジネスに見えてしまうところです。
就職活動で嘘をついていいと本当に思っているバカに本気でいい会社に就職をしたいバカが群がりお金を払う。
傍から見たらバカがもっとバカから金を巻き上げている状況に他ならないわけですが。本気でやっていて違法ではない以上「お、お、おう。本人たちが納得してるんだったらそれで良いよ。。。」と言うしかないわけです。とは言え巻き上げる側はバカではなく「バカは金払いがいい」と知っている小賢い人であることが多いわけですが。
某煙を排出するエクステリアの街のオンラインサロンなんかマジでそうですよね。オンラインサロンの会員はチケットを原価で仕入れて定価で売ることで差額を得ることができるとかで何十枚もチケットを少し安く買わされて結局捌ききれずに何十回も自分で映画館に通うハメになったとか。チケットの原価ってなんだよwwwって感じですよね。紙と印刷代?
構造的にはねずみ講やネットワークビジネスと全く同じなわけですが、ごく一部の人が儲かっているという事実もあり、法律に触れていないので存続し続けるというか。
個人的にはローンを組ませるような高単価な商材やサービスも「お金がないという理由だけで諦めざるを得ない人を救うために」と言ってしまうと途端に美談に聞こえてしまうので不思議なものです。
まあこれが僕が思う個人向けビジネスの闇の部分です。違法ではないが情報格差とモラルのバランスが取りづらいとでもいいましょうか。
インターネットの登場によって、情報の流通量が上がり、本当に良質な情報は無料ではなく有料で手に入れる、というような風潮になってきているような感じですが、もちろん有料の情報の中には素晴らしく良質な情報もあると思います。ですが、感覚値的にその含有率は10%くらいなのではと。もちろん今年40歳のおっさんの経験があるから良質かどうか判断できるというのもありますが。
実際のところ、超シンプルですが信頼できるリアルな友人知人先輩をどれだけ作れるかというのが人生では一番大事なのではないでしょうか。
そして、僕は合理性で勝負ができるBtoBビジネスを選んで良かったなと改めて思った次第です。
それでは。
Kosuke
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