「キャリアメール持ち運び」について、そこそこ事情に詳しい僕が解説しよう

inst石野です。

ブログ執筆のルーティン化中ですのでサクサク書いていきます。

Yahooニュースで取り上げられていたこちらの記事。いいネタ落ちてるじゃないの!

「キャリアメール持ち運び」というのは聞き慣れない言葉ですが

携帯回線契約の競争自由化を促進するためにキャリア乗り換えのハードルをなくそう

というコンセプトのもと行われる、いわゆるMNPと同様の施策です(MNP=Mobile Number Portability※携帯電話番号をキャリア間で相互移動できるようにしたもの※2006年から開始)。

 

携帯電話回線事業は総務省管轄の許認可制事業

携帯電話回線事業、いわゆる携帯キャリアビジネスというのは総務省管轄で電気通信事業法に基づいて行われる許認可制の事業です。

元々はNTTが国有化されて逓信省という省庁であった時代から、電電公社→NTTと民営化していくにあたって国が独占していた通信事業を民間会社に参入させることで競争を自由化させ、サービスの品質と価格のバランスを取っていこうという流れでこういった許認可制の事業になっています。

なので、

基本的に携帯キャリアは総務省の言うことを聞く必要があります。

注意や是正勧告などを無視してしまうと許認可を取り消されビジネスができなくなってしまったりするわけです。

 

 

携帯番号と携帯メールの乗り換えが可能になるとどうなるか

社会実情データ図録から引用

世帯ごとでみた携帯電話の普及は1990年代前半から始まり、2006年位には95%を超えています。

人口ごとの普及率は総務省データによると平成23年に100%を超え、1人一台以上の回線保有が当たり前になってきているわけですね。

そう考えると、もちろん新しく携帯電話を持ち始める人(例えば子どもとか)はいるものの、携帯キャリアとしては携帯電話の新規契約を取るというのはかなり難しくなるわけで

・用途別に2台目のデータ通信用サブ端末とかのニーズを探る
・他キャリアユーザーに自社への乗り換えを促す

くらいしか無くなってくるわけですね。

その際に、携帯キャリアを変更すると電話番号が変わるというのが乗り換えの障壁になっていたので、MNPによって携帯キャリアが変わっても使っていた電話番号が変わらないようにというのは非常に良い競争の自由化を支援する取り組みであったと評価はできます。

2006年当時はLINEもまだ全然リリースされておらず、SNSでのメッセージのやり取りもまだまだ普及はしておらず、メールと電話のやり取りが主流だったと記憶しています。当時はキャリアメール宛に

メールアドレスが変わりました。 ◯◯◯◯@docomo.ne.jp → □□□□@softbank.ne.jp になります!登録よろしくおねがいします!

というメール、届きましたよね。懐かしい。

今回の携帯メールの持ち運びというのは、携帯キャリアが変わっても同じメールアドレスが利用できるようにする、という総務省による通信サービスの競争自由化を促すための施策ということですが、果たして本当にそれがキャリア間をまたぐ回線契約の乗り換えを促進することになるのでしょうか。

 

ガラパゴス文化が生んだ日本のキャリアメール

instを創業する前の2011-2014年あたりで某携帯キャリアと一緒に仕事をさせていただいていました。当時はちょうどスマホやLINEが普及し始めて通話料収入が減り、パケホーダイの通信量上限いっぱい使うユーザーたちに回線が圧迫され、公式サイトの課金収入がどんどん減っていき、回線契約もどんどん他社に流出するという不遇の時代でした。

そんなスマホの普及が進む中でキャリアのメールアドレスについて、立ち話程度ではあったのですが「スマートフォンのキャリアメールアプリのアクティブ率は2-3割」という話を聞いた記憶があります。要は7-8割の人はdocomo.ne.jpのメールアドレスを使わなくなったということです。

考えればわかりますが、LINEがあればdocomo.ne.jpのメールアドレスにメールしなくて良くなりますからね。インターフェイスもだいぶ良いですし。

そもそもですが、先程のニュース記事の中にもありましたが、日本以外の国で携帯キャリアがメールアドレスを支給する国はありません。LINEやWeChatなどのチャットアプリ登場以前のテキストコミュニケーションツールはSMSが主流でした。

これが日本の携帯文化がガラパゴスと呼ばれる所以です。厳密に言うと携帯キャリアが端末も抱き合わせで販売するケースもかなりレアです。海外ではSIMフリーの携帯端末を量販店で買って、自分で利用用途に応じたSIMカードを購入して使うのが主流です。キャリアが携帯電話の端末料金を分割割賦で購入させるところなどほぼ無いです。

 

キャリアメールのせいで遅れてきたSMSの時代

2000年代前半で国内SNSで普及したmixi、GREE、モバゲータウンのアカウント認証には携帯キャリアメールの認証が不可欠であったと記憶しています。この認証は1人がアカウントを複数保有したりすることを防止するための、アカウントの一意性(ひとり※1回線につき原則1台)の担保のための認証なわけですが、現在は皆さんご存知のようにSMS認証で行われるケースがほとんどです。

というのも、SMSで認証するためには異キャリア間でSMSの相互接続ができないといけないわけですが、それが日本で行われるようになったのは2011年、わずか10年前なのです。携帯メールがあったので別にSMSが普及しなかったからというのが主な理由なわけですが、通常世界標準で異キャリア、異国間キャリアでも相互接続されるのが当たり前のSMSが日本国内で商用利用できるようになったのは日本ではまだ10年なわけです。

と考えると、一応instは結構老舗なわけですねw

10年しかないSMSビジネスに6年半くらいは従事しておりますし、僕個人は2013年から携わっているのでかなりのベテランなわけです。キャリアビジネスにも携わっていたのでこういった知識面も考えるとinstがSMSビジネスの会社になったもの自然な流れな訳ですね。

ですので、日本のSMSのビジネス活用は諸外国に比べてかなり遅れています。SMSは原則通あたりの単価が設定されている(携帯キャリアに送信費用を支払う必要がある)のですが、キャリアメールの送受信はパケット通信料だけで送れていたため、日本の商習慣上、携帯端末へテキストメッセージ送付で費用がかかるというのがあまり良く思われないというのも一つあります。

ですが、先述したとおりそもそも携帯キャリアメールの利用率が下がりすぎていて読まれない、レスがないということが深刻化してきたので有料でも良いからSMSを送ろう!というようになってきたのがこの5年ほどかなという印象です。

 

キャリアメール持ち運びは競争自由化に好影響?

総務省がキャリアメール持ち運びを実現すべきとしている根拠は、5000人に実施したWebアンケートである。そのアンケートによると、キャリアメールを週1回受信利用している人が67.7%、送信している人が37.1%いるとされており、持ち運びサービスを利用したいと答えた人の割合が74.1%であることから「一定程度のニーズがある」としている。

前述のネット記事内にはこうあります。該当するアンケートのソースが見つけられなかったのですが資料はこちらのPDFから確認できます。

携帯キャリア各社はメール転送などの設備投資が必要になるかつDB管理などの手間もかかることから難色を示しているようです。そもそも5000人のWebアンケートの設問や対象がわからないので判断できないのですが、恐らくは対象者がそもそもITリテラシーが低い層であったり、週1回以上受信/送信というのもキャリアメールを保有している人の中での割合で、利用希望者の内訳も「あるなら利用したい6割」「積極的に利用したい1割」くらいの割合なのではと推察してます。

まあおそらくもう回線サービスの競争自由化において、ある程度のリテラシーがあり電波の良い都心部が拠点になっている人はdocomo/KDDI/softbankの純正回線契約をしている人はそんなに存在せず、多くはMNPを利用してMVNO(格安SIM)を利用したり、携帯番号が変わることすら意に介さず自由に安いプランを選んだりデータSIM(通話ができない)などを利用しているのではないでしょうか。

そう考えると、まだ携帯回線契約をしてから一度も乗り換えを経験していないユーザー=ITリテラシーがそもそも低すぎて、なにかが変わることが不安でしかたがない層、と考えると一定キャリアメール持ち運び施策は携帯回線契約の乗り換えに好影響を与えるのかもしれません。

ですが、僕個人の意見で言わせてもらうと、そういう層の人たちって携帯ショップに行ってLINEの設定ができないだの何だの文句言ってる中高年になってくるわけで、自分たちで情報の取捨選択をして最適な携帯回線契約を選べるはずもなく、携帯ショップの店員の口車に乗せられて彼らが一番インセンティブがもらえるようなプランに着地させられてしまい、それは携帯回線の競争自由化とは程遠いのではと思ってしまう次第です。

 

商用のSMS送信について最後に書かせてもらいますと

・採用人事・人材会社での面談設定やリマインド
・不動産会社やクレカ会社での督促業務

などに活用されており、最近ではコロナ禍で在宅勤務が増えてきたことによりBtoBの営業(インサイドセールス)でも活用が進んできています

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それでは。

Kosuke

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