「品川の広告」の炎上について考えてみる

inst石野です。

 

「今日の仕事は楽しみですか。」

と書かれた広告が、品川駅の構内にあるデジタルサイネージに掲載され、わずか1日で掲載終了となった。

「楽しくないがやらなくてはならない仕事もある」「広告を見た人を傷つける」などとして配慮が足りないとの批判を受け炎上し、広告を出稿した企業が掲載を取りやめたそうだ。

 

「品川の広告」と言われて「ああ、あれね」となるというなんとも不名誉な事態だ。

「例のプール」と言われて「ああ、あのプールね」となるのとはワケが違う。

 

僕はこのニュースを見て、なんとも生きづらく窮屈な世の中になったものだと痛感した。

コロナウイルスの影響でマスクを外して外出するのが憚られるような状況よりも、よっぽどハードに窮屈だと思う。

 

結局はたいして燃えてない

広告を出向したのはNewsPicksとそのグループ会社”アルファドライブ社”ということで、いわゆるベンチャー村の住人であり、その界隈がTwitterで騒ぎ立てた→炎上した、という事になったっぽい。

いわゆるベンチャー村×Twitterの炎上を一度経験(?)した僕から言わせてもらうと、別にこの程度の炎上はせいぜい近所のボヤ程度くらいのレベルで全然大したことがない。その界隈に生息していない人からすると「え?燃えてたの」という程度である。

品川駅のコンコースを通過する人達の中にはベンチャー村の人々はあまり含まれていないような印象があり、堅い会社に勤めている人ばかりなので、品川駅で当該広告を目にしたのに全然気にも留めず、帰宅後のTVやネットニュースで炎上騒ぎがあったことを知ったというような人が多いのではと思っている。

 

◯◯に対して配慮が足りない→お前は◯◯なの?→いいえ、違います

今回はデジタルサイネージで品川駅コンコースを通る人、という場所に関連する属性の人達をターゲットに広告を出稿したのに、別に関係ない(品川駅に通勤しない)人達に「品川駅に通勤する人に配慮が足りない」と言われるのはお門違いではと、僕は思ったりしてしまう。出稿主も若干はそのサイネージを品川駅に通勤する誰かが写真に撮ってSNSでなにかコメントを加えて拡散してくれるのを期待していたとは思うが。。。

嫌なら見なければいいだけで、騒ぎ立てるから他の人も煽りに乗っかって行くと思うのだが。。。

 

上戸彩を起用すれば炎上しなかった?

調べてみるとアルファドライブ社はNewsPicksEnterPriseなどという、朝会の日経読み合わせ×社内SNSのようなサービスを展開しているようで、サービスの目的はニュース記事を起点とした社内コミュニケーションの活性化やナレッジ蓄積だったりするっぽい。

そうすると、別に「仕事楽しい?」と聞くのは、オロナミンCのCMで上戸彩が「元気ハツラツぅ?」と尋ねるのと対して差がないような気もする。文字のインパクトを出したかったのかもしれないが、楽しい?のニュアンスをもうちょっとポジティブなものにすれば炎上はしなかったのかもしれない。

あとは、緊急事態宣言が解除されて在宅勤務が解除された人が増えてきたというタイミングもあまり良くなかったと思う。かわいそうに、出勤しなくちゃいけないんだってね、その仕事って楽しいの?みたいなニュアンスで言われているような気がしてしまうかもしれない。

 

森さんのJOC理事おろしとよく似ている

こんなTweetも発見した。

実際見てみると、他社の広告や天気予報なども流れており、あのディストピア感満載の一面「今日の仕事は楽しみですか。」という表示になるのはほんの数秒。その文字も流れていって、広告主の意思が続けて書かれている。

多くの騒ぎを起こした外野たちは現地でこのサイネージを見ていないだろうし、このTweetの動画を見たら「お、お、お、おおう」と歯切れが悪くなること請け合いだろう。だって動画で見たら全然普通の広告だから。ディストピア感満載の静止画だけが切り取られて祭り上げられてしまっている。

これは、政治家の失言を部分的に切り取ってネットニュースが見出しで取り上げて視聴者を煽りPVを稼ぐのによく似ている。記憶に新しい森さんの女性蔑視発言も全体を見たらそんなに批判されるほど悪いこと言ってなかったりするみたいなあれだ。

フィギュアスケートのスピン中の必死な悶絶顔を切り取られて気持ちがいい選手はいないのと同じ。演技自体は優雅で美しいのに部分的に切り取ったらそうなるということもあると。

 

 

とはいえ調べてみると広告主のコンプラ意識も低そう

これまではなんとなくNewsPicks擁護派っぽいけれど、このブログを書こうとニュース検索をしていたところ、同社(NewsPicks)は過去にも広告でプチ炎上をやらかしてるっぽい。

「おっさん」がなぜかキーワードとして急浮上!さよならするか、おっさん力を信じるか

おっさんずラブが流行っていてキーワードとしての「おっさん」がキャッチーだったらしく、それを利用したが、おっさんたちにしたら「さよなら、おっさん」と言われたら、まあほぼ無条件でカチンとは来るw

おっさん以外の属性の人が過ごしている環境は、おっさんが居なくなることで快適さはほぼ確実に上がると思うので、良い広告なのかもしれないけれども、日本経済の大半を回しているのもおっさんで、そうなると決裁者の大半もおっさんなわけで、さよなら、と言われたらカチンと来る人は多いと。

こういう経験を3年前にしておきながら、大規模に広告を打つときのチェックはなかったのだろうかと。

こういった部分も朝令暮改が当たり前とされているベンチャー村の悪しき習慣が反映されてしまったところかなとなんとなく考察してみました。

 

それでは。

Kosuke

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