東京ディズニーリゾートが「高い」と嘆く人たちへ

inst石野です。

 

Xでこんなポストを目にしました。

 

 

 

 

まあ確かに気持ちはわかるし、言いたいこともわかります。

ので、ちょっといろいろ調べて書いてみることにしました。

 

ディズニーランドの入園料は40年で◯倍?

そもそもの議論としてですが、入園料はどのくらい値上がりしてるのか調べてみました。

僕が最後にTDRに行ったのは子どもたちが幼稚園生だったころなので、7-8年くらい前でしょうか。いくらだったかすら忘れましたが、価格推移をまとめてくれてある便利なサイトがすぐ出てきました。

このサイトによりますと大人料金は

1983年(開園時) 3,900円

2023年(最後の値上げ)10,900円

3倍弱くらいの値上げということがわかりました。

これに加えて、ディズニーファンの方が嘆いているのは

・ファストパスの廃止→アトラクションに並ばなくて良い権利は有料(1回2000円)

・年間パスポートの廃止→2021年(コロナ禍)から販売中止

によってコスパ良くTDRを楽しむことができなくなったということなんだと思います。ランドとシー両方行ける2パークの年パスだってたった10万円ですし、月に1回行けばまあ元は取れてしまっていたわけですが、今の入園料で普通にアトラクションも楽しみたい!となると入園料+アトラクションだけで2万は軽く飛んでいくことでしょう。

先ほど引用したポストを投稿していた方が仰るようにその日の気分で自由に楽しめるパークではない、というのは間違ってはいないと思います。家族で行ったら飯だのなんので12,3万は軽く吹っ飛ぶんじゃないでしょうか。恐ろしい。

 

経営視点で考えればかなり良い意思決定

ファン視点で考えると「ディズニー、そりゃないよ。。。ひどすぎるよ。。。」と思うのも頷けるわけですが、経営視点で考えるとこれは見事な戦略であると言わざるを得ません。

 

「ディズニーランドは夢を与える場所だろ!」という意見とかもありそうですが、運営元であるオリエンタルランドは上場している営利企業なわけで、慈善事業でTDRを運営しているわけではありませんから。潰れたら終わりですし、利益を出し続けて株主に還元しないといけないわけです。

 

まず、ファストパス(の有料化、というべきか)や年パスの廃止に関してはコロナ禍で入園者数に制限が掛かったことが大きな影響だと思われます。入園者数に制限が掛かるということはその分客単価を上げなくては経営はなりたたないわけです。

年パス購入者はそもそも都度払いより入園料が安く済むと画策している人が多いわけで、ジムの年会費みたいに「買ったけどあんまり行かない」という人は少なかったのでしょう。(※こういう人たちが多かったら多分販売続けている)

そしてアップセルの手段として「Time is money」。並ぶ時間を金で買わせる、というのも秀逸です。まあ僕は今はTDR行かないですが、並ばなくて良い権利が金で買えるならバンバン買うと思います。お金がない学生ではなくて、一応社長なのでw

とまあ、客単価を上げて客離れして閑古鳥が鳴いているという状況であったら経営判断としては間違っているわけですが、オリエンタルランドの決算情報を見ても増収増益、ということは客単価を上げるという経営判断は間違っていないということですね。

 

適度な客の足切りは必要である

パーク内の内容やサービス、アトラクションは新設されているものはあるものの、そんなに大きく変わらないわけなので、3倍弱の値上がりを許容できないファンが入るのはわかりますが、入園料が3900円→10900円になるというのは居酒屋宴会コース→カジュアルなレストランのフルコースくらいの価格差ですね。そりゃあ客層も変わるでしょう。

 

・来場のハードルを低くして広く遍く沢山のお客さんに楽しんで欲しい

・来場のハードルを上げて沢山お金を使ってくれる人を集客したい

 

方針が変わったのは明確だと思います。というか大体このくらいの値上げというのは日本のディズニーリゾートに限らず行われているわけで、グローバルで見ると普通なのかなとも思います。日本は物価が上がらず国家・国民が貧しいので、余計に値上げされた感覚が強いのでしょう。

 

足切りという観点だと、上記で抜粋した「ガラケーなのでついていけない」というおばちゃんのコメントが良く表していると思いますが、。ファストパスの代替となったプライオリティパスはモバイル端末利用/ID登録必要/園内でのみ購入可能ということで、「そういうのよくわからないわあ」というITリテラシーが低い人も足切りしてますね。

これが紙チケットだったら販売員の人件費も設備費も掛かりますし、説明したりするコストが莫大にかかりそうです。

価格帯は逆ですが、オンラインで申し込み完結できる格安SIMに近いかなと思いました。ITリテラシーが高い人達を集客してITの仕組みの中でビジネスをすることによってオペレーションコストを下げる→利益が上がりやすくなるという。ドコモショップでしか携帯が買えない、操作の方法がわからないという人はTDRの客ではなくなったわけですね。

余談ですが、instはITサービスなのでサポートはチャットのみ、商談もオンラインのみ(2017年から)というようにしていて、ある程度の足切りをさせていただいています。「ちょっと!使い方わからないんだけど!」と電話ガンガン掛けられたら少人数で効率よく経営できないわけですし。同じことです。

 

他の国のディズニーリゾートの入園料はどうなってる?

フロリダのディズニーワールドの入園料ってどうなってるんだ?と思って調べてみたところ、こんなサイトがありました。

1971年の開園時は3.5ドル!安!

日本のTDRと揃えると

1983年(TDR開園):17ドル

2019年(最後の値上げ?) :125ドル

なので、そのお値段7.5です。正常に国が成長しているアメリカだとこのくらいまでの値上げが許容されるわけですね。

特に今は円安ということもあるので、10,900円は68USDですから、アメリカ人からしたら「日本のディズニーリゾートは半額」なわけです。

 

 

ご理解いただけましたでしょうか。東京ディズニーリゾートが高い、と嘆く人はオリエンタルランドを批判しても意味がないわけです。

結局は日本の国力が落ちてしまっているのが原因なわけで、給与が上がらない、物価は上げるな、と言っているようではダメなわけですね。与党に飼い殺されている馬鹿な国民でいてはダメなわけで。

なので、ちゃんと選挙に行って政治家を選びましょう、というのが今日言いたかったことなわけですが、残念ながら東京ディズニーリゾートは東京都ではなく、我らが千葉県にありますので、候補者が乱立している都知事選に投票に行かれましても、何も変わりませんので、その点はご注意ください。

 

ということで本日はこのへんで。

 

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