富士通がバズる”合コンのリスク”動画を作る意味を考察

INST石野です。あっという間に金曜日。今週はかなり怒涛の一週間でした。

昨日、個人のFacebookアカウントでシェアした記事に意外な反響がありましたので、今日のブログネタにしてみたいと思います。

こういう動画を富士通が作る意味を考えるべきだね

Posted by 石野 幸助 on 2016年2月17日

 

シェアした投稿はロケットニュース24に富士通が出稿した記事広告。動画をバズらせるために、あの富士通がおもしろメディアのロケニューに出稿したというのも驚きですが、動画の内容も「日本メーカー」富士通らしからぬ”合コン”をテーマにした内容。

まだ見ていない人は是非見て欲しい。自分としては結婚したかった片岡愛之助という恋人を藤原紀香という超強敵に奪われてフリーになってしまったであろう熊切あさ美(35)を主人公に、合コンに潜むリスクを的確な確率で表現したというもの。

手始めに「合コン相手がイマイチな確率90%」からはじまり、「既婚者が紛れている確率48%」、「元カレが来る確率6%」「清純派が豹変する確率63%」など様々な合コンにおけるリスクが出てきて・・・

そして、後半に「有害サイトに遭遇する確率60%」「最新のウイルスに感染する確率37%」→リスクを避けたいならFMVを買おうね♪とオチがつき、やっとPCの販促動画であったことがわかります。

 

動画の位置づけがサイト内コンテンツから「フィンファンネル」的に

これは「バズり」を狙ったWeb動画を使った広報戦略に間違いないでしょう。「Web動画はマーケティングに有効」ともう2~3年くらい言われていますが、今までの動画の位置づけは、サイトに訪問してきてくれた人に見てもらって、コンバージョン(意志決定)の最後のひと押しをする位置づけという意味合いが強かったように思います。

言い方は良くないかもしれませんが、地雷的な感じです。設置して待ち伏せしてそこに来た人に「ドッカン」とぶちかますと。

それでも動画は効果的であったのかもしれませんが今回の位置づけが「フィン・ファンネル」的になってきたことをこの富士通のプロモーション戦略はよく表しています。

スクリーンショット 2016-02-19 09.43.16

フィン・ファンネルとはνガンダムに標準装備された無線式オールレンジ攻撃用兵器。つまりは勝手に敵を攻撃してくれるミサイル発射装置みたいなもの、という説明に留めておきます。これ以上書くとνガンダムのことでブログが終わってしまう恐れがありますので。

要は、動画の面白さを使ってソーシャルでのシェアによって勝手に意図しないところでバズらせ、「認知」のためのツールとして使おうと言う戦略が見えます。自走式動画と言いましょうか。

 

AIDMA→AISAS→SIPSと変化した消費活動

マーケティングをやられている方であれば、AIDMA,AISASは聞いたことがあると思います。

A→Attention(認知/注意)
I→Interest(興味)
D→Desire(欲求)
M→Motive(動機)
A→Action(行動→買うってこと)

ってのは昔から言われてきたことで、その後インターネットの普及によって1995年に電通がAIDMAからAISASにユーザーの消費活動が変わったと言っています。

A→Attention(認知/注意)
I→Interest(興味)
S→Search(検索)
A→Action(行動)
S→Share(共有→買うことがゴールでなくなった)

で、それが最近はSIPSになってきたと。コレも電通の方が提唱しているようですが

S→Sympathize (共感する)
I→Identify (確認する)
P→Participate (参加する)
S→Share & Spread (共有/拡散する)

ということらしいです。インターネットの時代が検索からSNSを中心としたシェア・共感を大事にする世界観に変わってきたということを表していますね。

今回の富士通の動画は”合コン”という身近にあることに潜む、一見どうでもいいリスクをテーマにして

「あー!わかるー!たまにいるよねー、指輪の跡ついてて既婚者バレバレのやつとかー」→共感
「えー!そうなの?イケてない人が来る確率ってそんなに高いものなの?」→確認

で、その人達がシェアすると周囲の人が参加して共感して共有・拡散するみたいな流れでこの動画を沢山の人に見てもらい、結果として潜ウイルス感染などに潜在的には怯えるがPC購入意欲があまり高くない層にリーチしていくと、そういうことが狙いなのではと。

 

動画作ってくれたってどうせ見てくれないと思うのはイマイチ

とは言え、動画の制作コストはそんなに安くないでしょう。熊切あさ美のような一流?ではなくともタレントを使ったら結構なコストがかかります。

「高いコスト掛けたってうちのサイトのPVなんかたかが知れてるしな・・・」と悲観的になって動画作成をしていない人もいるでしょうが、ソーシャルの力を信じるって大事だと思うんですよ。全然素人の人が投稿している動画や、何気ないtwitterへのつぶやきが数万シェアされることだってよくあります。

例えばこの女子高生が受験票に貼る証明写真のサイズを間違えたtweetは8万retweetを超えています。別に有名な女子高生でもなんでもない彼女の面白さだけでここまでバズっています。

 

バレンタインにアンパンマンクッキーを作って失敗したお姉ちゃんの作品をtweetしたものはなんと12万retweet。すごすぎ。

この2つのtweetは全くの宣伝の意図があって行われたわけではないと思いますが、こういったところからバズる要素、バズらせるための要素というのは紐解くことが出来ますね。

 

果たして人材ビジネスでバズる動画は作れるのか

今INSTのお客様である人材ビジネスの集客目的でバズる動画は作れるのでしょうか。転職というテーマが絡むものなので、難しいといえば難しいですが、多くの企業が真面目・誠実な印象を打ち出して集客をしているのですが、それはいわゆる転職意欲顕在層に向けてのアプローチなのかなと。潜在層向けのアプローチであればもう少し面白おかしい動画でバズらせるということも可能なのでは?と思います。

特にマーケティングを生業としているわけではないのですが、アイディアベースのご相談なども受け付けられますので、ぜひお気軽にお問合せ下さい。人材系Youtuber、2016年は誕生するかもしれませんね。

 

それでは。

Kosuke