積極的に仕事をサボろうとすると生産性があがるよ、という話
あっという間にもう2月も終盤。働き方ファーム石倉さんにブログ更新頻度で抜かれているINST石野です。
今日はずっと同じ仕事をしたくなければサボろうとしてみよう、という話をしたいと思います。
日々、皆さん忙しく働かれていると思います。毎日「忙しい、忙しい」と。
そんな時、こう考えてみてはいかがでしょう。「自分が働かなくても仕事が回るようにしよう」。これ、経営者だから言えるんじゃねーの?と言われるかもしれませんが、実はそうではないのです。
実体験を元に素直に書いてみますので、ぜひご笑覧ください。
ずっと同じ仕事をしているなと思ったらすぐに行動しよう
INSTは創業してもうすぐ2年になりますが、完全自己資金だけではじめましたし、エンジニアはいたものの、自社サービスの開発・販売で事業展開をしていましたので、全くお金に余裕がありませんでした。
なので、システム開発以外の仕事は約1年半くらいはほぼ1人ですべてやっていました。会計と決算業務だけは税理士さんにお願いしておりますが、それ以外は本当にほぼ1人で僕がやっていました。
HPの制作や、ブログの執筆(これは今でもずっとか)、請求書の作成や郵送、提案資料作成やアポ取り。導入後の操作オリエンまでマジで全部1人でやっていました。
で、ある程度売上が出来てきたときくらいにふと考えました。
このままじゃ俺の仕事はずっと同じだ。
と。朝会社に来てメール処理や事務作業をして、午後2-3件アポに行って帰ってきてお礼メール出してブログ書いて帰る。会社が軌道に乗ってき始めていたところだったので「それでもいいかな」と思いつつも飽きっぽい性格ですので、すぐに行動に移ることにしました。
僕は経営者の仕事は「自分がいなくなっても何の影響もなく会社が回り続けられるように仕組みと組織づくりをすること」だと思います。
そう考えると、従業員一人一人がこの意識を同じように持って仕事にあたるようになったら、それはそれは強い組織が出来るのではないかなと。
あと、僕は忙しいのが嫌いです。美味しいご飯やお酒に行きたいし、できれば早く家に帰って子供と一緒にご飯食べたい。トレーニングだってしたい。寝食忘れてずっと働くなんて無理なんです。
なので、どうやったら僕がいなくても仕事が回るか、限られた時間の中でパフォーマンスを落とさずにできるかと、積極的に仕事をサボることに取り組んできました。
僕が取り組んだことは以下です。
1.マニュアルなどのドキュメントを整備することで問合せ対応の時間を減らないか?
まずは自分の仕事を楽にするにはどうすればいいかを考えました。
例えば、お客様からの問合せが多くてそれの対応に時間を取られているのであれば、操作マニュアルをすごくわかりやすく整備することで問合せを減らせないか?とか。サービスの利用開始前に操作オリエンを実施することで理解を深めていただき、質問が来ないように出来ないか?とか。
これはすごく効果がありました。
ドキュメントを作る時間はめっちゃかかります。誰が見てもわかりやすいように工夫して作らないといけませんし、ただ、その1回のドキュメント作成に時間をかけることで、その後の問合せ対応で取られてしまう時間が劇的に節約できます。
これは、部下の人に質問をされまくったり、なにか教えなくてはいけないときにマニュアルが無かったりしてその対応に時間がかかってしまっている人の改善方法としても利用できると思います。確かにドキュメント作成は大変ですが、「これを読んでいただいて、わからないことがあれば随時聞いて下さい」で解決することも多いです。
※マネジメント、という観点でいくとちょっとアレかもしれないですけど。
2.仕事のシチュエーションをすべて網羅してフロー化できないか
これは、考える時間と手間を減らすためです。
大体の仕事が「これがこうなったらこう、ああなったらそう」というようにフロー化出来るのではないかと思います。もちろん出来ない仕事もありますけど、そういうときは予想外の自体が起きたときにフローを追加すればいいわけで。
で、起こりうるシチュエーションがすべて網羅できてオペレーションがフロー化できると、そのときこうだったらこう対応する、というのをテンプレ化しておくのです。
例えば、Webから問い合わせがあったらこういうメールを送る、とか、訪問後はこういうメールを送って1週間経ったらなにをする、とか。
実はここで「営業の経験と勘」に頼らないのがコツです。必ずルールを設けておくのが大事。もちろん特例はあります。知り合いからの紹介でめっちゃ仲良いとか、元同僚にばったり営業先であった、とかは。
そうすると仕事が「考えて判断しながらやる仕事」から、ある種「流れ作業」になるのですごく楽です。考えながらやる仕事はまとまった時間が取れたときしか出来ないタイプなのですが、「作業」にしておくとバンバン空いたスキマ時間でこなすことが出来るようになります。まあこれも自分の頭の中のマニュアル化、なのかもしれませんけど。
3.誰かに任せられないか?
1.と2.が出来たら、実はその仕事は誰かに任せることが出来ます。100%の精度で再現ができるかどうかは1.と2.の精度次第です。
この段階で僕はリモートで働いてくれるカスタマーサポートの方を採用しました。最初は導入後の操作オリエンとチャットでの問合せを対応してもらっていたのですが、今ではWeb問合せからの資料送付やアポ調整、訪問後の顧客フォローなども行っていただいています。
「経営者じゃないとなかなか自分の代わりの人採用できないよ」という方は、クラウドソーシングサービスや、質が心配なのであればキャスターBizなどを活用してみるといいでしょう。
キャスターBizでは、84,000円/月で月間30時間働いてくれるオンラインアシスタントサービスを提供してくれます。時給で換算すると2,800円です。週5勤務で1日8時間、4.5週だと考えると大体月収50万円くらい。
あなたの給与が50万円/月以上であった場合や、アシスタントの採用が極めて難しいとなった場合は
「今僕の業務で切り出して任せられる業務がこれだけあります(30時間以上がベター)ので、キャスターBiz使わせて下さい」と上司に決裁を取りに行くべきでしょう。
それでダメだとなったらその会社は辞めましょう。費用対効果とか工数の削減というのがわかっていませんから。
4.なにかのシステムやサービスで代替出来る仕事がないかを考える
これはちょっとクリエイティビティが必要になりますが、できるようになると強いのでぜひチャレンジして欲しいです。
人間は忘れる生き物です。
もし定型でルーティンになっている業務があって、それを補えるサービスなどがあればどんどん購入して使っていくべきです。例え自分が身銭を切ることになってでも。
INSTでよく使っているのはintercomとちきゅうです。いずれもCRMのサービスと言えます。
intercomはサービスを利用いただいているお客様に対して利用させていただいており、問合せのチャットや、そのログの蓄積、FAQコンテンツの作成などに利用しています。また、お客様のサービスへのログイン頻度やどのくらいログインしていないか、もわかるので、例えば2週間ログインがないお客様に「どうかされましたか?」と自動でメッセージを送ることも出来ます。これによりサービスのアクティブ率が格段に向上しました。
また、ちきゅうは営業中のお客様の管理に利用しています。今までは僕が1人で営業をやっていたのですが、今後営業組織の拡大も視野に入れているため、僕の頭の中(営業状況に限り)をすべて可視化するために使っています。slackとの連動なども便利です。あと、最近知ったのですが、メインでちきゅうを利用・入力しているのはカスタマーサポートの女性なのですが(俺がやると忘れる&サボるので)、チャットでフォローなどもしてくれているみたいです。さすがですね。
とまあ、タイトルの割には真面目な内容になりましたが、皆さんも積極的に仕事をサボって、ぜひ生産性を上げて楽しくバランス良く働きましょう!
それでは。
Kosuke