TOP営業マンはもう要らない、という話
INST石野です。
最近思うのが「営業の価値」の変化についてです。今日はそれについて書いてみようと。
情報のオープン化に伴うリアル顧客接点価値の希薄化
BtoBもBtoCも、購買活動に変化が起きています。インターネットの普及により、様々な情報がオープン化されて消費者は営業マンに会わなくても、自社/自身の課題を解決する様々なサービスを容易に比較検討出来るようになりました。
インターネットがここまで普及するまでは、ある種の有用な情報は営業マンしか持っていなかったことも多く、その情報を持つ営業マンと会うことにスゴく価値がありましたし、売れる営業マンは顧客との対面設定で、その貴重な情報をいかに効果的にチラ見せしたり、顧客の課題をヒアリングし、潜在的課題からなんとか顕在化させて自社のサービスで解決ができると提案をするという役割を担っていました。
ですが、今の時代では顧客がどんどん賢くなり、自身の課題を既に認識し、それを解決するための商材・サービスを色々と検索・比較検討し、自分で問い合わせをし、確認したいところだけパパっと確認して購入するという、能動的に行動する顧客が増えてきました。
以前は営業マンに聞かないと得られなかった競合他社の利用状況や効果なんて、出し惜しみして隠すどころか、PRのための最高のコンテンツとして広告費を払って多くの人に見せるような時代です。
そういったリテラシーがある程度高い顧客には「ゴリゴリ売る営業活動」はあまり必要ありません。そして、どんどんこういった購買/営業活動が主流になってくることは間違いないかと。
今後の会社に必要なのは「売れる営業マン」ではなく「カスタマーサポート」に近い存在の人材になってきます。
営業マンがいないと売れないサービスはどんどんピンチに
商材やターゲットの特性によって異なりますが、今後営業マンがいないと売れないサービスはどんどん廃れていくと僕は考えています。ゴリゴリ売り込まないと売れないようなサービスはかなりピンチです。
まず、そういったサービスの収益性は間違いなく悪化するからです。
絶対的にこう言い切れるのは、超売り手市場、つまりは人手不足が背景にあります。今後、この超慢性的な人手不足は解消される見込みも低く、「人がいないと売れない」サービスには、売るための人員の採用費や給与が販売管理費として重くのしかかります。特に、特別に高い営業スキルを保有した人しか売れないようなサービスはなおさらです。
ゴリゴリテレアポをしないと新規顧客が獲得できないサービスも同様ですね。検索能力が低い受け身のクライアントにゴリゴリ売ることは出来るかもしれませんが、そういった営業活動は非常に成約率が低く、消耗戦になりますし、まずをもってそういった仕事をやりたいという人はどんどん減っていくでしょう。
そして「人がいなくても売れるサービス」を保有している競合が登場してくれば、価格競争でも負けることは明らかですので、ほぼ生き残れないでしょう。
売るために掛かる「人件費」を削減していくためのマーケティングオートメーションツールなどが伸びているのはこういう背景もあると思います。
「属人的な仕事」を「誰にでもできる仕事」にしていく必要がある
ダメになる会社の共通点は「情」と「職人気質」【森川亮さんに聞く Vol.2】
こんな記事もありました。いわゆるTOP営業=職人気質というわけではありませんが、「この仕事は俺にしか出来ない」的な考えの人が集まっている会社は、絶対的に生き残ることは困難です。
営業について書き始めたこのブログですが、他の職種でも同様です。
特定の人しか対処が出来ない、いわゆる属人的な仕事はどんどん悪しき存在になっていきます。先ほどから繰り返していますが、人手不足が深刻ですので、採用が難しいハイスペックな人がいないと回らない組織の状態では存続すら危ぶまれます。少数精鋭と言えば聞こえが良いですが、これからは属人的な仕事を「凡人+AI」や「凡人+アウトソーシング」、そして「精鋭だけど出勤しないリモートワーカー」などをしっかり活用した、少数凡人の会社が生き残っていくことでしょう。
今後の営業組織は仕組みを作れる人と、中でオペレーションを回したりサポートをする人の2つの属性の人間で構成されるようになっていくでしょうなあ。
それでは。
Kosuke
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