下積みの美学の終焉と未来を見る力 ~鮨屋に修行は必要か、を読んで~

INST石野です。

今日は書評ブログです。今回読んでみた本は

こちらです。

僕はいわゆる普通のビジネス書を最近あまり読まなくなりました。いわゆる自己啓発系の本とかを読み漁った頃もあったのですが、ほとんどどれに書いてある内容も同じかなと。堀江さんの本は表現は極端ではありますが、本質を突いていることも多く共感できる内容も多いので結構読んでいます。

 

この本は人気の鮨職人と堀江さんの対談形式で進んでいきます。

堀江さんといえば、以前「一人前の鮨職人になるのに10年とかの修行って無駄じゃね」的な発言をされて炎上しましたよね。その炎上がこの本を書くきっかけになったようですが、僕もそれについては同意です。

 

下積みは成功のための必要条件ではない

鮨職人と言えば、長い期間の皿洗いや仕込みなどを数年経てからやっと鮨を握れるようになり、カウンターで接客をしながら鮨を握るまでには10年が当たり前、のような世界が一般的でありました。

実際に厳しい老舗の寿司屋では今でもそういった長い修行が必要とされているのですが、2016年にこんなお店が話題になりました。

ミシュラン掲載の奇跡の寿司店 職人は修行経験1年未満

ニュースを読んでいただければわかるのですが、こちらのお店の鮨職人の方は実践型の料理学校の鮨コース(3ヶ月)を修了し、その後実務経験1年未満にしてミシュランガイド掲載という快挙を成し遂げました。ミシュランガイドと言えば鮨屋だけに限らず飲食業を営む方々がひとつの目標とする評価指標と言って差し支えないでしょう。

10年修行を積んで当たり前、という文化の中で育ったすし職人で「ぐぬぬ」と悔しがった方は多いことでしょう。だって店にいたら実務経験1年未満とか皿洗いくらいしかやらせられないようなレベルのひよっこみたいなもんですから。

ここで一つ証明されたのは、成功のために下積み修行は特に必要なかった、ということでしょう。もちろん下積み修行をしたら成功しない、ということではないですし下積み修行のおかげで成功している方もいらっしゃることは十分理解しています。

 

年功序列の縦社会が諸悪の根源

下積み修行は技術鍛錬と精神鍛錬の2つの目的がありますが、僕個人としては精神鍛錬を目的としたものはもうやめたらいいのではないかと思っている派です。

部活動における球拾いやブラウンド整備、先輩の道具磨きからスタートして、社会人になったら大声で罵倒されたりする研修や飛び込み・テレアポなど。まあ技術が全く磨かれないわけではないと思いますが、7-8割は精神鍛錬が目的で2-3割技術を磨く要素が含まれますが、その多くはテクニックの伝達でほぼクリアになっていくのではないかと思います。

この不毛な下積みは年功序列の縦社会が引き起こした古き悪しき習慣であると考えるからです。縦社会に所属してしまうと、後輩に抜かれたくない、という意識がどうしても働きます。自分のポジションを年下や入社年次が浅い人に取られたくなってしまうから優秀な後輩をその場で足踏みさせるために修行をやらせている人も多いのではと考察しています。

「お前のためを思ってやってるんだ」って発言する人ってだいたい相手のことじゃなくて自分の都合のことばかり考えていることが多いですからね。

 

蓄積された集合知を共有していかないと日本全体が終わる

情報やノウハウはインターネットの普及でだいぶオープンなものになってきましたがまだまだだと思います。

このブログで何度も書いていますが、日本の労働人口はこのままですと減少の一途を辿ってくため、生産性向上が個人単位のみならず、会社単位、社会全体としても命題になっているのは皆さんご存知のことでしょう。

そんな時代に後輩に精神鍛錬を目的にした球拾い的下積みをさせているような会社が競争に勝っていけるとは思いませんよね。自分の人生は自分より若い人たちより早く終わってしまいますので、俺の屍を超えていけではないですが、先人が培い自分が学んだノウハウは惜しみなく自分より長生きしてくれる後輩たちに伝達していくことが重要だし最善策だと考えてみてはいかがなのかなと。

 

今までのやり方を疑うことを怠ってはいけない

ちょっと話が逸れましたが、本の内容に戻るとこの本に出てくる繁盛店の鮨職人達は修行ほぼ0、というわけではありませんでした。ですが、修行時代に言われたことを無意識でこなしていくという感じではなく、頭を使って修行時代を過ごしてきた方たちが多いように思いました。

また、僕が驚いたのはネット活用をしっかりしているということです。まあ堀江さんと対談されているのでそういう人達が多く選ばれている、というのもあると思いますが。

仕入れを仲買人と直接深夜にLINEでやり取りをするので、朝早起きして市場に仕入れに行く必要がなかったり、instagramをしっかり更新して国内のみならず海外からも優良な新規顧客を獲得できていたりと。ちょっとこれは頭の固いオールドスタイルの職人さんには理解できないでしょうね。

LINEで写真が送られてきて「右から二番目の鯛でよろしく」とかやってるみたいですよ、すごいっすよね。

師匠の言いつけを守っていい仕事をしていればお客さんが自然とついてくる、というのは確かに一理はありますがもっと効率的な時代に即したやり方を常に模索する必要があるということは僕らが身を置くビジネスの世界も鮨の世界も変わらないのだな、と思いました。

ホームページもなく、食べログ掲載も拒否して、一見さんお断り、という繁盛店ももちろんあるでしょう。ですが、そのままのスタイルを貫けるのはせいぜい長くてあと10年くらいではないかなと。オールドスタイルのマーケティングや経営をしている鮨店はネットリテラシーが高い平成生まれ(俺は昭和だけどねw)が外食にお金を使うメインターゲットになった時に経営危機にさらされてしまう可能性が高くなります。

 

若い人たちの言うことにしっかり耳を傾けて、自分の年齢やリテラシーがどういう属性にあるのかを自己把握していないと、やはり老害と言われてしまうんだろうな、と思った次第です。

 

雑記

この本を読んでいると鮨が食べたくなりました。鮮魚は自分でいつも釣るのですが、鮨握れるようになりたいなと思って、すしアカデミーの寿司教室行きたいなと思っています(笑)。誰か一緒に行きませんか?w

魚釣れて、寿司が握れるIT社長。俺は一体どこを目指してるんだw

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