もしも採用担当が全員肉食系で自社採用をするようになったら

こんにちは、INST石野です。

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さて、先日のDODAリクルーターズの記事に関連しての投稿です。この辺はブログ読者の皆様が気になるところだと思いますし、僕も注目する分野ですので。

インテリジェンスさんが自社が保有する約100万人の転職者DBへ企業人事が直接スカウトが送信できるサービス「DODA リクルーターズを、80万円で8週間利用、スカウト通数制限なし、採用成功報酬なしで提供するということを発表いたしました。

 

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なるほど、スカウトは面接確約でしか送っちゃいけないってことっすね。

Web媒体には結構スカウトメール機能ついておりますが、媒体出すってなると求人してるってバレて営業電話じゃんじゃんかかってきたり、取材とか原稿確認とか結構大変ですからね。スカウトだけ使えるっていい。

 

ビズリーチさんもダイレクトリクルーティングを推奨しており、今後求人媒体出稿や人材紹介という採用モデルがなくなっていくことはないと思いますが、今日は仮に「もし、採用担当全員が肉食系人事で自社採用するようになったら」を考えてみたいと思います。

 

SNS使って採用なんて当たり前

企業人事は日中、求人媒体からの応募や紹介会社の推薦を待つのではなく、事業部から上がってきた人員オーダーに合わせてあてはまりそうな人材をくまなく探してアプローチしまくる。これが肉食系人事です。今もちろんやってる人もいらっしゃるでしょうが、それが全員です、全員。1企業に1人スカウトマン。どんな世の中になるのでしょう。

SNSで検索して競合他社のTOP営業を引き抜くなんて朝飯前、ビル前で待ち伏せとか張り込みとかもやりそうです。街頭でナンパみたいにハンティングする奴とかも出てくるのでしょうか。怖い怖いwでも肉食系なのでそのくらいは全然やるでしょうな。

 

自社採用ページの重要性がもっと上がる

基本的に採用を他に頼らない肉食系人事、自社の採用に命をかけます。自社採用サイトがない知名度のない中小企業もスカウトをした際のリファレンス(この会社ちゃんとしてんだなと思ってもらうため)の意味合いで採用ホームページの充実は必須になるでしょう。肉食系人事はきっと、「うちの会社のホームページなんか見ないよ」という社長を説き伏せて「絶対に採用ページが必要なんです!」と決裁を取ることでしょう。採用ホームページ制作のニーズとかは高まるんでしょうな。

 

求人媒体ビジネスは微減かステイ

肉食系人事は「求人広告の出稿?はあ?自分で捕まえてくるからいいよ」となるでしょう。

ですが、スカウトのツールとしての活用は出来ると思われますので、求人媒体に期待されるのは「出した記事に応募があること」ではなくて、「どれだけたくさんの求職者DBを構築できるか」になっていくでしょう。求職者を集めるには求職者が欲しがる情報、つまりは企業の募集広告が必要なわけですから、「求人掲載無料、採用成功報酬なし、スカウトメール利用だけ有料」みたいな媒体とかも出てくるような気がします。広告費で取れなくなった分はDB利用料で取ればいいわけですので、市場自体は微減かステイになるような気が。

企業側が自分で広告作るようなIndeedみたいなのが主力になってくるんでしょうな。そう考えるとリクルートはすごいっすね。先見の目がありすぎる。さすが。

 

人材紹介ビジネスの市場は縮小

「成功報酬30%とか払いたくねーわ、自分でやるわ」という肉食系人事。人材紹介会社にオーダーを出すことはまずしないでしょう。涙目ですな。

外部媒体に集客を依存している紹介会社は「人材紹介会社だけが利用できる求職者データベース」が存在し続ければ生き残ってはいけますが、それがなくなった途端に間違いなく潰れます。難易度が高いものや、すごく専門性が問われるもの以外は肉食系人事が自分で採用しちゃうでしょうから、オーダー数は減るでしょうね。

 

生き残る紹介会社は「自社集客」が出来るところだけ

全部の紹介会社がなくなるわけではなく、求職者データベースに載ってない人を連れてこれるような自社集客ができるところだけですね。肉食系人事がアプローチできないような自社の転職希望者データベースを保有することは絶対条件です。感覚的には人材紹介会社で外部媒体に全く頼っていない会社は一桁%以下だと思うので(サーチ会社を含まない前提でね)肉食系人事の登場によって紹介会社は絶滅してしまうかもしれませんな。スカウト代行会社、とかになるんでしょうか。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

紹介会社で働いている人がドンドン企業人事に転職

紹介会社で働いている人はスカウト活動などに慣れているはずなので、企業人事として転身することが出来そうです。人材紹介会社→採用担当というキャリアは今でも存在しますが、現時点では紹介会社とのリレーション構築や採用プロセスの管理などがその人達のバリューになっているわけですが、「人を連れてこれる能力」がもっと重要になってくるわけです。昔は紹介会社の社長だったけど、今は企業の採用責任者、という人とかも出てくるでしょうな。

 

会員データを人事に開放するサービスがドンドン出てくる

ここまでの話はなんとなく予想もつきますが、私的な予想では会員データを人事に開放するサービスがドンドン出てきそうな気がします。専門的なニュースメディアや、githubのような特定職種の人が使うサービス(実際にgithubを採用に活用している企業も多いですし)などの会員にスカウトを打ちたいという企業側のニーズが高まりそうです。

個人的にはSansanとかの名刺データベースがスカウトのデータベースになったらゲキアツだと思うんですよね。役職とか部署とか書いてあることも多いし。SNSを目指す的なことを以前Sansanのどなたかが言っていたような記憶があります。

 

ざっくり考えるとこんな感じでしょうか。なんだかダイレクトソーシングが広まった世の中では、雇用のミスマッチも減るでしょうし、「応募が来ない」と嘆くのではなく、自らアクションをすることで人を採用できるわけです。すごく本質的で良い世の中な気がしますね。

今まで「人探し」を外部に委ねていた企業人事が「人を自分で探す」ようになることで、シンプルに考えると

・人材紹介会社の介在価値が変わる

・企業側に本当の採用力がつく

というところが変化するところでしょうか。そう考えると人材紹介を主力にしているインテリジェンスがこのサービスをリリースしたのは結構大きな決断だと思われます。

 

福本さん(DODAリクルーターズ責任者)にFacebookでメッセしたときに

「企業の採用力あげていかなアカンと思うねん」と言っていたのと、「ダイレクトリクルーティングじゃなくてダイレクトソーシングや」と言っていたのはすごくハラオチ感があります。

 

それでは。

Kosuke