悪徳エージェント/ブラック企業人事による採用詐欺とそれを回避する方法
今日は募集ポジション以外での採用詐欺とそれを回避する方法について。本当は実名晒したいくらいですが友人のプライバシーのために伏せ字で。
※転職のときに「あちゃー」と後悔しないために。
前提:転職時の求職者と企業側の意識ギャップ
転職時の求職者側の意識には大きなギャップがあることが多い
求職者の願い:今までとは違う仕事を給与を上げてやりたい
企業側の願い:その人に出来る仕事を給与を上げずにやってもらいたい
これだ。なんとなくお分かりいただけるだろう。そして、このギャップを双方の間に立って埋めていくのがエージェントの価値の一つであると僕は思っている。
つい先週、Facebook Messengerで
「そういえばA君、転職したよね?どこに行ったの?」
みたいな会話になりました。
A君は某ネット系企業に新卒として入社し、最近初めての転職をしたばかり。
A「□□って会社です、正確には◯◯の子会社で、◯◯に入社して□□に出向なんですけど。でも、事業企画のポジションで入社したはずなのに、テレアポばっかやらされてるんですよね。5年ぶりくらいですよ」
元々彼は営業畑育ちなのだが、会社の規模感はだいぶ小さくなるが「外を見てみたい」という気持ちもあり事業企画というボジションにも強く惹かれ入社をしたところ、なぜか営業ばかりやらされており、知り合いもいないし、「事業企画じゃなかったのか。。。」と言い出せずにいるらしい。
僕「それ、エージェント経由での転職?言ったほうがいいよ?」
そのA君の口から出てきたエージェントの名前は知っている人だった。一緒に働いていたこともある。
「あー、彼ならそういうことやりそうだな」という仕事の仕方をする人でした。
応募後、応募したときのポジション以外で採用されることは稀にあります。選考プロセスの段階で「あ、この人ならこのポジションでなくてこっちのほうが活躍できそう」とか、「このポジションで応募してきたけど、こっちのほうがいいな」とか。
その場合は殆どが選考途中でエージェントや人事から説明がありますが、それを隠して「入社がゴール」と押し込もうとする人も残念ながらいます。
今回はエージェントが悪いのか人事が悪いのか、どちらかはわかりませんが、パターンに分けておきます。
<エージェントが悪いパターン>
・スカウトの際に求職者「ウケ」が良さそうな釣り求人でスカウトする
・面談のときにも釣り求人を見せて応募承諾させる
・企業には採用が難しいポジションで推薦する
・企業側は採用が難しいポジションで応募をしてきたと思って選考する
→
そうすると、大体の候補者は面接や選考の段階で「あれ?ちょっとおかしいな?」と感じたりはするのだが、面接を受ける側、という立場を考えて遠慮して言い出せない人も。言い出せないことを理解して推薦しているエージェントもいることでしょう。
紹介会社経由での選考に於いては、人材紹介会社がほぼすべてのコミュニケーションの仲介をするため、例えば「このポジション、応募したポジションと違くないですか?」とエージェントに聞いたとしても「とりあえずは先方がこのポジションで見たいということなので、内定をもらってから交渉しましょう」とか言われると「そうなのかな」と思ってしまったりすることも多い気がします。
<人事が悪いパターン>
・応募が取れそうな求人内容でエージェントに依頼する
・エージェントは一生懸命スカウト&推薦する
・面接の際にも応募時の求人内容の説明をする
・求職者は当然その内容で採用されると考え選考が進む
→
そして、内定通知書や雇用条件通知書の説明のときにもはぐらかして有耶無耶にして採用だけしてしまう。そうすると求職者は入社のために現在の職を捨てなくてはいけなくなり、退路が絶たれるため、入社した後に今回の彼のように「事業企画で採用だったけどテレアポガンガンやってね」と言われても、「職務内容が違うので辞めます」とは極めていいづらいわけだ。
その際にエージェントに相談して、応募したポジションと違うとか、企業に掛け合ってくれるならまだしも、「短期での退職は不利になるんでとりあえず半年くらいは頑張りましょう」と早期退職の返金を避けるような行動に出るエージェントもいる。
こういう転職の際の求職者の弱みに付け込むようなブラック企業人事やエージェントは本当に淘汰されるべきと思うのだが、話題としてナイーブな話題だし、紹介会社は星の数ほど存在するし、企業側の告発も難しいのが現状だ。
求職者としてはこういった事態に陥らないために、以下の心構えを持って人材紹介会社の選考に進んで欲しいと思います。
1.疑問があったら納得がいく回答を得られるまで、逐一エージェントに確認させる
「募集ポジションと違わない?」「求人票と提示してた年収が違わない?」「子会社出向なんて聞いてないけど?」などの疑問が出てきたら、些細な事でもエージェントに確認をさせるのが大事だ。面接で面接官が口を滑らせた失言などもエージェントに確認をさせよう。
「こんなこと、聞いたら変に思われるかな?」という心配はいらない。それをやるのが人材紹介会社のエージェントの仕事だし、それを求職者の人の印象が悪くならないように聞けるスキルを持っていて当然だ。逆にうざがったり、聞いてくれなかったり、「うるさい求職者でー」というような感じで企業側に聞いたりするエージェントとは付き合わないほうが良い。
転職は大事なライフイベントなので納得がいくまで、とことんやるのがよい。
2.セカンドオピニオンを聞ける紹介会社や友人を作っておく
初めての転職の場合は特になのですが、ことエージェントの言いなり?になってしまうことが多いです。それも別に悪いことではないのですが、悪徳エージェントに運悪く当たってしまったとき、それが良いエージェントなのか悪いエージェントなのかはほとんどわからないはずです。
人材業界は狭い業界です。ので、誰か友達の友達をたどれば、1人くらい紹介会社に詳しい友人・知人が見つかるでしょう。損得勘定抜きに、転職のことについて相談できる人をセカンドオピニオン担当として味方につけておくことは必ず役に立ちます。
3.転職媒体の良いレビュー評価をあまりあてにしない
ミドルの転職や、イーキャリアFAなどの紹介会社向けの媒体には、その紹介会社や、エージェントのレビュー評価が載っています。
ですが、良いレビュー評価はあまりあてになりません。むしろ悪いレビュー評価が出ていたら、その会社やそのエージェントに当たったら警戒するようにしましょう。
あのレビューは「悪い評価」を求職者の人がつけると、媒体社に取り下げの依頼を簡単にすることができるのです。変な仕組みでしょ?評判が大事なサービスなのに、お金が出るのは紹介会社からなのでそういうことになってるんですね。
4.悪徳人材紹介データベースを調べてみる
悪徳人材紹介データベースというサイトがあります。コンテンツの信憑性は・・・かもしれませんが、「火のないところに煙」は立ちません。
中身を見てみるとただの八つ当たりじゃねーかwというのも多いのですが、そうでなさそうな意見をピックアップしてみたり(例えば同年代の人の書き込みとか)することは役に立つと思います。
5.評判の良い紹介会社・エージェントを誰かに紹介してもらう
今回のA君は、友達にそのエージェントを紹介してもらったようで、これはあてにならないのかもしれませんが、信頼できる人からの紹介というのはすごく心強いですよね。
大手の紹介会社は担当を指名できないことがほとんどですが、中小の紹介会社なら業界や職種によっては難しいかもしれませんが、担当指名できる可能性もありますので、評判の良いエージェントを誰かに紹介してもらう、というのは良いと思います。
僕が性格が悪いのは皆さんご存知と思いますが、こういった求人詐欺がなくなって、もっと幸せな転職が多くなることを願ってやみません。
それでは
Kosuke