ワークライフバランスとか早帰り推奨とかに関する議論に関する意見
おはようございます。人材ビジネスアナリストのINST石野です。
軽い気持ちでシェアしたダイヤモンド・オンラインのこの記事について、自分の意見を書いておこうと思います。あくまで個人的な意見ですし、多少過激な表現も含まれるかもしれないです。ご理解の上、読み進めてください。
こんなに働く時間を減らして、日本企業は世界で勝てるのか?
なんとも刺激的なタイトルです。
「死ぬ気で働け」とか「終電で帰って始発で来て仕事しろ」とかの時代はもう終わったのか、ワークライフバランスに関する記事を日々ニュースサイトのコラムとかでよく目にします。
この意見について肯定派で著名な方は、その名も株式会社ワークライフバランスの小室淑恵さんや、元トリンプの社長で「残業ゼロ」の仕事力を書いた吉越浩一郎さんとかでしょう。
確かに
「プライベートと仕事の両立をしよう」
「残業ゼロで今までと同じ成果が出せる」
とかはすごく耳障りがいいです。僕も基本的には長時間労働は好きではないので、大枠で言うとこのお二人の意見には賛成です。
ですが、ここからが重要。
プライベートと仕事の両立をしたり、残業ゼロで働くというのと「楽をする」「サボる」というのは全く別の議論だと思います。
ワークライフバランスを語ったり、残業が嫌だ、というのなら、まず所属する組織が期待する以上の成果(生産性)を出してから言え。
というのが僕の意見です。そして
会社に文句があるならすぐ辞めて転職したり独立すればいい。
と思います。
だって今好景気だから、生産性が高いのに評価されないなんて優秀な人はすぐ次の働き先見つかりますよ。
世の中のメディアがソーシャル化してきたことにより、様々なニュースに自分の意見をぶつけたり、会ったこともない人とWeb上で議論をする機会も増えました。それにより、耳障りがいいことを上辺だけ捉えて肯定をすることで、敵を作らないようにする、という意識の人が増え、結果としてそれが集まり社会の声として認識されていることに疑問を感じます。
自分で会社経営をして、もうすぐ8ヶ月ですが、自社でBtoBアプリケーションの開発・販売をするINSTにとって、一番重たいのは人件費です。多くの他の会社でもそうでしょう。経営者視点で優先順位をつけると、同じ給料を支払う従業員に期待する働き方としては上から順に
・長時間働き、時間あたりの生産性も高い従業員
・定時の時間だけ働くが、時間あたりの生産性が高い従業員
〜正直このライン以下は雇いたくないです〜
・長時間働くが、時間あたりの生産性は低い従業員
・定時の時間だけ働いて、時間あたりの生産性も低い従業員
となります。そして、やれ残業代が、とかやれワークライフバランスが、と声を高らかに主張してくるのは「時間あたりの生産性が低い従業員」である傾向があるように思います(うちにはいませんけどね、そういう人は)。
確かに、デロリアンでマーティーとドクがやってきた2015年の今を生きていくうえで「仕事が第一、家庭のことは顧みない」というようなモーレツサラリーマン的な働き方はオールドスタイルになってきたような気もします。
インターネットの普及によって、ネット環境さえあればいつでもどこでも仕事ができる時代になりましたし、仕事の生産性も上がってきていると思います。ちょっと20年前まで、1人1台PCなかった時代とか、どうやって仕事してたのか想像もできません。別に会わなくてもskypeやハングアウトで地方のお客様とも商談は簡単にできますし、社員との打合せも同様です。
それなのに国際競争力がないとか、言われるようになってきているのは、インターネットや住環境、ビジネスアプリケーションによってグローバル全体で上がったハード要素に依存する生産性の成長の上に、日本人が「美談」を振りかざしてあぐらをかいていて、ソフト要素のパフォーマンスが低いからだと思います。もちろん全部の日本人が悪いとは言ってませんよ。
でもですね、運動会では手を繋いでゴールしてみんな一等賞、お遊戯会ではみんなが主役。優劣をつけるなんてとんでもないなんていう教育を受けてきている子どもたちが、成果も出さずワークライフバランスや労基法を盾に働いてきた両親に育てられ、国際社会に出た時に競争力が発揮できるわけなどありません。
海外のパートナー企業と一緒に働いて約2年になりますが、パートナー企業の人たちの給料は、日本で優秀だと評価されている人の2~3倍あったりします。僕のひとつ下で2500万の給与をもらっているセールスもいます。そんな彼に言われたことがあります。「なぜ日本人は日本の中だけでビジネスをしようとするんだ?ちょっと英語が話せれば就職できる会社の数は3倍以上になり、2倍以上の給料をもらうことだって可能なのに」
まあ僕も国際競争力なんてしっかり考えたことはなかったですけど、労働人口が減っていく日本だけを対象のビジネスマーケットにしていたら、めまぐるしく成長をする中国だけでなく、バングラデシュやシンガポール、韓国などのアジア諸国に負ける日も近いでしょう。まあネットの発展は国境も取り払いましたから、あとは言語の壁だけですね。
昨日は僕の長男の5歳の誕生日でした。名前は凌助といいます。
「凌」の字には、「凌駕する」というような使い方でも分かる通り、上に出る、一番になる、負けない、相手を踏みつけにする、というような強い意味があります。が、それを狙って名付けました。国際競争社会でも負けない強い子になってほしいと。
Happy Birthday、凌助。
キミが大人になった時に、少しでも良い世の中になっているように、親父は頑張ります。
それでは。
Kosuke