「派遣ビジネスはブラック」という潜入レポートにメスを入れてみる

こんにちは、INST石野です。

ジーニアスの三上さんがシェアしていたニュース記事にビビビと目を引かれましたので、見てみたところとんでもない内容が書かれていました。結論、ほぼガセでしょう。こんな信憑性のないニュースが世に出回ってしまっては、大事(おおごと)と思いますので、僕なりにメスを入れてみたいと思います。

「人材派遣業」の闇 ~あまりにブラックすぎる実態を潜入レポート

という記事です。現代ビジネスの記事がlivedoorニュースに取り上げられてるんですね。ちなみに今朝の時点で現代ビジネスの24時間以内の人気記事TOPになってます。いろいろ物議を醸したのでしょう。

スクリーンショット 2015-12-16 09.49.36

どうでもいいですが、TOPページのバナーがenさんの「ミドルの転職」。就職できない中高年を食い物にする派遣会社をdisる記事を書く媒体に「35歳からの転職」を謳うenの広告。なかなかシュールです。

さて、記事の本文を引用する形でツッコミをドンドン入れていきたいと思っています。

日本の労働市場に寄生し、ピンハネで肥え太る悪質な人材派遣業者。彼らの増殖と繁栄は、底辺の労働者のさらなる困窮と表裏一体である。

→労働市場に寄生というほど悪影響与えてましたっけ?あと、「ピンハネ」って書いてありますけど、「マージン」を取るビジネスは他にいくらでもあります。逆に取らないビジネスがあったら教えてほしいです。また、人材派遣の「マージン」の中には雇用保険料、交通費などその他諸々含まれており、人材派遣会社の取り分は派遣先企業の支払額の5%程度が相場です。マネジメントコストを考えると到底肥え太れるような暴利を貪れるようなビジネスではありません。

底辺の労働者のさらなる困窮・・・?派遣がなかったら働けない人もたくさんいると思うんですけど。

もう冒頭からいきなりきな臭い。。。

その続きですが、長いので少しまとめると

・500人くらいの中高年男女が住友ビルの広場に整列させられていた
・派遣会社の若者数十人が監視していた
・時折「静かにしろ」などと注意された
・その後ビル内の研修ルームで研修を受けた
・マニュアル通りにやらないと注意された
・派遣会社の若者の指示通りにやらないと注意された

→・・・え?普通の短期派遣の研修風景じゃないですか?

その後の文章を読むと、メディアによる世論調査の研修だったことがわかります。「衆議院選挙、ドコに投票する予定ですか?」というのを1件1件電話帳からアウトバウンドのコールをして調査をする仕事なのでしょう。おそらくは新聞かテレビ局が独自データを収集するためだと思われます。

こういった調査の際には、業務を行うオペレーターの人の行動を平準化する必要があります。だって、聞き手の聞き方が異なったら精緻で公平なデータは収集できないでしょう。なので、マニュアル通りにやれ、言われてないことはやるなと指示されるのは当たり前だと思います。

その後、筆者の方を含む指示に従わなかった数名が別室に呼び出され、「今日はもう帰れ、明日と明後日も勤務して貰う予定であったがそれもこなくていい」という事実上の派遣契約の破棄を言い渡されます。うーむ。一応この人は不当解雇だと訴えを起こしたり、派遣社員として就業する予定だった期間の給与を請求することは可能です。裁判でどうなるかはわかりませんが、こんな短期間の仕事の場合は訴えを起こすのも馬鹿らしいですし、勤務初日の研修の態度が著しく悪かったと派遣会社に主張されてしまったらまず勝ち目はなさそうに思います。

個人的にいつも思うところですが、こういうトンチンカンな意見を言う人は、権利を主張することに執着している人が多いように思います。「基本的人権の損害だ!」と言うのであれば、「勤労の義務」を果たせよと。法律と法律で守られる人や雇用する人と雇用される人の関係って常にトレードオフであるべきだと思うんですけどね。

さて、少し話がそれたので、また記事へのツッコミに戻ります。

私は過去1年間、一般人材派遣業許可を有する多くの人材派遣会社に登録して就業した。人材派遣会社や派遣先の違法行為を指摘するたびに「派遣のクズが……」と罵倒され、ほとんどの場合、即時解雇となった。

→当たり前です。言い方は適切で無いかもしれませんが、その時点ではこの人は「ただの小うるさいone of them」なわけですから。切られて当たり前。クビになるようなことを派遣会社に言って「クビにされた!」と言ってるだけ。何がしたいのでしょうか。こうやって派遣会社をディスりたいだけですよね。

問題のある派遣会社の顧客リストには驚くほかない。最高裁判所、法務省、厚生労働省、国土交通省、財務省、総務省、文部科学省等の中央官庁。全国の地方自治体が運営する美術館や大ホール、運動場などの公共施設。新聞社やテレビ局などの大手マスコミ、大手通信会社、大手金融機関、大手小売、大手製造……世間から真っ当と見られている団体、企業がこぞって人材派遣会社の繁栄を支援している。

→良い派遣会社なんじゃないですか?これだけ多くの大手と取引できるわけですから。常時雇用されるほどの社会的価値がないか、そのための努力を怠っている人たちを短期でも雇用し、賃金を支払っているわけですから、褒められてこそすれ、ディスられるのはどうかと思います。

派遣が嫌なら、正社員として働けるように努力をしろ。「年齢が・・・」とか言うなら、若いうちに努力を怠った自分を呪え、社会のせいにするな。

というのが僕の意見ですかね。

それでは。

Kosuke

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