”労働時間”で給与が決まることの限界について

INST石野です。

そういえば、先週はてなさんが上場承認されましたね。2001年創業で15年かかっての上場で、世間からはいろんな声も上がっておりますが、そのはてなさんの匿名ダイヤリーで話題になってる記事についてです。

SIはやめておけ

というなんとも刺激的なタイトルです。ブログ記事を見ると新卒で中堅〜準大手くらいのSIer(システムインテグレータ)に入社した人が、SIを辞めたいと思った時にメモっておいた内容に加筆したもののようです。僕も読んで本当にそう思います。「SIに行くのはやめておけ」

ブログ記事は体験談なので、非常に的を得ており興味深い内容です。と、同時に労働時間で給与が決まるような仕組みをなんとか出来ないものかと本当に思いました。

 

工数ベースの給与計算ってなんとか出来ないものか

この人のブログから抜粋するとSIは

・工数至上主義なので予定内の工数以下で仕事が終わらないように手を抜く
・作業の効率化したら工数減って売上減っちゃうからやらない
・開発会社なのに開発人員は外注でマネジメントだけするのが仕事なので開発力いらない
・全体的に意識が低い人が多い(SI業界に毒されているらしい)

などなどが頻繁におこっているようで、その原因は「工数至上主義」という”労働時間”で給与が決まるというビジネスモデルにあると語られております。

確かに労働時間で給与を決めるのは非常にわかりやすい方法です。職場にいる時間は労働、そうでない時間はプライベートと分けることで給与の計算は非常に楽になります。楽になるんですが、職場にいる時間が本当に"働く"ということになるのでしょうか。

働くということはなんにせよ成果を出すということが目的であり、ダラダラと時間を過ごす会社にいる時間は働いているということにならないのではないかと思うのですが。

仕事の効率が良くないAさんは残業をしなくてはならず、毎月の給料30万円にプラスして10万円の残業代を貰える。Bさんは仕事の効率が良いので毎日定時に仕事を終えてくれるので残業代はなく毎月の給料の30万円だけ。長期的に見ればAさんよりもBさんのほうが評価され、ベース給与はBさんのほうが高くなりそうですが、そういう人も現状ゴロゴロいて稼働しており、その人達の残業代とかを確保するために工数至上主義というのが便利だ、ということなんですね。

業務の効率化をしたくない、という会社はないと思っていたのですが、こういうように「工数ベース」で売上を得ている会社にとって業務効率化というのは悪者以外の何物でもないと。対外的には「業務効率化しよう」と言ってはいても本当に業務効率化してしまうと、工数が減り、イコール売上が減るという事になってしまうからですね。

 

そのせいで業務効率化ってあんまり進んでいないのではないか

20年前と、今ってどっちが便利な世の中かといわれたら、間違いなく今でしょう。「昔のほうが良かった」的な話は置いておいても、便利かどうかどいうと断然今。

インターネットが普及しておらず、パソコンも1人1台じゃなかった時代とかに決められたこの8時間×週5勤務という枠の中で仕事をするのであれば、ネットが普及してきて、情報の検索も容易になった今の世の中、もっともっと1人の労働生産性は上がっていってしかるべきだと思うのですが、一人あたりのGDPってそんなに上がってないみたいです。

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※まあちょっとずつは上がってきてるんですけどね。GDP自体はこの20年くらいずーっとステイ気味なんだけど、労働人口が減ってきてるから一人あたりとかにするとまあ上がっているように見えるみたいな感じなんじゃないかと。

 

業務効率化もできない、ナレッジ共有もできてない。SI業界が取り正されておりましたが、他にもこんな業界あるんじゃないかと。

僕達のようなスタートアップは、そうならないように頑張ってまいりたいものです。

なんだかまとまらないんですが、今日はこの辺で。

それでは。

Kosuke