40歳、何者にもなっていないかもしれないオーナー社長のキャリア論

inst石野です。

昨日はバレンタインデーでしたが、奇しくもファスティング期間中のため甘いものは食べれなかったのを全国300万人の石野ファンは察してくれたらしく、例年通りチョコレートのプレゼントはありませんでした。

 

さて、そんな悲しい一日だった昨日、こんな記事を目にしました。

平凡な中高年たちの、後半生のキャリア論

https://twitter.com/sura_taro/status/1490184335332634624

どうやらこのTweetがきっかけらしい。

記事の中に書いてあったことをまとめると

・キャリアを考える若者は出世を目指す
・出世できなかった中年は不幸かと思ったらそうでもなさそう
・意欲ある若者の成長を喜ぶ脇役として生きる中高年は幸せそうだ
・自分にしか興味がない加齢に怯える中高年は哀れだ

的な感じだった。

 

33歳で独立して7年。40歳ちょうど。

40歳という年齢を堺に書かれているこの記事を見て、果たして40歳になった自分は「何者かになれているのだろうか」と考えるに至った。

 

キャリアという考えはあまり好きではない

個人的には「キャリア」というのはあまり好きではなく、自分のキャリアや出世を最優先で考えるような人はあまり好きではない。

5-6年ほど人材紹介のキャリアコンサルタント(兼法人営業)をやってきて、その経験は今に生きているわけだけれども、キャリアのことを考えて相談に来る人達のことが正直あまり好きではなかった。どちらかというと、キャリアよりも幸福度がUPするような転職を支援したときのほうが嬉しかった。忙しすぎて子供と全然コミュニケーションが取れないから転職したい、年収は下げてもいい、とかそういう人のサポートのほうが。

あとは、キャリアなんて結局思ったとおりになることのほうが少ないし、サラリーマンのうちは与えられた仕事・眼の前に降り掛かってきた仕事を一生懸命こなして行ってなんぼ、キャリアなんてその後に付いてくると思っている派だ。

 

偶然決まった社長への第一歩

「いやいや、そんなこと言っても石野さん、社長じゃないですか」

と言われる人もいるかもしれないので、OPENな場では書いたことがなかったかもしれないが、僕がinstを創業するに至った経緯を掻い摘んで簡単に書いてみよう。

まず、前職の会社が、海外のSMSサービスの日本総代理店になったのが1番のきっかけだった。しかし、このDEALを巻いたのは僕ではなく、前職の社長だった。そしてその代理店事業の担当も社長がやる予定だったのだ。その後僕がその事業の担当になったのは、SMS事業をやるにあたってめちゃくちゃ大事な国内最大手通信キャリアとの大事なMTGに社長が前日飲み過ぎで寝坊して僕が急遽代打で出席することになってしまったからだ。これを偶然と言わずなんと言おう。

実務での英語経験0、パートナー会社の担当者は日本語ほとんど喋れない。通信業界の経験ほぼ0。というところから僕のSMS事業者としてのキャリアはスタートした。

英語が出来ないと仕事にならないので、英語も必死に勉強した。研修で香港に行って英語でサバゲーまでやらされたのはいい思い出だ。

そして人脈やコネ、使えるものは全て使ってSMSも売りまくって事業は立ち上がった。

その後、ひょんなことから独立をすることになったのだが、結局あの日前職の社長が飲み過ぎて寝坊していなかったらinstはないかもしれないので、僕が「社長」というキャリアを見据えて行動していたわけではないというのは理解してもらえたことだろう。

 

今みたいなマイルドな経営にしたいと思っていたわけでもない

2015年に独立をしたわけだが、別に今のようにマイルドな経営にしたいと最初から思っていたわけではなくて、ずっと前に書いた

1年半「社長」をやってみてわかった7つのこと

この記事、特に4に書いてある「サラリーマン時代に『社長』にやられて嫌だったこと」と、会社のキャッシュフローだけを気にして経営をしてきたらこんな形になったという感じだ。

※ちなみに上述のブログはNewsPicksでもちょっとバズった。今見ても良い事書いてあると思うw

 

 

オーナー経営者のキャリア論とは

オーナー経営者は気楽で良い。経営の意思決定権が全て自分にあるというのは、責任が大きい反面、自分の度量の範囲内で事業を展開すればそうそう大きく外すこともない(のではないかと思う)。

贅沢なのかもしれないが、僕の場合は比較的早く自分の理想とする形に会社経営が落ち着いてしまったので、刺激がないと言えば刺激はないのかもしれない。

なにか新しい課題を自分で自分に課して、クリアをしていくという日々なわけなので、課題を課さないことには暇でしょうがない。

経営者としての成長というのはどうなんだ、みたいなのが社長のキャリア論だったとすると、会社の大きさはひとつの尺度になるわけだけれども、そうでない評価軸を持っている人の社長としてのキャリアを否定するのはいかがなものかと思う。

ちなみに僕は会社規模とか社員数には全く興味がなくて、従業員1万人いたらそれはそれで雇用を創出していて素晴らしいことだとは思うのだけれども、結局は利益と従業員の満足度、自分の可処分時間のほうが大事だと思っている。影響の輪を広げてもきりがないと思っているので。

そうすると、結局はキャリア論というのは自分で自分の人生に納得感をどう持つかということが大事なのではないかという結論に達した。それは出世を目指す若者も、出世が出来なかった中高年も同じであって、スタートアップ経営者も上場企業の経営者も、僕のような中小企業のオーナー経営者も、強いては専業主婦や学生も同じだと思う。

 

40歳で何者にもなっていない人なんていないんじゃないか?

僕は家に帰って家族が「おかえり」と迎えてくれて、ハイボールと美味しいごはんがあれば、それでいいんじゃないかなと思ってしまったりもする。

 

それでは。

Kosuke

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