内定取り消しや大規模リストラは果たして本当に悪なのか

inst石野です。

株式会社ネクサスプロパティマネジメントによる内定取り消しについて。

こんな記事を少し前に目にしました。要約しますと

・とある不動産企業から内定をもらった
・内定と言っても業務委託契約で正社員としての雇用ではなかった
・4月から入社予定だったが3/25にいきなり内定取り消しの連絡(文書でなくLINE電話)があった
・詳細の説明は(この記事執筆時点では)無い模様

 

という感じです。まあよくありがちな内定取り消し話です。

そういえばアクセンチュアでも大量リストラの報道があったのも記憶に新しいですが、inst石野としては

 

そんなに騒ぎ立てるほどのことか?

 

という感じで捉えております。

なので結論から言うと内定取り消しも大規模リストラも悪だとは僕は思っていません

 

ので、「お前はアホか!内定取り消しやリストラは悪に決まってるだろ!」という方はぜひブラウザの戻るボタンか✗をクリックして速やかにご退場願います。

 

 

 

続けさせていただいて良いですね?

 

悪いのは内定取り消しやリストラではなく日本人の考え方である

結局の所、こういった報道が大きくDisられるのは日本くらいなのかなとも思っており、それはまさに日本人の多くが

給与を稼ぐではなく給与を貰う

感覚で仕事をしているからではないかと思っているわけです。

会社に在籍さえしていれば給与が貰えるという考えが頭にあるので、会社をクビになったら(内定取り消しになったら)大変!という思考に陥るわけです。

確かにこのnoteの執筆者のように就職や転職にあたって引越し費用だったりバイクの売却など、「就職できないんだったらやらなかった」ことによる実害があるのは大変かわいそうだなと思うわけですが、今回のような内定取り消し事案を取り上げたニュースを見た人の殆どは

 

内定取り消しなんてひどい!職を失う人の気持ちを理解しろ!

 

という気持ちでこの会社を批判しているのではないかと思うわけです。

日本人は職を失うことを恐れすぎていて、というのは給与は自分で稼ぐもの、という感覚が希薄なのではないでしょうか。自分で給与分以上の金を稼げる自信がある人は就職先などすぐに見つけられるという自負があるので騒がないのではないでしょうか。

 

総理大臣ですら「雇用の安定」を重視するという発言をして選挙で票を得ているので仕方のないことかもしれませんが、雇用が安定する=経済が発展するという数式は成立しません。といいますか高度経済成長を遂げていた戦後〜バブル弾ける前までの日本だったら成立していたのかもしれませんが、経済の成長が鈍化している現代においては雇用の安定と経済の発展は寧ろ反比例の関係にあるのではと思っています。

 

リストラはまっとうな経営判断である

アクセンチュアの大規模リストラが良い例です。

世界最大級のコンサルファームが、DX推進コンサルティングでお金を稼いでいるのに今までと同じようなバックオフィス構造をキープしていては医者の不養生どころの騒ぎではありません。顧客に説明するときの説得力が大きく欠落してしまいます。

仮にコンサルタント部隊でリストラが実行されたとしても、「今がチャンスだ!このマーケットだ!」というビジネスチャンスを見つけたときにに、お金をかけて増員してビジネスを拡大して稼ぎを最大化し、仮にそのマーケットが落ち着きを見せたり下降線を辿りそうなときは整理解雇を行って売上減やコスト増・次のビジネスチャンスに備えるというのは、経営の教科書通りのまっとうな経営判断でめちゃくちゃ順当なセオリーであると僕は思うわけです。

特に日本は社保が充実してるし、退職一時金も支払われたりするんだから、僕から言わせてもらえれば「クビになっていちいち文句言ってんじゃねーよ」という感じです。

 

以前から持論として展開していますが、日本の労働関連法規はとても従業員をクビにしづらい構造になっていてそれが経済成長を阻害していると思っております。

まあとはいえ、日本での会社経営は日本のの労働関連法規に基づいて行う必要があるので、「日本では従業員をクビにしづらいから俺の会社は潰れた」という言い訳はできないわけですが、日本国民が雇用の安定を望み、リストラをする会社を悪としてみなしてしまっているので、得票を得たい与党がこのあたりの時代遅れの労働関連法規にメスをいれることは1億%ないでしょう。ので、結局いつまでも改善されず前述したようなまっとうな経営判断がしづらい状況が続いているわけです。

 

内定取り消しに話を戻しますと、これも責任としては会社にあるものの、致し方ない経営判断で決して間違った洗濯ではないと思います。

確かに新卒入社という一生に1枚しかないカードを切って、それが反故にされたとなったら大変痛ましいことだというのは間違いありません。が、新卒を雇えないという状況の会社に無理やり入社させてもらったとしても、給与が支払われなかったり、支払われたとしてもそれによって経営を悪化させて倒産ということになったら誰も幸せになりませんよね。

「じゃあなんであのときに内定なんて出したんですか!!?」と抗議したい気持ちもよくわかります。が、内定出したときは採用しようと思ってたんですよ、ホントに。(多分)

採用するときにリストラするつもりで採用してる会社は(多分)ないと思いますし、本当に一時的だとわかっている人員ニーズであればアウトソースするなり派遣使うなりします。内定出すときに取り消すつもりで未来ある若者に内定出してる会社もないと思いませんか?普通に考えて。

 

まあ今回の事案で行くと、そもそも高給に釣られて業務委託契約を飲んでしまっている時点でミスチョイスであると言わざるを得ないような気もします。雇用契約が結ばれていたとすると社会保険でなんとかカバーする方法がありそうな気もしますが、業務委託契約で履行前ですと何らかの保障を得るためには会社側の好意があるか、少額訴訟でも起こさない限り難しいでしょう。※この辺りの雇用関連の法律や保障に関して無知な国民が出来上がってしまっているのも日本の大きな問題のひとつです。

 

僕は雇用される側から雇用する側になって丸8年なのでこういう意見が言えるのかもしれません。が、多分副業で稼げたりとか企業の看板が無くても仕事ができるとか、就職先が引く手あまたで選び放題というような雇用されているビジネスパーソンの方々には共感頂ける内容なのではと思います。

もしこのブログを見て「石野、何言ってるんだ!企業は従業員の雇用を守るのが当然だろ!クビにするなんてもってのほかだ!」という意見の方は、ご自身の胸に手を当てて、しっかりと給与に見合った働きができているのか再考していただけますと幸いです。あ、そういう人はここまで読んでないか。

 

それでは。

Kosuke (Twitterはこちら

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