スタートアップこそ、値引き要求に応えるべきではない
さて、刺激的なタイトルですいませんw
SMS配信SaaSの「INST SMS」はおかげさまで導入社数40社に迫ろうとしているINSTの主力商材です。ですが、SMS配信サービスにはたくさん競合がいます。機能面ではどれにも劣らないと思っています。他の会社では有料だったりする機能(auあんしんブロック回避や、URLのクリック確認、API提供など)も無料で提供しています。
それなのに「SMSを配信する」というところだけを切り出して、「他は初期無料で1通◯◯円まで値引くって言ってるけど、INSTさんどうするの?」などと値引き要求をされることがあります。(INST SMSは初期15万円、1通15円)
創業間もないので、新規の契約は欲しいです。別にその要求された価格まで値引いても利益は出なくはないです。ですが、断固お断りしております。INST SMSは今後機能拡張をしていく商材ですし、月末にはブラウザで出来るチャット「INST Chat」との連携も行います。未来を目指すサービスですし、「SMSを送信する」ところだけにフォーカスするお客様には別にご利用いただかなくていいと思っているからです。別にそのお客様も、値引きをして契約を勝ち取った競合もそのサービスも悪く言うつもりは全くありません。非常に正しい経営判断だと思います。安く買えるものは安く買ってコストを抑える。これは当然のこと。
ちょっと話をそらします。
例えば、「お腹をいっぱいにする」ことだけが目的なのであれば、コストパフォーマンスが一番良いのは牛丼屋に行くことではないでしょうか。500円あればかなりの満足度が得られます。でも、なぜ人は1人何万円もする寿司やフランス料理を食べるのでしょうか。僕は高級寿司屋に行く人は「目的が『お腹をいっぱいにする』ことではないから」だと思います。僕はINST SMSを「SMSを送信する」ためだけに提供している気は全くありません。事業発展のために提供させて頂いていると思っています。
値引きを要求してくる顧客の中には「ウチは大手だし、ウチと取引してるって言えば、御社の信頼にもなるでしょ」とおっしゃる方もいます。本当にその通りなんです。取引実績に大手企業の名前があれば、安心感もありますし、大手であればたくさん使って頂けてたくさんの費用をお支払いいただける優良なお客様になって頂ける可能性も高い。
でも、大手の看板をちらつかせての値引きって、「俺有名人だから、この寿司、1,000円で食わせてよ」って言ってるのと大差ないんじゃないかと。その企業の担当者も、昔営業やってて、不当な値引きを大手顧客に要求されていたから、ごく自然にやっているかもしれません。でも自分がやられて嫌だったことはあんまり他人にやらないほうがいいですよね。
新サービスをリリースするにあたって、お客様にテストを依頼することも多いのですが、その時にも無料で提供したりはしません。だってエンジニアが死ぬ気で開発して、世の中をよく出来ると思って自信を持っているわけですから。「お、それはいいね。なんか協力できることある?」と言って頂ける企業様にテストをお願いしています。すごくありがたいことです。そのお客様がいなければサービスの不具合も確認できませんので、そういった時にはこちらから少しディスカウントしたり良い条件を提案させて頂いています。でもそれって値引きじゃないですよね。テスト実施するってことは自社のユーザーを失うかもしれない、というリスクを負って頂いてるので。
無意味な値引き要求をしてくる会社にリスクはないですよね。(まあこんな半年も経ってない会社と取引すること自体リスクだと言われたら元も子もないですがw)
スタートアップこそ、値引き要求に負けるべきではない。
世の中のスタンダードを変えようと提供しているサービスなので、良い使い方をしていただけるお客様に使って欲しい。もしかするとこの先はそう言っていられなくなるかもしれませんが、発注先を業者扱いされるような会社様はスタートアップのお客様ではないのではないかと。できればファンを、濃いファンを増やしていきたいですよね。
まだ何とかやっていけてるからこそ言えることなのかもしれませんが、この姿勢は貫いていきたいです。いつか値引き要求してきた会社の方々が戻ってきてご利用お申込みを頂ける日を夢見ながら、来週も頑張って営業していきたいと思います。
それでは。
Kosuke