1年続く在宅勤務に備えるためにやるべきこと
inst石野です。
緊急事態宣言から10日ほど経過しましたね。まだオフィス街には人がいるようですし、山手線の乗車率や各種アンケートなどを見ても在宅勤務(リモートワーク)している人の割合は2-3割というところなのかなと。
まだ通勤されている方の中には、インフラ系の仕事や医師や看護師の方々などもいらっしゃると思いますので、一概に通勤している人は悪だ!と言い放つのは難しいわけですが、僕の感覚では業種や職種にもよりますが在宅勤務可能者の割合は労働人口の6割くらいなのではないかなと思います。
今回の在宅勤務トレンドは1年は続くと思っています。ので、物理的に在宅では不可能な業務はあるにせよ、「セキュリティ上の問題」や「会社の規定で捺印が必要」などというのは、人命より優先されるような事案とは思えないので、企業側に努力義務があるのではないかと思っています。
また、COVID-19が沈静化したとき、日本の在宅勤務率は今までより必ず高くなっていることでしょう。あれ?俺たち在宅で大丈夫じゃね?みたいな。
ですので、今回は一応リモートで5年会社を経営しており、東京本社を捨てて2年半で売上を2倍にした経営者ということで在宅勤務のために行っておいたほうが良いポイントをいくつか、自分の経験を元にまとめてみたいと思います。
1.紙をなくす
在宅勤務が出来ない会社の9割は「紙文化」の会社ではないでしょうか。
稟議書を買いて課長のデスクの確認依頼ボックスに置く、課長が確認捺印したら部長→役員→社長と順に稟議書が回っていく。。。会議の資料を出席者全員分印刷する。提案資料は必ず印刷・製本して先方に持参する。請求書は必ず原本を経理に提出する。
紙を撤廃して書類をPDFやGoogleドキュメントにしてクラウドに保存することが在宅勤務に備えるための第一歩です。
instは創業当時は別にリモートワークをする会社ではなかったのですが、ペーパーレスということだけは創業時点で決めていました。ので、副業エンジニアを雇用したり、千葉オフィスに移転したりすることのハードルがむちゃくちゃ低かったのを記憶しています。
ペーパーレス化をする時のポイントはファイル名を必ず「yyyy/mm/dd+なんのファイルかわかる件名」で保存することとデスクトップにファイルを置かないことです。フォルダや権限設定なども重要ですがファイル名が統一されてクラウドに保存されていればなんとか検索できます。
PCのデスクトップに「新しいドキュメント(12).docs」とかがある人!ギクッとした人いますね?そういう人は「俺の会社在宅勤務認められねー」と愚痴を言う資格もありません。
紙をなくすことのメリットは紙代、印刷代のコストカットだけでなく、検索性が上がること、物理的接触をしなくても情報を相手に渡せることなど多岐にわたります。逆にペーパーレスのデメリットは「確認漏れ」が生じやすくなることです。ですが、これは紙文化から移行した結果、前よりも確認漏れが増えてしまうというだけで慣れの問題で解決できることが多いと思います。
2.ハンコをなくす
紙文化とほぼ同じくらいの功罪があるのがハンコです。日本ではIT担当大臣がハンコ協会の理事かなにかで「所詮民間の問題」とか言い放ってプチ炎上していましたね。
ハンコの目的ってなんなんでしょうか?と考えてみると、自分が確認したよ、OKだよ、というのを自分しか保有していない(だろう)ハンコを押すことで承認するということですよね。ぶっちゃけ上司が超珍しい名前とかでない限りは100均でハンコ買って押せちゃったりするわけですし、超脆弱なわけですが、何故か日本ではずっと重宝されている不思議な文化です。
会社の登記や銀行口座を作るとき、通帳から現金を引き落とす時には必ず必要になってしまうのでその辺なんとかして欲しいという気持ちもありますが、企業間の契約やサービスの申し込み、労働契約などに関してはクラウドサインなどの電子契約サービスを使えば従業員レベルの捺印作業は0にすることができます。
稟議書にハンコもらわないと。。。みたいな確認→承認作業に関してはBizer teamなどを使えば問題なくクリアできます。
3.クラウドツールを使う
これまでにもGoogleドキュメント、クラウドサイン、Bizer teamなどの名称がもう出てきてますが、クラウドツールの活用はリモートワークには欠かせません。逆にオンプレのサーバーで自前で作った業務システムがゴリゴリ動いている会社に勤めている人は、在宅勤務をするのは難しいですので諦めましょう。
クラウドツールはASPと呼ばれていた2000年代初頭から比べるとだいぶマーケットも大きくなりましたし、大手企業への導入も増えてきました。
ですが、海外に比べるとまだまだ日本はクラウド化、クラウドツールの導入が遅れています。理由は日本人は自分の会社の業務が特殊だと思いたい人が多いというのと、システムが業務に合わせるものだという考えが染み付いてしまっているからです。
クラウドツールを使うためには、自分たちの業務をシステムに合わせる必要があります。
なので、この在宅勤務が奨励されるタイミングはシステムのクラウド化、クラウドツールの導入にはチャンスなのではないでしょうか。「業務オペレーションを変える必要があるけど、このクラウドツールを使わないと在宅勤務がスムーズにいきません」というのは頭の固い上司を説得する良い材料になると思います。
セキュリティーがー、とかいう問題に関しては紙ペラをその辺に置いておくのとAmazonやGoogleが莫大なコストをかけているクラウドサーバーを使うのとどっちが良いか、わからない人は・・・満員電車でクラ・・・おっと、ネガティブコメントは控えているんだったw
4.会議・打ち合わせを減らす
打ち合わせがあるから会社に行かないと。。。定例の役員会があるから。。。という人もいるでしょうが、日本の会社は会議が多すぎです。
instは創業以来原則チャットでコミュニケーションを取るようにしており、会議は週に1回、1時間だけです。その他話し合う必要があるものに関しては個別にチャットやTV会議で十分です。
答えが出ていますが、会議・打ち合わせを減らすにはチャットツールとTV会議ツールの利用が必須です。逆にそれらを導入すれば会議・打ち合わせは絶対減らすことが出来ます。
今の段階でチャットツールはSlack一択かなと思います。TV会議ツールは様々ありますし、ひとり勝ちかと思われていたZoomはセキュリティーの脆弱性が見つかったりアカウント情報が売られている疑惑などもありましたしw会社によって利用用途も異なると思いますので、自分たちで色々使ってみるのが良いと思います。
instでは社内はZoom、社外とはWhereby(旧appear.in)を使っていますが、社内用をdiscordにしようかなと今まさにトライアル中です。
5.電話を減らす
まずは会え、会えなければ電話、電話もできなければメールだ!
と営業のコミュニケーション術を教えられたのがもう15年前になりますが、僕の2019年の顧客訪問件数がトータル6件でした。1ヶ月の平均が6件ではなく、年間で6件です。6アポ。
じゃあ電話をしてるのか、というと基本的に電話もしません。会社の電話番号は公開してませんし、基本的に僕の仕事専用ガラケーに転送されてくるのですが、基本的に出ませんwかかってきたら番号ググってサービス利用中企業であれば担当者にメールをする程度ですね。
外部とのコミュニケーションのメインが電話だったりしますと、リモートワークでかつ学校も休校状態の今は支障が出やすいでしょう。まあ別にこの状況下で顧客と電話してて子供が泣いて失礼だから御社とは契約しない、というアホとは契約しなくていいと思いますがw
また、当社で提供しているINST MessengerというSMS配信ツールも、BtoC事業者がtoCに対して行う電話コミュニケーションを減らすためのツールとして使っていただいたりしています。説明会の前日にリマインドの返信フォームを送ったり、日程の調整を行ったり電話を掛ける人の人的コストも削減することが出来ます。事例などもたくさんありますので、是非参考にしてみてください。電話嫌い、訪問嫌いの経営者の会社が作ったサービスなので電話や訪問を減らしたい人にはピッタリと思います。
もちろんオンプレミスではなく、クラウドサービスですw→INST Messengerはこちら
6.賃料が安い東京以外の都市に引っ越す
実はこれが一番ガチで在宅勤務を成功させるポイントなのではないかなと思ったりしています。
instは2017年10月に東京神田のインキュベーションオフィスを引き払って、千葉県千葉市中央区に本社移転しました。JR千葉駅から徒歩15分です。2年半で来客は4件です。
社員は月1回、近場に住んでいるエンジニア(つくば、南千住、相模大野)だけ午後だけ出社します※今はコロナ期間なので3月からその月1の出社もなし。
家賃は坪単価ベースで東京の1/3程度ですし、常時僕以外の社員がいるわけでもないので広くある必要もなく賃料も安いです。月間の売上に対する賃料の比率は1%程度です。これってめちゃくちゃ固定費安く抑えられてますよね。コロナ不況でなくても売上が減ったら固定費の削減は急務です。
実際にTwitterでもオフィス解約した〜という経営者のTweetって結構目にしますよね。
千葉オフィスにしてから原則訪問での営業もせずにTV会議ツールを使ったオンライン商談を行っているので、今回の在宅勤務・リモートワーク推奨の環境にはあっけないほど適用出来ました。訪問営業しないと受注率下がるというのは迷信だと思っています。もし下がったとしても移動効率や社員の安全考えたらここから1年程度はオンライン商談でやっていくべきでしょう。
また、引っ越したほうが良いのは会社の本社だけでなく、従業員の家もです。
COVID-19収束後は間違いなく在宅勤務率が上がります。それに伴い、ある程度利便性が高い地方都市に引っ越す人が増えると予測しています。不要不急かもしれませんが、もし今僕が都内に住んでいたら人口密度も高いし人との接触も多いので地方都市への引っ越しを検討→早期に実行しているでしょう。
在宅勤務になれば都心に住む意味は殆どなくなってしまいますので、同じ賃料で部屋が1-2つ多いところに引っ越したほうが、共働きで両方在宅勤務の夫婦が同時刻にTV会議が入って、旦那さんがトイレでMTGしないといけなかった、みたいな悲しい出来事が減りますし、仕事の効率も上がるでしょう。
ちなみに千葉市は教育も医療も充実していますし、美味しいラーメン屋も多いですし、市長も若くて優秀ですのでおすすめですよ!もし千葉市への引っ越しをご検討の際は是非ご相談ください!石野家の近くに住んだら石野サロンに入らなくてもお魚のおすそ分けがあるかも!?
ということで結構長くなってしまいましたが、いくつか在宅勤務のためのポイントを書いてみました。「早くCOVID-19収束しねーかなー」というのは誰もが思うことです。ですが、いつ収束するのかは神のみぞ知ることですし、今は在宅勤務・外出自粛で過ごすしかありません。だとすると在宅勤務を快適にするためにどうしたら良いか、経営者も従業員も考えて行動を実行に移し少しでも快適に収束までの時間を過ごし、ストレスを減らしていきたいものですね。
それでは。
Kosuke
〜あとがき〜
運動不足解消のためにinstではLEAN BODYを導入しました!利用している家庭は限定的ですが、令和ブートキャンプやっている家も数件あります(石野家含む)
皆さんのおすすめの運動不足解消アプリ・サービスなど、是非教えて下さい!
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