パリオリンピック女子ボクシングで考えた性差別と性区別について

inst石野です。

 

今日は社会派のブログを。

 

先週こんなニュースがありました。

「男性の方は女湯に入れません」 トランスジェンダー議論に一石、アパホテルの対応に称賛の声

パリ五輪で「トランスジェンダーの元男性が女子ボクシングに出場して勝利した」は誤り。生まれつき女性

 

前者のアパホテルのニュースが先にネットで話題になったこともあり、パリオリンピックの女子ボクシングのニュースについて誤認して早とちりしてしまった方も多かったようです。

 

 

↑例えばひろゆき氏も。(もしかするとこのブログ公開時にはTweetが削除されているかもなので念の為スクショも)

 

この2つの性別に関わるニュースは、双方ともにセンシティブな問題であり「絶対にこれが正しい!」という絶対解もなく、加えて多くの人が当事者や直接の利害関係者でもなかったりするので、LGBTや多様性に理解がなされるようになってきた現代でも、とても議論が難しい問題ではあります。

あくまで僕の個人の持論として書いていきます。こういった話題がお嫌いな方はそっとブラウザを閉じていただけますようお願いします。

 

 

最初に結論から言うと、こういった問題に関しては「差別」ではなく「区別」をしっかりするべきという意見に自分の中でまとまりました。

LGBTや同性婚など、性に関する理解が深まってきていることは良いことだとは思いますが、トランスジェンダーや今回議論の対象になっている染色体異常や性分化疾患を患ってしまい今までの「男女」の区別に当てはまらない人達の権利を尊重しつつ、(あくまで)一般的な男女の権利を守るためには新しい定義を設けないとごちゃごちゃになりそうです。

<まとめ>
・利用時に性差別が行われている施設では身体的特徴に合わせて利用する
・トランス女性は女子スポーツに参戦せず、性同一性障害を持つアスリートが目標にできるスポーツ大会を
 ※染色体異常や両性具有など一般的な男女区別で判別が難しいアスリートも同様

<理由>
・全体最適という視点で社会ルールを運用するべき
・性転換して女子スポーツでの好成績を狙う男性が女性の安全や努力を侵す可能性
・恣意的な遺伝子操作などにより同様に女性アスリートの安全や努力が蔑ろにされる可能性

本当に性自認が身体的特徴と異なる人や、今回の女子ボクシング選手のように染色体異常や、両性具有などの性分化疾患を患ってしまっている人達にはとても厳しく認め難い内容だとは思うのですが

・悪意ある人を除外するにはそこで線引きするしかない

この問題に関しては残念ながら「性悪説」でマネジメントをするべきというのが僕なりの結論です。
※もちろん反論はあると思いますし、僕が正解とは限りません

 

トランス女性(元男性)の女性用施設利用や女子スポーツ参戦について

アパホテルの「大浴場の利用は身体的特徴に合わせた性別で利用してください」というのはすごく真っ当であると思います。いくら性自認が女性であったとしても、チ◯コぶら下げた見た目が完全な男性が女性用の浴場を利用している状況というのは極めて不自然ですし、(差別的な表現かもしれませんが)純粋な女性にとって極めて強いストレスになると思います。

100歩譲って女性用の浴場を利用したいトランス女性はチ◯コ除去はmustで、見た目も女性に近づけるべきだと思います。そうなっていない状態なのであれば、部屋のシャワーを1人で利用するべきです。

「私は性自認は女性なんだ!女性の裸を見ても何も興奮しないんだ!だから女性用の大浴場を利用する権利がある!」

という主張をしたくなるのはわかりますが、本意なのか悪意なのかを見抜く明確な方法がないのも事実です。

身体的特徴が男性で、性自認が女性という人の女性用施設利用を認めてしまうと、性自認はあくまで人の心の中にあることなので悪意ある男性が主張したら女性用施設を使わせなくてはならなくなり、純粋な女性の安全が守られません

 

スポーツ参戦に関しても同様です。これは身体的特徴を女性にしたとしても、かなり難しい判断にはなると思いますが、少なくとも多くの女性アスリートが目標にするような大きな大会ではトランス女性の女性スポーツへの参戦は認められるべきではないと思います。

こちらに関しても
「男性競技者としては勝てないから女性に性転換して世界TOPを狙う」
という可能性が拭いきれないからです。

オリンピックに対してパラリンピックがあるように、トランスジェンダーのアスリートの方が競い合える大会を行うのが良いのではと思います。パラリンピックに出場するをアスリートの方々は、事故や先天的・後天的な病気などで何らかのハンディキャップを背負った方々ですが、極めて誇り高くパラリンピックを目指していると思います。

トランスジェンダーに関する議論は様々ですが、性同一性障害というハンディキャップを持ってしまった方々になると思うので、差別ではなく区別をして競い合って行くべきではないでしょうか。安全性や公平性を担保するために、性別・体重別で区分けをしているわけですから、ここでも女性の尊厳や安全を確保するために区別することが必要だと思います。

 

不登校生徒の修学旅行参加エピソード

話はずれますが、こんなエピソードをネットで目にした記憶があります。

・不登校の生徒がいた
・自分が仲が良いと思っている友達だけでグループを編成してくれるなら修学旅行へは行きたいと主張した
・学校側がその不登校生の主張を認めてグループ編成をした
・結果、不登校の生徒も修学旅行に参加したが、不登校の生徒の体力的な問題がありそのグループだけルート短縮されたりして他のメンバーは満足に修学旅行を楽しめなかった
・不登校の生徒は楽しめたという感想だった

皆さんはこの話を聞いてどう思うでしょうか?

もちろん自分がその不登校生徒の親だったら「なんとか修学旅行だけでも行って欲しい!友達にサポートしてもらいたい!」と願う人が多いとは思いますが、僕が親なら

・友達にちゃんと状況を伝えてグループ編成に納得いただくこと
・団体行動を乱してしまうような状況になったら親か先生が引き取ること
※先生に頼むのは申し訳ないので多分自費で帯同して緊急時に自分で引き取るかな

という条件をつけると思います。

自分の子どもに楽しんでもらいたいという気持ちはあっても、他人のお子さんに迷惑を掛けて一生に一度の修学旅行の思い出を台無しにするのは忍びないですよね。

法律やルールというのは「部分最適」ではなく「全体最適」の上に成り立つものだと思います。

 

イマネ・ケリフ選手の件について

パリオリンピックの女子ボクシングで起きた事象を整理しますと

・イマネ・ケリフ選手と戦ったアンジェラ・カリニ選手が棄権をした
・ケリフ選手はトランス女性ではなく、女性として生まれ女性として育った純粋な女性
・ケリフ選手は染色体異常でXY染色体(男性の染色体)を保有しており、骨格や筋肉の発達が男性並みだった
・多くの人がケリフ選手をトランス女性と勘違いしてSNS上で「オリンピックの終わりだ」などと非難した
・メディアが徐々に正しい情報を発信し始めた
・イマネ・ケリフ選手、準決勝進出でメダル確定[NEW]

という状態です。

こちらに関しては正直めちゃくちゃ難しい問題だと思います。が、御本人には申し訳ないですが

「染色体や遺伝子の操作によって意図的に『身体的特徴が極めて男性よりの女性』を産み出して女性競技で勝つ」

という可能性が拭いきれないため、僕はIOCの「すべての人は差別なくスポーツをする権利をもっている」という判断よりも「競技者の安全と健康を第一に考え、男女間のボクシング試合を決して支持しない」というIBA側の判断を支持します。

 

もちろんイマネ・ケリフ選手は遺伝子操作をして男性的肉体を手に入れたわけではないことは理解してますが、スポーツや社会全体の仕組みを考えたときには、この問題に関しては「性悪説」でマネジメントを行うほうが安全や女性の人権が担保できるのではないでしょうか。

 

いやー、この週末いろいろ考えて子どもたちや妻とも話してみたのですが、かなり難しい問題ですね。
こういった話はぜひ初等教育の段階などでディスカッションの機会を設けていくと良いなと感じました。

 

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それでは。
Kosuke

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