ヘッドハンティングとエグゼクティブサーチと人材紹介の違いについて
INST石野です。
NewsPicksはブログネタの宝庫。某テリジェンスさんの記事広告で「ヘッドハンターとの付き合い方」的なものが出ておりました。そこでふと思ったのですが、ヘッドハンティング/エグゼクティブサーチ/人材紹介の違いとはなんじゃらほいと。なので、考えてみようと思います。
一応、僕がインテリジェンスの後に働いていた会社はエグゼクティブサーチも行える人事コンサルティング会社的な位置づけでした。そこで登録型の人材紹介を立ち上げたわけですが。僕の上司にあたる方が、まあいわゆるヘッドハンターでして、上場企業のCFOとかをサクッと3日とかで決めたりとか目の当たりにしてましたし、面談ブースの予約名が「◯◯社(上場企業)△△さん(社長名)」とかで「人の紹介ですか?」と聞いたら「転職したいんだってよ」みたいなことも多々あったので、一応普通の登録型人材紹介だけをやっていた方々よりは知見があるのかなと。
なので、基本的に僕個人の意見で分類してみるので、詳しい人がいたら補足コメントなどいただけると幸いです。
基本的に「外部から人を採用してくる仕組み」であることに変わりはない
これはあたりまえすぎる。いずれの言葉も人を採用する方法であることに変わりはないですね。ヘッドハンティングは自社の直接採用でも行うことができるのに対して、エグゼクティブサーチと人材紹介は必ず接頭語に「第三者を利用して」が入りますかね。
「競合他社のエースを社長自らヘッドハンティングしてきたのですよ」はあっても
「競合他社のエースを社長自らエグゼクティブサーチしてきたのですよ」はないですね。
別に偉い人を採用するのがヘッドハンティングで若手を採用するのが人材紹介ではない
若手向けのヘッドハンティング会社って結構ありますよね。レ◯スさんは一時期若手向けのヘッドハンティングですごく取りた出されましたが、今は何がメインなのでしょうかね。今HP検索してみたらグループ会社のレイノス、というのがヘッドハンティングやってるみたいですが。あ、伏せ字の意味なくなった。
ちなみに見に覚えがある人もいるでしょうが、某外資系保険会社とかも直接若手向けのヘッドハンティングやってますよね。いきなり電話かかってきて「◯◯さんが非常に優秀な営業の方だとお聞きしましてぜひ一度お会いしたい」みたいな。
なので、年齢や職位レベルの差が用語の違いではないことも明らか。
候補者DBの違い
まずひとつ明確なのはこれでしょう。
ヘッドハンティングは転職意向のあるなしに関わらず、クライアント(自社)の欲しいターゲット層にアプローチをして、口説き落として採用する。ちなみにリクナビNEXTやDODAの転職希望者DBはほぼ、というか絶対使わないでしょう。ちなみにターゲット層にアプローチをすることを「スカウトする」と言ったりしますが、「スカウトする」と「スカウトメールを送る」は全く異なりますのでご注意を。今やあまりにスカウトメールが出回りすぎて「人材のスカウト業務」というと「スカウトメールを送ること」になっていますが、本当はちょっと違うかと。
エグゼクティブサーチはヘッドハンティングと人材紹介を足して2で割ったようなものではないかなと。転職者DBを使うこともあるし、サーチ活動(リスト化してアプローチして面談)をすることもある。ちなみに某大手系のエグゼクティブサーチ会社はほぼ転職者希望DBを使っている(その割合のほうが大きい)ので、厳密に言うと人材紹介の方に近いと思っています。
人材紹介はみなさん御存知の通り、基本的には「転職したい人、集まれ!」でワ~って集まってきた人をクライアントに紹介するモデル。
なので、
ヘッドハンティング→オリジナル候補者DB※まあDB作らないこともあるけどそれは後で
エグゼクティブサーチ→オリジナル&転職希望者DB
人材紹介→転職希望者DB
ですね。
フィーの支払い方の違い
これも結構曖昧ですが、いわゆるリテイナーと言われる着手金をもらうかどうかも差異を生む要素のひとつでしょう。イメージとしてヘッドハンティングは下準備に時間と労力がかかりますので、それのためのお金という意味でほぼリテイナーはもらう。
エグゼクティブサーチは半々くらいで(その会社のクライアントの要求レベルにも寄ると思うけど)普通の登録型人材紹介でリテイナーもらうのはほぼないですね。
どっかの国で全裸になった新卒紹介会社の料金形態が「5名採用コミットします、1人60万円で300万円前金で下さい!」という形式だと聞いたことがあります。で、5名採用できないと来年に持ち越して続けると。こういうのはリテイナーと言わないとおもいますけどね。短期的にキャッシュは作れるけど、その会社は自社求人に応募してきた学生たちをじゃんじゃん他に流してたらしいので、2017年卒移行は紹介が難しくなるでしょうな、あれだけ悪評立ってますから。
オーダーのもらい方の違い
ヘッドハンティングとエグゼクティブサーチの境目がこれだと難しくなるかなと。
自分が認識している限りですとヘッドハンティング・エグゼクティブサーチのオーダーのもらい方は
A:by 個人名の指名制スカウト(どこどこの誰々を連れて来てここに座らせろ)
B:by 会社名とか部署名、特殊職域の指名制スカウト(この会社にいるやつ/この部署/これができる人を採用したい)
C:ざっくりオーダーからの候補者リスト作成→この人とこの人にアプローチしましょう
D:こういうことやってもらいたいんだけどいい人いない?
こんな感じでしょうか。人材紹介でもDはありますけど、AとBはあんまりないんじゃないかなと。ゲームの会社のエンジニア連れて来い!みたいなのはあるかもですが。Cは普通の紹介会社ほとんどやらないはず。
まあ、なんとなく「ヘッドハンター」って言うのが1番かっこいい感じするので、ビズリーチさんのヘッドハンターアワードとかは人材ビジネス従事者の自尊心をくすぐるいい名前をつけられたんじゃないかなと思います。僕的には候補者DB使ってたら純粋なヘッドハンティングとは言わないんじゃないかと思いますけどね。
そうなると、LinkedInでスカウトしてる人はどうなんだとか、Facebookでソーシャルナンパ的な事やってる人はどうなんだとかなってきますけどね。
ひとつ言えるのは「ヘッドハンター」を名乗っておいて、クライアントに「どこどこの誰々(要人)をウチで採用したいから連れて来てくれ」とオーダー貰って、「スイマセン、それは出来ません」だとカッコつかないっすね。ってことでしょうか。
今日はあまりまとまりませんが、この辺で。
Kosuke