オウンドメディアをもう少し気軽に気長に考えてみることのススメ
こんにちは、人材ビジネスアナリストのINST石野です。
先日書いた記事の中で結構反響があったのが、やはりというか集客の内製化についてでした。何人かのfacebookでつながっている紹介会社の社長さんや、セミナーにお越しいただいた方々には軽くお伝えをしているのですが、オウンドメディアを作る、ということをそんなに身構えず、気軽に気長に考えて見てもらいたいと思っています。
画像出典:ITpro
まず「はじめてみる」という意志決定が大事。
もし、このブログを読んでいただいているのが、人材ビジネス(他のビジネスでも一緒)を経営している代表の方だった場合、是非まずやってみる、ということを決断してみてください。
外部媒体に集客を依存している状態の投資は全くストックになりません。掛け捨ての投資なんです。お金をどんどんかけていったとしても、それはずっと掛け捨ての投資です。皆さんが投資したお金で集客してメディア力をつけていくのは外部媒体です。外部媒体が強くなるとどうなりますか?どんどん自社メディアのプレゼンスが少なくなってきてしまいますよね。そのような投資をいつまで続けるのでしょうか?
これを外部媒体に投資している金額の数%でもオウンドメディアの構築やコンテンツに投資してみると、それは少なからずストックとして御社の財産として蓄積されていきます。自社メディア、オウンドメディアを作ってみるという意志決定をしないかぎりは、ずっと掛け捨ての投資をし続ける事になってしまいます。なので、費用対効果がとても見えづらい投資にはなってしまうのですが、まずはそれをぐっと堪えて、「オウンドメディアを作ってみる」という意志決定から初めてみましょう。
逆にこれから事業を始めようとされている企業は是非自社メディアを持っていく方向で考えていったほうが良いと思います。だって広告に投資するよりお金も掛かりませんしね。
その次に「転職」軸を捨ててみては?
ここは僕の持論なんですが、「転職」という軸を一旦捨てる、もしくはメインの軸にしないという考えで自社メディアを作られてはいかがでしょうか。
え?何いってんの?転職希望者集められないと全く意味ないんだけど。
と思われる方もいらっしゃるでしょう、というか全くその通りです。その通りなんですけど、「転職」という軸を一旦捨てることのメリットは2つあると考えます。
1.中長期的にメディアのファンとなってくれる可能性がある
まず前提として、「転職」は個人の方にとって、いつ考え始めるのかもわかりませんし、転職をする期間はとても短いものです。なので、「転職」を軸にコンテンツ設計をしてしまうと、どうしてもユーザーとの付き合いが短期的になってしまうのではないでしょうか。
以前、アプリの受託開発をやっていた時に求人サイトや転職支援サービスのスマホアプリの開発の話の相談を受けたりしていましたが、結局作られない会社の多くは「DLはしてもらえる(難易度は高い)かもしれないけど、継続して保有し続けてもらえない」から、という理由でアプリを開発しない事が多かったです。
転職活動期間中に楽しめたり役に立つコンテンツ(例えば履歴書の書き方とか、年収査定とか)はその時は役に立っても転職活動をしていない時には本当に面白く無いコンテンツになってしまいます。
なので、別の軸でユーザーを惹きつけておいて、ユーザーが転職しようかなと思った時にその人を拾い上げられるようなコンテンツを作っていくことにメリットはあると考えます。
2.そもそも「転職」軸ではリクルートやインテリジェンス、enには勝てない
転職のときに役に立つコンテンツはなんといっても「求人」。その求人の量で大手媒体や大手紹介会社に勝つのはまず不可能でしょう。じゃあ質で勝とうとなったとしても、その質って「なにをもっての『質』?」という壁にぶち当たるでしょう。
オウンドメディアをSEO対策のためにやろうと思っても「エンジニア 転職」や「港区 転職」などのワードで大手媒体に勝つのはやはり難しいですね。そうなるともっと別の軸で考えたほうが良いのではないかと思います。
例えば、冗談に思うかもしれませんが「トレイルラン」「草野球」「フットサル」などのスポーツを軸にメディアを作ってみてはいかがでしょうか。ある一定量の競技人口がいると思われますし、競技者同士のコミュニケーションも活発に行われていたり、SNS上にコミュニティも存在するでしょう。
「エンジニア」がどのくらいいるのかわかりませんが「トレイルランをやっている人の中で一番有名な人材紹介会社」とかも全然アリな気がします。職種、出身校、性別、年収などのセグメント軸で切っていくのはもうほかの会社がやっていますし、趣味軸とかもありだと思うんですよね。海外のデーティングサービス(いわゆる出会い系)ではこういった趣味軸のものはすごく多く出てきています。求人と求職者のマッチング、というふうに考えますと、なしではないと思うのは僕だけでしょうか?
期待しても、1年は成果が出るのを気長に待つ
最後、これが一番難しいと思います。オウンドメディアは数ある集客手法の中で一番遅効性のものであると考えます。じわじわしか上がっていきません。
人材ビジネス(特に人材紹介)では、短期的に求職者獲得ができるメディアが多いので、たとえ数十万円をenやビズリーチさんに投資したりすれば、すぐに売上が上げることは出来るでしょう。
ですが、オウンドメディアに毎月数万円を掛けても、すぐに求職者からのエントリーがあるとは限りませんし、なんとなくですが、「ふわっ」とした転職希望者の方がエントリーしてきてマネジメントが大変だったりしそうです。ので、やはり多くの会社がその意志決定を躊躇われるのかと。
でも、それが大事なんだと思います。ふわっとした転職希望者の方がエントリーしてくれたら、それは極めて第一想起に近い状態の候補者であることに間違いはないですし、さっきの話と連動して「転職軸」ではないメディアからエントリーがあったとすると、その人は他の紹介会社に登録している可能性が低い独自候補者である可能性も高いです。
まずは気長に一年。代表の方からのトップダウンでも構わないと思いますので、成果が出るのを気長に気楽に待っていくというのも必要だと思います。そのための時間と投資は決して無駄にならないと思いますよ。
INSTの本業はINST SMSなどのツールの販売になっているのですが、ご相談も多いですので、僕の出来る範囲であれば、オウンドメディア構築や業務プロセスコンサルティングに関する相談も受け付けております。ご興味ある方は是非下の問い合わせフォームからご連絡ください。
※27日のセミナーは定員10名になりましたので、締め切らせていただきました!
それでは。
Kosuke