僕が考えるお薦めの人材紹介ビジネスKPI
INST石野です。
某先輩がセンテンススプリングされて議員辞職をされたようです。なんともコメントがしづらいのでリンクは貼りません。
さて、先日、友人がこんな記事をシェアしていました。
カルビーが失敗したデータ活用 -「やりすぎKPI」は会社経営の本質を見失う
ポテトチップスで有名なカルビーのビッグデータ活用の失敗事例について。成功事例ではなくて失敗事例をシェアするってのが面白いですね。
世の中はビッグデータやデータアナリティクスが賑わいを見せておりますが、カルビーもその波に乗って「KPI管理だ!」とやったようですが、KPIが3000以上もあって、結局机上の空論でうまく行かなかった、という内容。3000もKPIがあったらそりゃあそのKPIを追いかけるだけで必死になって、サービスの本質を見失うのも当たり前ですね。
偶然今日、武谷さんもKPIについてのブログを書いておられました。武谷さんはKPIは個人が日々の行動の目標にするくらいの指標で、それを達成することが目的になってはいけない、ということをおっしゃられていますね。
僕は個人のコンサルタントが個別個別にKPIを追いかける、というよりも組織のマネジメント層が追いかけるための数値で、KPI達成のために施策を考えてそれをコンサルタントにDoさせる、というのが良いと思っています。例えば面談数は1人月間30件、これは必達!というように個人に課すよりも、全体のエントリー数を150件にする、とかのほうが良いと思いますね。
先日、ある経営コンサルティング会社の「人材紹介立ち上げセミナー」みたいなのに知人に誘われて行ってきたのですが、サービスの立ち上げや売上管理/予測のためにはKPI設定が大事、とおっしゃられていました。まあ、KPI達成を目的にするのは良くないことかもしれないですが、KPIを追いかけることも大事、なかなか難しいですな。
僕は、お取引先である紹介会社様には、ほとんど健康診断的にKPIについてヒアリングを行っていまして、その中で「この辺は大事だな」とか「このKPIは設定してる会社少ないけど有効だな」というのを踏まえ、お薦めKPIを幾つかご紹介したいと思います。
※前提として、僕の方では組織的/平準的に人材紹介ビジネスを運営していくほうがベターというふうに考えていますので、そのあたりはぜひご理解の上読み進めていただけますと幸いです。
推薦数
これはほとんどの紹介会社で取り入れられていると思いますし、僕自身も非常に大事なKPIだと思います。企業の採用活動は当たり前のように書類選考→面接→内定と進んでいくわけですが、書類選考の数=採用企業にとっての母集団の数になるわけで、非常に重要な指標であると考えております。
また、その後の書類選考通過率や面接通過率も設定されている紹介会社もあるようですが、僕自身としてはその通過率は「必達!」というようにするよりは、ある一定ラインを下回らないようにする、という程度に止めておくべきだと思います。企業に書類が渡ってからはアンタッチャブルなこともありますし、すごい優秀な人をあるポジションで紹介していて「絶対面接通る!」と思っていても、自己応募や社内異動でクローズ→選考STOPなんてこともありますしね。
もちろんのことながら、推薦数は面談数×案内求人数×応募承諾率ではじき出されるわけですので、関連KPIも非常に大事かと思います。
面談設定率
これは僕のクライアント様でも設定している企業とそうでない企業は半々くらいという感じでしょうか。なんらかの方法で紹介会社にエントリーがあり、一定の基準をもって「この人は呼びこもう」という数を「有効エントリー」として、その有効エントリーに対し呼びこみを行い、面談設定が出来た割合が面談設定率です。
エントリー後に即TELして電話面談というスタイルの会社では測定も難しいですが、来社が前提となる紹介会社ではKPIとして設定されている場合も多いように思います。
これがなぜ大事かというと、その後の進捗に携わる数値(推薦数、書類選考通過数、面接数、内定数など)は、現場のコンサルタントの技量と採用企業のシチュエーションに寄って大きくブレる可能性があるからです。推薦数が大事と先ほど書きましたが、そのためにたくさんの求人を本人の希望にそぐわないのに紹介したりはあまり本質的ではありません。
面談設定率は、オペレーションの最適化によって、求職者と紹介会社間だけのやり取りで上げることが出来ます。持論ですが、KPIは「不確定要素が少なく、自分が管理監督しやすいもの」で設定することが原則だと考えております。面接通過率を10%上げろ!と言われても何をすれば良いのかわかりませんが面談設定率を10%上げるためには
・連絡を早くする
・無視されないような工夫をする
・SMSを利用してみる(宣伝)
というように改善がし易いということがポイントですね。
面談から入社承諾までの日数
これはあまり設定されている企業様が多くないですが、僕的にはお薦めのKPIです。どのくらいスムーズに進捗が進んでいくかということを測定することによって、転職希望者の方とのコミュニケーションがスムーズに行っているかどうかを測ることが出来ます。超大手の会社では導入されているイメージですね。
また、例えば面談から入社承諾まで45日かかっていたと仮定して、それが30日に短縮出来たとすると、単純に企業の生産性が1.5倍になります。
・いかに連絡をスムーズに取り合うか
・企業側の選考進行状況を早められるか
・意志決定までのクロージング力があるか
など、紹介会社の実力が問われるKPIだと思います。是非皆さんも測定してみてはいかがでしょうか。
KPIは個人の行動目標ではないほうがいい
武谷さんも書いていたとおり、KPIは個人の行動目標で「必達!」とするのは僕もどうかと思います。組織全体でどうやって上げていくか、を考えていくべきで、個人が「あー、今日面談する人から4件以上応募承諾貰わないとKPI未達だわ〜」となるのは良くないですね。大体の目安と考えて行動することと、管理職がきっちりそのための施策をとっておくことが重要です。
今日はこんな感じで。
それでは。
Kosuke