「サービスの無人化」について考えてみる
INST石野です。
日々、みなさんは様々なサービスを利用すると思いますが、「人を介さない」サービスを利用したことはありますでしょうか。いわゆる無人のサービスです。
完全に人が介さないサービスというのは絶対に存在しないわけですが、一定の条件や時間、役割を無人化しているサービスというのは意外に沢山あるような気がします。今日はいろいろある無人化されたサービスなどについて徒然なるままに考えてみたいと思います。
無人化のメリットはなんと言っても人件費の節約
セルフレジやコンビニコーヒーなどはサービスの提供における人件費を大幅に節約してくれることは皆さんもすぐにイメージがつくでしょう。回転寿司なども大手チェーンを始め、基本タッチパネルで注文ができるシステムを採用していますし、居酒屋などでもそういった注文方式を採用している店舗は多いように思います。
こういったセルフサービス化による従業員人件費の節約は、利益率があまり高くない低単価の小売飲食系を中心に採用が進んでいるように思えますが、一方でエニタイムズなどの一定の時間や期間無人で運営ができるトレーニングジムなどは、通常のジムに通うよりも安く通える(そりゃあ人件費を節約してるから)というメリットで人気があります。
このことからわかるとおり、これからの時代において価格競争力を強める・またはキープしていくためにはある程度の無人化というかオートメーション化は必要不可欠と言ってしまって問題はないでしょう。
なにもこういった無人化は今に始まったわけではなく、工業や農業などの一次産業においてはごく普通に行われてきたことで、それがどんどん他の産業においても珍しいものではなくなってきたわけで、例えば田植えを手で行ったりするのは機械が入ることができない狭い田んぼであったり、TV番組の企画や就農体験を目的とする以外は考えられないほど非効率なわけです。
給与は上がらないかもしれないが、採用コストはどんどん膨れ上がる
労働人口がどんどん減り、超高齢化社会を迎えるに日本において、労働者の数と企業が採用したい人の数の受給のバランスはどんどんと崩れていくのは明白です。もしこのまま人材獲得難の時代が続いたら、給与がもっと上がるのか?と期待してしまう人もいるかもしれませんが、日本ではそれはあまり起きないように思います。
なぜか?ほとんどの経営者は給与を20%UPさせると採用効率が20%以上上がるのに、それをしたがらないからです。固定費が上がるのは経営者にとってはできれば避けたい事態だからです。
労働者の獲得はパイがどんどん限られて行き、それに伴い採用コストは青天井で膨らんでいくでしょう。
支払うコストが膨らめば、企業の収益構造はどんどん悪化するわけで、別のコストを削減するか、提供するサービスの値上げをしない限りは現状維持すら不可能になっていくわけです。
どれだけ人を介在させなくていいかを考えるのが得策
例えば、御社が提供しているサービスが唯一無二で代替が効かないものだったとしますと、サービスの価格をいくら値上げしようと購入し続けてくれる顧客はいるでしょう。ですが、多くの企業が提供するサービスはそうではなく、競合が存在し、その競合と比較検討されるものです。
サービスの対価として支払う料金は、全く同じクオリティ・内容のサービスが提供されるのであれば安いほうがもちろん良いわけですので、価格競争力というのはビジネスが成功するための大きな要因の一つであるには間違いありません。
なので、今後はどんどんと「人を介在させなくていいようにする」ということを考えていく必要があると僕は考えています。
顧客は自社のサービスに「本当に何を求めているのか」を知る事が大事
最初の方に例で出したコンビニコーヒーですが、あれをスターバックスのように一杯一杯丁寧にドリップしていたらレギュラーサイズであの味のコーヒーは100円では到底飲めないわけで。
注文を聞いてくれてコーヒーを淹れてくれるプロセスや店員さんとの会話までを求める人には受け入れてもらえないにしても、「ある程度の味のコーヒーだけ」を求める人がある程度存在していたので、セルフドリップ式のコンビニコーヒーは売れたわけです。
例えば、このブログの読者に多いと思われる人材紹介ビジネスに置き換えて考えてみます。
コンビニコーヒーと同じように企業側が期待する成果が「採用だけ」で個人が期待する成果が「採用されるだけ」であるとした場合、多少乱暴だとしても企業側にはバンバン見境なく候補者を推薦して、個人には同じように求人票ディスペンサーの如く案件を紹介しまくればいいわけですよね。採用なんて確率論ですから。
片や人材紹介というサービスを大事にする会社は丁寧に企業と個人の要望をヒアリングしてマッチングの確率をUPしていくことでサービスのトータルとしての満足度を上げていくわけですよね。
ちなみに僕が思うに今後淘汰されずに生き残っていく確率が高いのは前者のほうだと思っています。
前者の方がシステムとして自動化するのが容易ですし、社員が未熟であったとしても成果が出る可能性が高いのに対し、後者は「長年の経験と勘」「その人それぞれに最適化する必要性」などが要素として複雑に絡み合うため、システムとして自動化するのが極めて困難なうえに、従業員の習熟度も必要になりますので人件費が高騰しやすいという弱点があるからです。
※これはあくまで期待される成果を「採用」や「採用されるだけ」に限定した場合の話ですよ
スタバのふりして、パックのコーヒー注いで出してませんか?
こういう話をすると、多くのサービス提供者は「ウチはスタバを目指してます」的な話をしてきます。
それが差別化につながると思っている、というかそれでしか差別化ができない、と思っているからです。
そのくせ実際の仕事のクオリティはあまり高くないうえにオペレーションが洗練されているわけでもなく、スタバを気取って裏でパックのコーヒーを注いで出しているだけな会社も多いように思います。
それなのであれば、いっその事「ウチのコーヒーはパックのを注いでるだけです。でも◯◯というメリットがあります」と言い切ってしまった方が良いと思うんですけどね。どうなんでしょう。
今の若い方々は電話対面含めオフラインの接点を嫌う人も多いですから、そこを逆手に取ってオンラインのみで面談するとかチャットボットが自動で求人票出してきてくれる、そのかわりに紹介手数料も業界平均の半額だし、というようにやっていっていたほうがいいような気がします。まあそれは成果報酬型サイトの役割なのかもしれませんが。
とまあ長くなりましたが、先日リリースしたINST API Kickerが思いのほか評判がよく、リリース1週間でもう2社から申し込みをいただきました。
エントリー後のSMS送信や架電を自動化したい、というニーズは間違いなくあったんだなと。
価格競争力をキープするということ意外にもオペレーションの徹底にも役立ちますので、興味がありましたら是非サイトを御覧ください。
それでは。
Kosuke
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